WBO世界J・ウェルター級王者。デマーカス・コーリーとの二試合を紹介します。
ランドール・ベイリー(アメリカ)
身長175cm:オーソドックス(右構え)
①デマーカス・コーリー 12R 判定 ランドール・ベイリー
(WBO世界J・ウェルター級タイトル戦、2003年)
(感想:コーリーがタイトル防衛。フロリダ州出身の黒人ベイリー。ニックネームが「The Knock-Out King」。ナチュラルな強打の持ち主でデビューからKO勝ちの山。何と全試合KO勝ちのまま強打者カルロス・ゴンサレス(メキシコ)を1Rで始末してWBO世界J・ウェルター級王者に。二連続KO防衛後、エネル・フリオに2-1の判定で王座陥落(2000年)。WBA世界S・ライト級暫定王座を獲得できたが、その次の試合でディオスベリス・ウルタドにKO負け(ベイリーは強打者だが、打たれ弱さ。ジュリアン・ジャクソンに似たところがある)。再起戦に勝利。王座奪回を狙ってコーリーに挑戦。王者コーリーはワシントンD.C.出身の黒人。アマチュア王者からプロへ。エネル・フリオを破って全米J・ウェルター級王者に。ベイリーからWBO王座を奪ったフリオが目の不調で王座返上。その王座を決定戦で獲得。フリオ相手に初防衛成功。ベイリー戦は二度目の防衛戦となる。ワシントンD.C.での一戦(ゴング前、リング上に星条旗を持ったドン・キング。リングアナはジミー・レノン・ジュニア。会場ではコーリーの妻シャロンが観戦)。共に28歳。ベイリーが足でリズムを取って右ストレート、左フック。サウスポーのスキンヘッド、コーリーは右ジャブ、接近戦で左右フック。なかなかパワーがあり、アッパー気味の右フックに迫力があるが、KOを狙って激しく攻めるタイプではない。互いに距離を保ちながらの展開。ベイリーはパワーよりも当てることを意識した打ち方。コーリーはディフェンスして当てる巧さを披露。8Rにワンツーをクリーンヒットさせる。12R終了、判定は3-0。コーリーがディフェンスで勝利。ベイリーはサウスポーはあまり得意ではないようだ。両者は後、再戦。)
その後のコーリー
次の試合でザブ・ジュダーに敗北、王座陥落。続くフロイド・メイウェザー・ジュニア戦も判定で二連敗。王座奪回を目指してWBO世界J・ウェルター級王者ミゲール・コットに挑戦したが、初のKO負け。ジュニア・ウィッターとのWBC世界スーパーライト級王座決定戦は判定負け。完全に自信を失ったらしく、ウィッター戦から五連敗の状況でベイリーと再戦。
その後のベイリー
コチラも厳しい。コットのWBO王座に挑戦してTKO負け。連勝後、ハーマン・ヌゴージョに2-1で敗北。そこから連勝でコーリーと「サバイバル戦」的な再戦。
②ランドール・ベイリー 8R 判定 デマーカス・コーリー
(ウェルター級戦、2008年)
(ダウンシーン)
3R:右ストレートでコーリーがダウン
(感想:ニューヨークでの一戦(小さめの会場。初戦とは違って寂しい雰囲気)。坊主頭になったベイリー。身体も丸っこくなり、見た目がコーリーと同じような感じに。かつて「倒し屋」だった頃はジュリアン・ジャクソン風の戦いぶりだったが、この試合では左を使いながら右ストレートを伸ばすルイシト・エスピノサ風。1Rからその右がヒットし、コーリーはクリンチ。互いにパンチにスピード。しかし、コーリーは連敗中のためかディフェンシブ。3R、右ストレートでコーリーがダウン。その後も共にストレート狙いだが、当たるのはベイリーの伸びる右ストレート&大きめの左フック。6R、右ストレートを食ってコーリーが後退。最終8Rに右フックをクリーンヒットさせたコーリーだが当たりが浅かったらしく、ベイリーは反撃。8R終了。判定は3-0。ベイリーが右パンチで勝利。コーリーは元々そんなに攻めるタイプではないうえに受け身。勝とうとする意志があったかどうか? その後の二人。コーリーは多くの試合。しかし、勝ったり負けたり。地域王座を獲得できたが、世界王座返り咲きならず。ベイリーはIBF世界スーパーライト級王者ファン・ウランゴに挑戦してTKO負け。マイク・ジョーンズとのIBF世界ウェルター級王座決定戦に勝利して、二階級制覇(2012年)。しかし、初防衛ならず。その後はブランクがちに試合。地域王座を獲得できたが、世界戦は無し。もう少しタフネスがあれば、といった選手だった。)
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