世界二冠王(ライト級、J・ウェルター)。IBF王座陥落後のロバート・ヌネス戦、トミー・ハンクス戦を紹介します。
グレグ・ホーゲン(アメリカ)
身長168cm:オーソドックス(右構え)
①グレグ・ホーゲン 7R TKO ロバート・ヌネス
(J・ウェルター級戦、1990年)
(感想:ゲルト・ボー・ヤコブセンを豪快にKOしてIBF世界ライト級王座を防衛したホーゲンだが、次の防衛戦の相手は強すぎた。金メダリストのパーネル・ウィテカー。3-0で敗北、王座陥落。一年後の再起戦に勝利してヌネス戦。年齢は29になった。ヌネス(26歳)は1983年デビューのカリフォルニアの選手。若手時代に後の世界王者ヘスス・サルードに判定負け。その後、ジョー・フレージャー・ジュニアに判定勝ちするなど中堅どころを相手に好調。直前の試合は判定負けに終わっている。ネバダ州リノ「Bally's Hotel & Casino」での一戦(レフェリーはミルズ・レーン)。リズミカルな動きでジャブを飛ばす両者。ヌネスはホーゲンのライバルであるビニー・パジェンサに似た戦い方をする男で、思い切りのいい打ち方でフック、伸びがある右ストレート。ホーゲンは接近してショートフック、左フックからの右ストレート、左ボディ打ち。ファイターながら慎重で、当てる巧さがある。3R、左フックをヒットさせたホーゲンが連打でさらに攻勢。ヌネスは積極的だが打たれ、左目下のキズが悪化。6R、ヌネスがキズのドクターチェック。このラウンド終了後、ドクターストップ。ホーゲンが良い勝ち方。ディフェンスもしっかり。ヌネスは負けたが、よく頑張った。これが最後の試合に。)
②グレグ・ホーゲン 10R 判定 トミー・ハンクス
(J・ウェルター級戦、1990年)
(感想:ヌネス戦の次の試合でパジェンサと対戦したホーゲンだが、判定負け(結局、パジェンサとは一勝二敗に終わったが、実力は互角だった印象。戦い方によって結果に違いがあったにすぎない)。ハンクスと再起戦。ハンクスはオハイオ州の白人。オハイオ州王座(ライト級)を獲得しているが、フランキー・ミッチェル(後、ブライアン・ミッチェル、フリオ・セサール・チャベスの世界王座に挑戦、敗北)、ヘクター・カマチョに判定負け、アンソニー・ジョーンズにKO負けしている中堅どころ。ネバダ州レイクタホでの一戦(リングアナはマイケル・バッファ、レフェリーはミルズ・レーン)。積極的なハンクス。ジャブ連打、ワンツー、接近してフック(パジェンサ似)。ホーゲンはジャブ、右カウンター、フックで応戦。見た感じでは互角。しかし、ディフェンスと当てる巧さに微妙に差が。10R終了。判定は大差の3-0。ポイント差ほど実力差があったワケではなかったが、「ポイントの積み重ね」で大差がついた。しかしながら、ハンクス。その後、トッド・フォスター、ジョーイ・ガマチェらを相手に全敗。タフで攻める勢いがあったが、テクニックが足りなかったようだ。)
その後のホーゲン
ヘクター・カマチョのWBO世界J・ウェルター級王座に挑戦して判定勝ち(カマチョ初黒星)。しかし、再戦に敗北。「懐かしの選手」レイ・マンシーニにTKO勝ちで北米J・ウェルター級王者に。フリオ・セサール・チャベスのWBC世界J・ウェルター級王座に挑戦したが試合前にチャベスを怒らせてしまい、無惨なKO負け。その後もリングに上がり、WBF王者(ウェルター級)に。1999年まで試合。2025年、大腸がんとの闘病の末に死去(64歳没)。
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