2025年6月19日木曜日

「英国の正統派」ケン・ブキャナン①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界ライト級王者。世界王座戦のルーベン・ナバロ戦、イスマエル・ラグナ戦(再戦)ほかを紹介します。


ケン・ブキャナン(イギリス)

身長171cm:オーソドックス(右構え)


ケン・ブキャナン 11R KO モーリス・クレン

(英国ライト級タイトル戦、1968年)

「英国の正統派」ケン・ブキャナン①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ブキャナンがタイトル獲得。スコットランド・エディンバラ出身の白人ブキャナン。アマチュアで活躍後、プロに。英国でのデビュー以来、連勝。スコットランド・ライト級王座を決定戦で獲得。さらに連勝で英国ライト級王座に挑戦。王者クレンも英国の白人。英国ライト級王座に挑戦して判定負け、世界ライト級王者カルロス・オルチスとノンタイトル戦で判定負け。決定戦でかつて獲り損ねた英国ライト級王座を奪取し、連続防衛中。イギリス・ロンドン(メイフェア)での一戦(ハイライト映像で観戦)。ブキャナンがキレイなボクシング。ジャブ、ワンツー。クレンは距離を取って戦うタイプで、ジャブカウンター、右ストレート。接近戦では互いに斜め下からのフック。両者にはディフェンスの差が。パワーを込めてジャブ、ストレートを打ち込むクレンだが、その分、ガードに隙があり打たれる。ジャブ、ワンツー、左フックなどで何度もダウンを繰り返し、最後は左フックでダウン、カウントアウト。ブキャナンが快勝。打たれるシーンもあったが、タフネスで乗り切った。敗れたクレンはその後もリングに。しかし、王座戦は無かった。)


ケン・ブキャナン 15R 判定 ルーベン・ナバロ

(世界ライト級タイトル戦、1971年)

「英国の正統派」ケン・ブキャナン①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ブキャナンがタイトル初防衛。クレン戦後も連勝だったブキャナンだが、初の海外試合で初黒星(マドリードでの欧州ライト級王座戦)。英国王座の防衛に成功し、プエルトリコ・サンファンで初の世界挑戦。パナマのイスマエル・ラグナから2-1の判定で世界ライト級王座奪取。ナバロと初防衛戦。挑戦者ナバロはカリフォルニア州イースト・ロサンゼルス出身。デビューから連勝。日本で小林弘に判定勝ち。世界ライト級王座挑戦者決定戦に判定負け。レネ・バリエントスとのWBC世界J・ライト級王座決定戦も判定負け。そこから連勝で、北米ライト級王座獲得。二度目の世界挑戦。ロサンゼルス「スポーツ・アリーナ」での一戦(レフェリーはアーサー・マーカンテ)。アゴヒゲ&モミアゲのナバロ。ブキャナンはおなじみチェック柄のガウン&トランクス。ゴング。リズミカルにジャブ連打、ワンツー、左フックのブキャナン。ナバロは「一発屋」。ジャブはそこそこに右ストレート、左フックを狙って打ち込む。この試合、ブキャナンは非常にジャブが多く、ワンツーからの左ジャブといったテクニック。接近戦では右アッパーを使うシーンもあるが、クリンチで打撃戦を回避。時折、強打をヒットさせるナバロ。しかし、空振りが多いのにイラついたか、危険なヘッドワーク。レフェリーから警告されたうえに客席からモノ(何やら白いモノだった)が投げつけられた。10R、ブキャナンがパワフルなワンツーからの左フック。その後もジャブでブキャナンが試合をリードして判定は3-0。ブキャナンが良い勝ち方。テクニシャンのイメージがあるが、連打にはパワーがあった。ナバロは残念。狙いすぎ。強いパンチを当てるシーンもあったが、相手を追い込む工夫に欠けた。その後もナバロはリングへ。1973年に三度目のチャンスを得たが、ロドルフォ・ゴンザレスにTKO負けでWBC世界ライト級王座奪取ならず。)


ケン・ブキャナン 8R TKO カルロス・エルナンデス

(ライト級戦、1971年)

「英国の正統派」ケン・ブキャナン①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:世界王者ブキャナンがノンタイトル戦。エルナンデスはベネズエラ人(カラカス出身)。1959年デビューのベテラン。ホセ・ナポレスにはTKO負けだったが、1965年にエディ・パーキンスを破って世界J・ウェルター級王者に(ベネズエラ初の世界王者)。防衛後、あのサンドロ・ロポポロに敗北、王座陥落。ニコリノ・ローチェのWBA世界J・ウェルター級王座に挑戦したが、王座返り咲きならず。そこから連勝だったが、判定負け。再起戦でブキャナンと勝負。英国ウェンブリーでの一戦。互いにジャブ。ブキャナンは溌剌とした動きで左フックからの右ストレートなどで攻める。エルナンデスはジャブを中心とした戦いをするが、攻めるときのバランスとガードに問題アリ。接近して左右フックで攻めるブキャナン。応戦するエルナンデスだが、打たれる(特にジャブ)。5R、ブキャナンが激しいダッキング(まるで激しく踊っているかのような動きで、思わず笑ってしまった)。6R、エルナンデスが左フック連打。ひるまないブキャナンはワンツーカウンター、右クロス。勢いとテクニックでブキャナン優勢。7R、右ストレートを食ってエルナンデスがトラブル。8R、コーナー付近でエルナンデスが連打されてついにレフェリーストップ。ブキャナンが隙を突く攻撃で快勝。エルナンデスは元世界王者にしては雑な動きで、強いパンチをマトモに食っていた。これがラストファイトに。)


ケン・ブキャナン 15R 判定 イスマエル・ラグナ

(WBA世界ライト級タイトル戦、1971年)

「英国の正統派」ケン・ブキャナン①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ブキャナンがタイトル防衛。世界王者ブキャナンだが、世界王者認定団体が分裂。WBCが指名する選手との対戦を回避して前王者ラグナとの再戦を選択。そのためWBC王座を剥奪されてWBAのみに。挑戦者ラグナはパナマの黒人テクニシャン。カルロス・オルチスから世界ライト級王座奪取(1965年)。奪回された後、苦難。マンド・ラモスをTKOして王座返り咲き(1970年)。鈴木石松を相手に初防衛に成功。その次の防衛戦でブキャナンに2-1で敗北。再起二連勝。三戦目は2-1の敗北。その再起戦でブキャナンに挑戦。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」での一戦。共にリズミカルな動きでジャブ、ディフェンス。ブキャナンはスタミナ。ワンツー、右アッパー、右ストレートからの左フック、ボディ連打。ラグナは左フック多め。共に当てるテクニックがあるがディフェンスするため一方的な展開にはならず、一進一退。6R、両者激しいフック連打。14R、ブキャナンが力強い攻め。ラグナはクリンチ&反撃。15R終了。判定は3-0。なかなかの好試合。ブキャナンが攻めるエネルギーで勝利。ラグナは元々KOを狙うタイプではない。実力的には互角だったが、相手の勢いに押された。まだまだ戦えたと思うが、これが最後の試合に。)

 

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