WBC世界J・ライト級王者。世界王者になる前後の試合。リッキー・アルバレス戦、ジェフ・メイウェザー戦ほかを紹介します。
ジェシー・ジェームズ・レイハ(アメリカ)
身長165cm:オーソドックス(右構え)
①ジェシー・ジェームズ・レイハ 1R TKO リッキー・アルバレス
(フェザー級戦、1990年)
(ダウンシーン)
1R:右フックでアルバレスがダウン
(感想:テキサス州サンアントニオ出身のレイハ。父は元プロボクサー。レイハ自身はスポーツにはあまり関心が無かったようで、ボクシングを始めたのは比較的遅かった。アマチュアを経てプロへ。中堅どころを相手にこれまで14連勝(9KO)。アルバレスはテキサスの選手で、12勝(5KO)3敗。デビューから中堅相手にまずまずだったが、元世界王者スティーブ・クルスにTKO負け。ジェームス・ピップスに判定負けで二連敗。再起戦でレイハと勝負。テキサス州コーパス・クリスティでの一戦。体格的に似たタイプ。共に慎重に相手を観察しながらジャブ、右ストレート、左フック。左フックからの右フックでアルバレスが派手にうつぶせにダウン。立ったが、レイハが一気に連打してレフェリーストップ。若手対決は何と1Rで終了。レイハは丹念にジャブを使いながら攻めるときは一気に爆発するタイプのようだ。アルバレスは動きは悪くはなかったが、いいパンチを食った。これが最後の試合に。)
②ジェシー・ジェームズ・レイハ 10R 判定 マーク・フェルナンデス
(J・ライト級戦、1991年)
(ダウンシーン)
4R:左フックでフェルナンデスがダウン
8R:右ストレートでフェルナンデスがダウン
(感想:アルバレス戦後、ドローを経験してこれまで16勝(10KO)1分のレイハ。フェルナンデスはコロラド州デンバー出身のサウスポーで、ニックネームは「King Cobra」。1982年にプロデビュー、25勝(13KO)7敗1分。バリー・マイケルのIBF世界J・ライト級王座に挑戦してTKO負け。コロラド州王座(J・ライト級)を判定で獲得。後のWBO王者マウリシオ・アセベス、ディンガン・トベラらに敗北。このところ中堅相手に三連勝中。テキサス州ヒューストンでの一戦。距離を取って右ジャブのフェルナンデス。勇敢なレイハは右ストレート、左右フックで終始攻撃。フェルナンデスはディフェンシブ。ワンツーからの右ジャブ、ワンツーからの右フックといったいいパンチを持っているが、KOを狙うようなボクシングではない。4R開始早々、右ストレートからの左フックでフェルナンデスがダウン。その後も攻めるレイハ。フェルナンデスは手数で対抗したり、オーソドックスにチェンジしたり。7R、レイハが連打、左ボディ打ちを見せるが、左カウンターを食う。8R、左フックからの右ストレートでフェルナンデスがダウン。その後もレイハが攻めて10R終了。判定は大差の3-0。共に微妙なところがあった試合。レイハはジャブが少な目。そのため相手を追い込むことができず、最後まで抵抗された。フェルナンデスは勝ちに行くような戦いぶりではなかった。また、サウスポーを基本としていたが、オーソドックスの時の方が良いパンチ(たまにそういう選手がいる)。試合ができれば負けても満足なのかもしれないが、もったいない。その後もフェルナンデスは多くの試合。スティーブ・ジョンストン、グレグ・ホーゲン、バーノン・フォレストといった実力者に敗北。2000年までリングに上がった。)
その後のレイハ
北米フェザー級王座獲得。元世界フェザー級王者トロイ・ドーシー、ルイ・エスピノサを破って、世界初挑戦。「魔神」アズマー・ネルソンとドローでWBC世界J・ライト級王座奪取ならず。再戦が行われ、タフなネルソンからダウンを奪って判定勝ち、王座獲得。しかし、ガブリエル・ルエラスに判定負けで初防衛ならず。少し間が空いてジェフ・メイウェザーと再起戦。
③ジェシー・ジェームズ・レイハ 10R 判定 ジェフ・メイウェザー
(ライト級戦、1995年)
(ダウンシーン)
3R:右フックでメイウェザーがダウン
(感想:これまで29勝(10KO)6敗4分のメイウェザーはミシガン州の黒人で、あのフロイド・メイウェザー・ジュニアの叔父。兄のロジャーは世界二階級制覇の「ボクシング一家」。オスカー・デラ・ホーヤ、ジョーイ・ガマチェには敗れているが、IBOジュニアライト級王座を防衛の実績。ラスベガスでの一戦(レフェリーはトビー・ギブソン)。ボクサータイプのメイウェザー。足で距離を取ってジャブ、右ストレート、左フック。打ち合いを避けようとするが、長いパンチには威力が(それなりに)ありそう。レイハは好戦的。ジャブ連打、ワンツー、フック。3R、左フックからの右フックでメイウェザーがダウン。その後もパワーでレイハ優勢。メイウェザーは7Rに左フックを連打するなど器用さを見せるが、レイハの前進を止めるほどではない。10R終了。判定は3-0。レイハがゴツいパンチで勝利。メイウェザーは何がしたいのかよくわからない試合ぶり。KOされなければ満足なのか? その後、メイウェザーはIBO王座戦に敗北。ラスベガスで坂本博之に2-0で敗北。獲得はマイナー王座にとどまった。引退後は甥ジュニアのセコンドで活躍。)
その後のレイハ
オスカー・デラ・ホーヤのWBO世界ライト級王座に挑戦して2RでTKO負け(1995年)。WBC世界J・ライト級王座を懸けてネルソンと三度目の対戦を行ったが、TKO負け。北米ライト級王座獲得。空位のIBAライト級王座を懸けてネルソンと四度目の対戦を行い、判定勝ち(結局、ネルソンとは二勝一敗一分)。シェーン・モズリーに敗北、アイバン・ロビンソン、ミッキー・ウォードに勝利。コンスタンチン・チュー、アルツロ・ガッティの世界スーパーライト級王座に挑戦して敗北。メジャー団体の王座を防衛できなかったこと、坊主頭で見た目が地味だったことで「スター選手」とは言い難い存在だったが、コブシの強さがあった。
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