2025年6月24日火曜日

「ウガンダのサウスポー」コーネリアス・ボサ・エドワーズ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBC世界J・ライト級王者。世界王座陥落後のジョン・ベルデローザ戦、ロベルト・エリゾンド戦ほかを紹介します。


コーネリアス・ボサ・エドワーズ(ウガンダ)

身長174cm:サウスポー


コーネリアス・ボサ・エドワーズ 2R TKO ジェームス・ワシントン

(J・ウェルター級戦、1980年)

「ウガンダのサウスポー」コーネリアス・ボサ・エドワーズ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ウガンダ・カンパラ出身の黒人サウスポー、エドワーズ。「ウガンダ」と言えば恐怖のアミン大統領。アミンによる独裁政権を嫌って大勢が国外へ。エドワーズもその一人らしく、英国へ。英国を主戦場にプロ活動。デビューから連勝だったが、負傷TKOで初黒星。その後、連勝。アメリカ、イタリア、モナコでも試合をしてきた。ワシントンはペンシルベニア州フィラデルフィアの黒人だが、まだ経験が浅い。英国ウェンブリーでの一戦。相手にプレッシャーを掛けるエドワーズ。右ジャブ、ワンツー、フックで力強い攻撃。ワシントンは相手から距離を取って戦いたいらしく、ジャブ連打、右ストレート。2R、攻めるエドワーズ。フックがヒットする。レフェリーが間に入って試合終了。エドワーズが攻めの姿勢&サウスポーのテクニックで勝利。ワシントンは「普通の選手」。特に酷く打ちのめされたわけではなかったが、レフェリーは「これ以上やらせたら危険」と考えたのだろう。その後、ワシントンは後の世界ランカー、バーナード・テーラーにTKO負け。中堅どころでキャリアを終えた。)


その後のエドワーズ

さらに連勝後、アレクシス・アルゲリョにKO負け。しかし、「善戦」だったことで関係者の注目を集める結果に。ラファエル・リモンのWBC世界J・ライト級王座に挑戦して判定勝ち(1981年)。ボビー・チャコンをTKOして初防衛。しかし、二度目の防衛戦で強打者ローランド・ナバレッテにKO負け、王座陥落(この当時、WBC世界J・ライト級王座をめぐる争いは激戦に次ぐ激戦で、かなり厳しかった)。結果的に世界王者だった期間は短かったが、王座陥落後は「手強い実力者」としてリング活動。82年3月にはKOで欧州J・ライト級王座獲得。


コーネリアス・ボサ・エドワーズ 3R TKO ジョン・ベルデローザ

(ライト級戦、1982年)

「ウガンダのサウスポー」コーネリアス・ボサ・エドワーズ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:右フックでベルデローザがダウン

(感想:これまで34勝(28KO)3敗のエドワーズ(25歳)。ベルデローザ(24歳)はニューヨークの選手で、ニックネームは「The Heat」(激しい試合をするタイプなのだろう)。アマチュア王者からプロ入り。22戦全勝(15KO)。全米J・ライト級王座を連続防衛中。アトランチックシティ「Playboy Hotel & Casino」での世界ランカー同士の一戦(レフェリーはラリー・ハザード)。トリッキーで素早い動きのベルデローザ。ストレート、振りが大きいフックで攻めの姿勢。ただ、無駄な動きが多く、攻めるときのバランスに問題。ベルデローザとは対照的にエドワーズは端正なボクシング。ディフェンスしながらワンツー、アッパー気味のフック、ボディ打ちで隙を突く攻撃。3R、エドワーズのパンチが次々にヒット。右フックでベルデローザがダウン。立ったが攻められ、左ストレートを浴びたところでレフェリーストップ。エドワーズが快勝。ベルデローザはボディ連打など精力的な攻めを見せたが、雑なボクシングだった。その後、ベルデローザは元世界ライト級王者ショーン・オグラディに勝利できたが、二つの敗北で引退。攻め一辺倒のボクシングに限界を感じての決断か?)


コーネリアス・ボサ・エドワーズ 10R 判定 ロベルト・エリゾンド

(ライト級戦、1982年)

「ウガンダのサウスポー」コーネリアス・ボサ・エドワーズ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:実力者との対戦が続くエドワーズ。ベルデローザ戦の次の相手も世界ランカー。WBC7位のエリゾンドはテキサス州コーパス・クリスティ出身。これまで22勝(18KO)2敗。WBC世界ライト級王者アレクシス・アルゲリョに挑戦してKO負け。その再起戦でエドワーズとサバイバル戦。アルゲリョにKO負けした者同士の対戦はどちらに軍配? ラスベガス「Showboat Hotel & Casino」での一戦。共に26歳。左右の構えの違いはあるが、共にジャブ、手数で勝負。エドワーズはいつものように右ジャブからの左ストレート、フック。エリゾンドはコンビネーション(左フックからの右ストレート、ボディ連打からの左フック、左フックダブル、ほか)が主体だが、手数が多い分、「一発のパンチ」はやや軽め。互いにディフェンスしながら隙を狙う打ち合いが続く。6R、エリゾンドの右ストレートがクリーンヒット。その後も互いに一歩も引かない打撃戦が最後まで続いて10R終了。観客がスタンディングオベーションする中、判定のアナウンス。僅差の3-0でエドワーズ。判定に不満なのか、エリゾンドは勝者を祝福することなくサッサと控え室に引き上げて行った。映像では互角に見えた試合。サウスポーの「当てるテクニック」で若干、エドワーズが上回ったようだ。なかなかの好試合で、「敗者はいなかった」と言ってもよい内容だった。その後のエリゾンド。ヒルマー・ケンティに勝利するなどタフな実力者としてリングに上がり続けたが、新星エドウィン・ロサリオのWBC世界ライト級王座に挑戦して1RでKO負け。エリゾンドが活躍する時代は去っていった。)

 

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