WBUジュニアライト級王者。キャリア終盤の試合。バーデル・スミス戦、フリオ・ディアス戦、コートニー・バートン戦を紹介します。
エンジェル・マンフレディ(アメリカ)
身長168cm:オーソドックス(右構え)
①エンジェル・マンフレディ 7R TKO バーデル・スミス
(ライト級戦、2001年)
(ダウンシーン)
1R:右ストレートでスミスがダウン
5R:右ストレートでスミスがダウン
(感想:インディアナ州出身の白人マンフレディ。身長168cmながら、リーチが180cmもあるらしい。ニックネームは「El Diablo」(英語で言うところの「The Devil」)。アマチュアからプロへ。デビュー戦に敗北、二戦目はドロー。次第に慣れてきたか、連戦連勝。カルビン・グローブ(元IBF世界フェザー級王者)と王座決定戦を行い、WBUジュニアライト級王座獲得。連続防衛。しかし、フロイド・メイウェザー・ジュニアのWBC世界J・ライト級王座に挑戦して2RでTKO負け。実力者アイバン・ロビンソンに判定勝ち。スティーブ・ジョンストンのWBC世界ライト級王座に挑戦して判定負け。ディエゴ・コラレスのIBF世界スーパーフェザー級王座への挑戦はTKO負け。そこから連勝でスミス戦。これまで36勝(28KO)5敗1分、26歳。スミス(37歳)はオクラホマの黒人だが、なかなかの戦績。40勝(17KO)34敗1分。コチラもデビュー戦に敗北(1988年)。以後、バック・スミス、ロバート・ワンギラ、ジョーイ・ガマチェ、フィリップ・ホリデイ、トッド・フォスター、サイモン・ブラウンに敗北。NABOウェルター級王座挑戦は判定負け(最後まで頑張った)。IBOインターコンティネンタル・ウェルター級王座奪取後、IBOジュニアウェルター級王者に。その後はフリオ・セサール・チャベスにTKO負けするなど勝ったり負けたり。ミシシッピ州トゥーニカでの一戦。1R、強そうな顔をしているスミスだが、妙に動きに乏しい。ディフェンスしながら何とかジャブを出す。仕掛けるマンフレディ。左フックからの右ストレートでスミスが早くもダウン。その後も右ストレートからの左ボディ打ちなどで攻めるマンフレディ。スミスは受け身の姿勢のまま。棒立ちスタイルでストレート、フックで反撃するが、パンチにはパワーがあまり乗っていない。5R、左耳を痛めたスミスが右ストレートでダウン。その後も攻められ、6R終了後についにギブアップ。マンフレディが攻めの姿勢で勝利。しかし、手こずった。スミスは何がしたかったのか? 攻めるワケでもなく、のらりくらりとした動きでブロックして時折反撃。「負けても試合をしたい」という意欲も感じられない試合ぶりだった。その後もスミスは多くの試合を行ったが、敗北多し。2006年まで試合。通算戦績46勝(18KO)62敗3分。名のある選手とたくさん戦えたが、その戦い方で満足だったのだろうか?)
②エンジェル・マンフレディ 12R 判定 フリオ・ディアス
(IBF世界ライト級王座挑戦者決定戦、2001年)
(感想:マンフレディが強敵と対戦。ディアスはメキシカン。これまで23連勝(17KO)。NABA王座(ライト級)を獲得している。テキサス州コーパス・クリスティでの一戦(会場でシュガー・レイ・レナードが観戦)。互いにジャブ、ストレート、フック。ディアスは器用さとテクニックで勝負するタイプで、時折サウスポーにスイッチ。マンフレディはパワー。左フックに力を込め、連打の回転が速い。左フックをボディからアゴへ連打するなど当てる巧さがあるディアスだが、4Rにローブローで減点。ディフェンスしながら互いに手数、9R、またしてもディアスがローブローで減点。11R、マンフレディがパワフルな右フック。12Rも一歩も譲らず打ち合って試合終了。共に自身の勝利を確信。判定は僅差の2-1でマンフレディ。パワーのマンフレディ、手数のディアス。互角の勝負だったが、ディアスは減点が痛かった。その後、ディアスは二度、IBF世界ライト級王者に。しかし、WBA・WBO世界ライト級王者ファン・ディアスとの統一戦に敗北。器用だったが、圧倒的なパワーの持ち主ではなかった。)
③コートニー・バートン 8R KO エンジェル・マンフレディ
(スーパーライト級戦、2003年)
(ダウンシーン)
7R:左フックでマンフレディがダウン
8R:左フックでマンフレディがダウン
(感想:これまで42勝(31KO)6敗1分のマンフレディ(28歳)。ディアス戦の次の試合でポール・スパダフォーラのIBF世界ライト級王座に挑戦したが、3-0で敗北。それが最後の王座戦に。再起三連勝でコートニー・バートン戦。バートン(25歳)はインディアナ州サウス・ベンド出身の黒人で18勝(10KO)1敗。デビューから連勝でインディアナ州王者(ライト級)に。しかし、KO負けでWBC米大陸ライト級王座獲得ならず。再起二連勝。直前の試合の相手は元世界王者ガブリエル・ルエラスで、8RでTKO勝ち。インディアナ州ハモンドでの一戦。互いにジャブ。マンフレディはいつものように攻めの姿勢。右ストレートからの左ボディ打ち、ボディ連打。バートンはディフェンスして距離を取りながらワンツー。接近戦。互いに手数が多く、フック、ボディ打ち。バートンはサウスポーにスイッチして器用なところを見せ、当てる巧さを発揮。左ボディからの右ストレートなど良いパンチを打つマンフレディだが、7Rに強烈な左フックでダウン。8R、スリップしたマンフレディにバートンが右ストレートの反則打。再開後、連打からの左フックでマンフレディがダウン。立てず、10カウント。バートンが連打と当てる巧さで快勝。マンフレディは終始攻める姿勢で悪くなかったが、これまでのダメージがあったのだろう。微妙に打たれるシーンが目立った。その後の二人。バートンは次の試合でNABOライト級王座を獲得したが、フリオ・ディアスとのIBF世界ライト級王座挑戦者決定戦でTKO負け。さらに四連続KO負けもあって、世界挑戦は無かった。マンフレディは一勝一敗で引退。いいパンチを打つ強い選手であったが、メジャー団体の世界王座は獲得できず。引退後はプロモーターやトレーナーとして活躍中とか。)
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