2025年6月11日水曜日

「ニューヨークの正統派」ビル・コステロ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBC世界J・ウェルター級王者。王座陥落後の試合。ボビー・エルキンス戦、ファン・ラポルテ戦を紹介します。


ビル・コステロ(アメリカ)

身長174cm:オーソドックス(右構え)


ビル・コステロ 6R KO ボビー・エルキンス

(ウェルター級戦、1994年)

「ニューヨークの正統派」ビル・コステロ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

6R:右ストレートでエルキンスがダウン

(感想:ニューヨーク出身の黒人コステロ。元々は野球をやっていたが、トラブルに巻き込まれて断念。アマチュアからプロへ。全勝のままブルース・カリーをKOしてWBC世界J・ウェルター級王者に(1984年)。ロニー・シールズ、ソウル・マンビー、レロイ・ヘーリーを判定でしりぞけて三度の防衛。四度目の防衛戦でロニー・スミスにKO負け、王座陥落。四階級制覇を目指すアレクシス・アルゲリョと対戦したが、4Rで仕留められてしまった。再起戦に勝利、引退。1992年にカムバック。以後、ラストファイトのファン・ラポルテ戦(1999年)までブランクがちに中堅どころと対戦することになる。エルキンス戦の時点で35勝(20KO)2敗。15勝(11KO)2敗のエルキンスはテネシー州の黒人。ローカルなキャリアで、直前の試合は1RでのTKO負け。ニューヨーク州ウェストベリーでの一戦(リングアナはエド・デリアン)。ワンツー、左フック、大きな右フックのエルキンス。真っ直ぐ攻めるクセがあり、攻めるときのバランスが悪い印象。コステロは正統派。ガードしながらジャブ、右ストレート。動きとパンチのスピードはそこそこだが、左ボディ打ちの巧さは健在。4R、右ストレートを当てたエルキンスだが、ガードの甘さから右ストレートを食う。6R、左フックからの右ストレートでエルキンスがダウン。立てず、KO。コステロがキレイなボクシングで勝利。全盛期のようなワケにはいかないが、上質のボクシングだった。一方、ディフェンスに問題アリのエルキンス。その後、中堅どころを相手に連勝したり、WBF王座(ウェルター級)に挑戦してTKO負けしたり。最後はヘクター・カマチョ、ランドール・ベイリーにTKO負けするなど連敗続きで引退。)


ビル・コステロ 10R 判定 ファン・ラポルテ

(J・ミドル級戦、1999年)

「ニューヨークの正統派」ビル・コステロ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ノースカロライナ州ファイエットビルで行われた「レジェンド対決」(この日の興行では元世界ヘビー級王者対決「ラリー・ホームズ vs. ジェームス・スミス」「ティム・ウィザスプーン vs. グレグ・ペイジ」(いずれも再戦)も行われた)。ラポルテはプエルトリカンで、元WBC世界フェザー級王者。サルバドル・サンチェス、ウィルフレド・ゴメスといった伝説の選手と戦ってきた。大きな試合を落とすことが多かったが、それは「狙いすぎ」によるもの。パワーは「ケタ外れ」だが、試合運びに難。この試合ではどうか? 共に丸っこい身体。コステロは髪が薄くなって老けた印象。ラポルテは「晩年のロベルト・デュラン」といった雰囲気。共にスピード感に欠けるが、コステロは左ボディ打ち、ラポルテはパワー。意外にもラポルテは踏み込みの速さがある。1Rに右ストレートを食ってピンチになったコステロはその後、ディフェンス(クリンチも)&コンビネーション。ラポルテは3Rに左フックを決め、6Rには精力的な連打。10R終了。判定は2-1。映像ではラポルテがパワーで勝ったように見えたが、コステロのコンビネーションが評価されたようだ。これで共に仲良く引退。)

 

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