2025年6月10日火曜日

「パワーのアフリカ系」ニノ・ラロッカ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

欧州ウェルター級王者。イボン・セゴール戦、スティーブ・グレゴリー戦、ハロルド・ボルブレッチ戦を紹介します。


ニノ・ラロッカ(イタリア)

身長177cm:オーソドックス(右構え)


ニノ・ラロッカ 4R TKO イボン・セゴール

(J・ミドル級戦、1981年)

「パワーのアフリカ系」ニノ・ラロッカ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

4R:右ストレートでセゴールがダウン

(感想:アフリカ北西部の国モーリタニア出身のラロッカ。プロデビュー戦はパリ(判定勝ち)。その後はイタリアを主戦場にこれまで全勝。セゴールはフランス・グアドループ出身の黒人。TKO負けが一つあるが、それ以外は好調。イタリア・ミラノでの一戦(4Rのみの映像)。ジャブ、ワンツー、フックのラロッカ。攻めは粗いが、右ストレートに伸び。セゴールはダッキングでディフェンスしながらジャブ。動きは悪くはないが、ストレート、フックの打ち方が微妙。攻めるときのガードに甘さがあるように見える。ロープ際での右ストレートでセゴールがダウン。立ったが、レフェリーストップ。ラロッカが快勝。どうやら右ストレートが主武器らしい。その後のセゴール。フランス王座(J・ミドル級)獲得。ルイジ・ミンキロ、ジャンフランコ・ロッシに敗れたが、後の世界王者ルネ・ジャコに勝利。フランス王座を懸けたジャコとの再戦にTKO負けで引退。)


ニノ・ラロッカ 4R TKO フレッド・コランソン

(J・ミドル級戦、1981年)

「パワーのアフリカ系」ニノ・ラロッカ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

4R:ワンツーでコランソンがダウン

(感想:連勝中のラロッカ。コランソンはフランス・マルティニーク出身の黒人。フランス王者(ウェルター級)になったが、王座陥落。王座返り咲きを目指して挑戦したが、失敗。このところ連勝で、ラロッカ戦。イタリア・サンレモでの一戦。トリッキーな動きをするラロッカ。ガードを下げて相手を挑発しながらジャブ、踏み込んで右ストレート、左ボディ打ち。コランソンはアップライトスタイルでジャブ、ワンツー、左フック。共に速いパンチを打ち、右ストレートに特にパワーを込める。4R、観客にアピールしながら戦うラロッカ。実に速いワンツーでコランソンをダウンさせる。コランソンはよく立ったが、ラッシュを掛けられてセコンドからタオル投入、試合終了。ラロッカが自由奔放な試合運びで勝利。個人的には試合中に余計なアピールをするのは好ましくないと思うが、「強さがそれを正当化する」といったところか。コランソンも右が強く、悪くなかった。ラロッカの方に勢いがあったのだろう。その後のコランソン。イボン・セゴールとのフランス王座(J・ミドル級)決定戦に敗れたり、ヘロール・グラハムに判定負けしたり。フランス王座(J・ミドル級)獲得で二冠王になったが、防衛できず。不安定なキャリアだった。)


ニノ・ラロッカ 3R TKO スティーブ・グレゴリー

(J・ミドル級戦、1982年)

「パワーのアフリカ系」ニノ・ラロッカ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:ワンツーでグレゴリーがダウン

(感想:連勝中のラロッカ。グレゴリーはオハイオ州コロンバス出身の白人。デビューから無敗でアユブ・カルレのWBA世界J・ミドル級王座に挑戦したが、判定負け。南アフリカでチャーリー・ウェイアーにTKO負け。直前の試合はトニー・アヤラ・ジュニアに3Rで敗北。イタリアのマッサ・マリッティマでの一戦。共に左のガードを下げてジャブ。実に粗い二人。右パンチを武器とするが、接近戦では互いにホールドしたままボカスカ打ち合う(レフェリーから警告)。気が強い両者が感情的な試合ぶり。「打ってこい」とアピールするグレゴリーだが、右パンチを打った後に隙ができる欠点。ラロッカが勢いに乗って連打、右カウンター。3R、互いに相手を挑発。キズのドクターチェックを受けたグレゴリーにラロッカが一気に勝負。コーナー付近でのワンツー連打でグレゴリーがダウン。立ったが、ギブアップで試合終了。互いに激しく打ち合い、アピールする「熱い試合」となったが、ラロッカが圧勝。なかなかの攻撃力だった。グレゴリーはやはりディフェンスに甘さ。次の試合もTKO負けで引退。)


ニノ・ラロッカ 10R 判定 ハロルド・ボルブレッチ

(J・ミドル級戦、1983年)

「パワーのアフリカ系」ニノ・ラロッカ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:連勝中のラロッカ(まさに快進撃)。後の世界王者マニング・ギャロウェイにも勝利。ボルブレッチは南アフリカの白人サウスポー。南アフリカ王座(ウェルター級)を連続防衛するなど国内ではトップだが、ピピノ・クエバスのWBA世界ウェルター級王座に挑戦したときは5RでKO負けしている。イタリア・サンレモでの一戦(狭い会場。学校の体育館、TV局のスタジオのような雰囲気で、少ない観客。レフェリーはフランク・カプチーノ)。慎重なボルブレッチ。足で距離を取りながら右ジャブ、左ストレートカウンター、右フック。パワーのあるパンチを打つが、自分から攻めて試合の流れを作るタイプではない。攻めるラロッカ。ジャブ、ワンツーにパワーを込めて先手を取る。左パンチを食うシーンもあるが、攻めの姿勢で優勢。8Rにはヘンな腰振りアピール。10R終了。判定は3-0。ラロッカが勢いで勝利。右パンチに威力。ボルブレッチは残念な男。カウンター狙いの受け身のボクシング。それでは大きな試合に勝てない。その証拠にその後も南アフリカのトップクラスであり続けたが、マーク・ブリーランドとのWBA世界ウェルター級王座決定戦でTKO負け。世界王者にはなれなかった。)

 

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