2025年5月12日月曜日

「モンソンの好敵手」ロドリゴ・バルデス「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBC世界ミドル級王者。世界王者になる前のピート・トロ戦、ラルフ・パラディン戦を紹介します。


ロドリゴ・バルデス(コロンビア)

身長177cm:オーソドックス(右構え)


ピート・トロ 10R 判定 ロドリゴ・バルデス

(ミドル級戦、1970年)

「モンソンの好敵手」ロドリゴ・バルデス「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

7R:右フックでバルデスがダウン

(感想:コロンビア・カルタヘナ出身の黒人バルデス。ニックネームは「Rocky」。カルタヘナでのプロデビュー戦に勝利。連勝後、TKOで初黒星。さらに連勝後、判定負け。主戦場をアメリカに移して連勝中。トロはプエルトリカンで、ニューヨークで戦ってきた男。連勝しては敗北、といった安定しないキャリアであるが、一定の実力はありそう。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」での一戦(レフェリーはトニー・ペレス)。共にパワフルなストレート、フック。打ち方も良い。フットワークで距離を取るトロ、攻めるバルデス。互いにワンツー、左フックからの右ストレートといったコンビネーション。7R、左フックからの右フックでバルデスがダウン(映像ではパンチがよく見えなかった。バルデスは「スリップ」を主張)。その後も攻めるバルデス。トロは反撃&クリンチ。10R終了。判定は2-0。トロがアウトボクシングで勝利。力強く攻めたバルデスが勝ったように見えたが、どの程度パンチが当たっていたのかは映像ではわからないため何とも言えない。後の世界王者を破ったトロ。しかし、次の試合で世界ウェルター級王者ホセ・ナポレスにノンタイトル戦でKO負け。中堅どころでキャリアを終えた。)


ラルフ・パラディン 10R 判定 ロドリゴ・バルデス

(ミドル級戦、1970年)

「モンソンの好敵手」ロドリゴ・バルデス「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:トロ戦後、再起戦に判定勝ちのバルデス。パラディンはメリーランド州の白人。中堅相手にデビューから連勝中。「マジソン・スクエア・ガーデン」での一戦。ピート・トロと同じパターンを使うパラディン。基本的に距離を取りながらジャブ、ストレート、フック。ただ、パンチの打ち方は良く、攻めるときはパワーを乗せて思い切りのいい攻撃(特に右フック)。バルデスも左フックからの右ストレート、左ボディ打ちなどに力強さ。しかし、先手を取るのはパラディン。バルデスは相手の動きに合わせてしまうクセがあり、畳み掛ける攻めに欠ける(中南米の選手によくあるパターン)。一進一退のまま10R終了。判定は2-1。積極さでパラディンが勝利。バルデスはもったいない負け方。映像ではパンチの迫力では相手を上回っていたように見えたが・・・。その後のパラディン。次の試合でマット・ドノバン(後、輪島功一の世界J・ミドル級王座に挑戦してKO負け)に負傷でTKO負け、初黒星。連勝後、ドノバンを2-0で下して北米王座(J・ミドル級)奪取。ボビー・ワッツ、ロッキー・マッチョーリに敗北。北米王座(ミドル級)も獲得できたが、アユブ・カルレらに三連敗で引退。)


その後のバルデス

快調。連勝後、ベニー・ブリスコを破って北米ミドル級王座奪取。カルロス・モンソンが剥奪されて空位となったWBC世界ミドル級王座をモナコでブリスコと争ってKO勝ち。四度の防衛を果たしたが、WBA王者モンソンとの統一戦に敗北。統一王者モンソンに挑戦したが、またしても判定負け。モンソンが王座返上、引退。空位となった王座をブリスコと争って判定勝ち。初防衛戦でウーゴ・コーロに判定負け、王座陥落。再戦にも敗れて、それが最後の世界戦に。モンソンには一度も勝てなかったが、危険な強打者ブリスコには完勝だった。 

 

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