2025年5月12日月曜日

「フランスの銀メダリスト」ローラン・ブードゥアニ②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBA世界J・ミドル級王者。欧州王座戦&世界戦。アンディ・ティル戦、ギレルモ・ジョーンズ戦(再戦)を紹介します。


ローラン・ブードゥアニ(フランス)

身長175cm:オーソドックス(右構え)


ローラン・ブードゥアニ 5R TKO アンディ・ティル

(欧州J・ミドル級タイトル戦、1993年)

「フランスの銀メダリスト」ローラン・ブードゥアニ②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:右フックでティルがダウン

3R:左フックでティルがダウン

(感想:ブードゥアニがタイトル防衛。KOで欧州王者になったブードゥアニが二度目の防衛戦。挑戦者ティルは英国ペリベール出身の白人。WBCインター王座、英国王座(いずれもJ・ミドル級)を獲得するなどこのところ連勝中で、勢いがある。ロンドンのエドモントンでの一戦。共に勢い。ティルはブロックしながらジャブ。ブードゥアニは得意のワンツーからの左ボディ。接近戦。互いにフック、ボディ攻撃でハイペースな打ち合い。ブードゥアニはアッパー気味のフックを使用。2R、勇敢に攻めるティルだが、右フックがカウンターで入ってダウン。3R、打ち合いの中、左フックでティルがダウン。その後、攻めるブードゥアニ、必死に応戦するティル。4R、バッティングでティルが右目付近を激しく負傷。このラウンド終了後に棄権。ブードゥアニがディフェンス&当てる巧さで勝利。結末はスッキリしないものだったが、相手の隙を突くなど優勢だった。ティルはパワーがあって良かったが、速いペースの打ち合いに競り負けた。その後のティル。再起戦で英国王座戦を行ったが、判定負け。ブランク後、TKO負けで引退。ブードゥアニ戦から三連敗でキャリア終了。) 


その後のブードゥアニ

欧州王座の三度目の防衛に失敗。後の世界二階級制覇王者ハビエル・カスティリェホからTKOで欧州王座を奪回。強打者フリオ・セサール・バスケスからWBA世界J・ミドル級王座を奪取。元王者カール・ダニエルズ相手に3-0で初防衛。二度目のギレルモ・ジョーンズ戦はドロー。三度目の防衛戦はジョーンズとの再戦(ダイレクト・リマッチ)。


ローラン・ブードゥアニ 12R 判定 ギレルモ・ジョーンズ

(WBA世界J・ミドル級タイトル戦、1998年)

「フランスの銀メダリスト」ローラン・ブードゥアニ②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ブードゥアニがタイトル防衛。挑戦者ジョーンズはパナマの黒人。WBAやWBCの地域王座(ウェルター、J・ミドル級)を獲得、防衛してきた実績がある。ラスベガス「ヒルトン」での一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア、レフェリーはリチャード・スティール。TV解説席にパナマのロベルト・デュラン)。身長が193cmもあるジョーンズ。スラリとした体格で長いジャブ、ストレート、インサイドからのフック。パンチのキレはそれほどでもないが懐が深く、相手からするとやりにくいタイプ。ブードゥアニはストレートとショートフックで隙を狙う。互いにディフェンス。映像では長いパンチのジョーンズがジャブでポイントを取っているように見えるが、ブードゥアニが当てるテクニックを時折見せる。9R、ブードゥアニの右ストレートがヒット。ジョーンズはストレート、フックで激しく反撃。その後も長いパンチのジョーンズ、接近してショートパンチのブードゥアニ。12R終了。共に手を上げて自身の勝利をアピール。判定は僅差の2-1。もう少しで負けるところだったブードゥアニ。デビュー当初から定評のある「当てるテクニック」で王座を何とか防衛。ジョーンズはパンチのキレに欠けるところが惜しい。そのためジャブをブロックされるシーンが多かった(もっとキレがあったらジャブがビシビシ決まっていただろう)。その後の二人。J・ミドル級で世界王者になれなかったジョーンズだが、何とWBA世界クルーザー級王座を獲得。ブードゥアニはパリであのテリー・ノリスを下し、四度目の防衛に成功(ノリスのラストファイトになった)。五度目の防衛戦でデビッド・リード(アメリカ)に判定負け、王座陥落。これが最後の試合に。王者としてはやや地味だったブードゥアニ。しかし、ヨーロッパの上品なボクシング&パワフルなフック連打を使う優秀な選手だった。) 

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