2025年5月14日水曜日

「韓国の重量級」朴鍾八①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBA・IBF世界S・ミドル級王者。世界王者になる前の試合&IBF戦。ロセンド・ルバルカバ戦、ビニー・クルト戦(再戦)を紹介します。


朴鍾八(韓国)

身長178cm:オーソドックス(右構え)


朴鍾八 5R KO ロセンド・ルバルカバ

(S・ミドル級戦、1983年)

「韓国の重量級」朴鍾八①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:左フックでルバルカバがダウン

5R:左フックでルバルカバがダウン

(感想:全羅南道務安郡の農家出身の朴。ボクサーになる前、韓国式相撲を経験。プロ入り。敗北を経験後、韓国ミドル級王座獲得。カシアス内藤をKOして東洋ミドル級王座も獲得。東洋王座を順調に防衛し続けてアジアでは「敵無し」といった状況になったが、フリー・オベル(マービン・ハグラーへの二度の挑戦で有名)にKO負け。さらに東洋王座を防衛後、KOで王座陥落。リターンマッチもKOで今度は朴が勝利、王座奪回。ルバルカバはメキシカン。中堅どころと戦ってきたが、このところ連続KO負け。ソウルでの一戦。互いにジャブ。朴はジャブを中心に試合を組み立てるタイプで、右ショート、ワンツー、踏み込んで左フック。パンチに速さと器用さ。ルバルカバは時折速いジャブを出すが、左フックを腕力で打つ。そのため攻撃をブロックされてしまう。3R、左フックからの右ストレートを食ったルバルカバ。左フックでダウン。5R、左フックがカウンターで入ってルバルカバがダウン。立てず、KO。朴がジャブで相手を追い込んで始末。クレバーな試合ぶりだった。ルバルカバはもう一つ。「メキシカン」と言えば「左フック」だが、パワーが乗らない打ち方。次の試合でマイケル・オラジデに判定負け。「負け役」としてキャリア終了。)


朴鍾八 15R KO ビニー・クルト

(IBF世界S・ミドル級タイトル戦、1986年)

「韓国の重量級」朴鍾八①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:ワンツーでクルトがダウン

15R:左フックでクルトがダウン

(感想:朴がタイトル防衛。ダウン応酬でマレイ・サザーランドからIBF王座を奪取した朴。二度目の防衛戦でクルトとソウルで対戦して判定勝ち(3-0)。三度目の防衛戦はクルトとのリターンマッチ(初戦が接戦だったのだろうか?)。挑戦者クルトはマサチューセッツ州イースト・ボストン出身の白人。アマチュアで経験。(違反だが)15歳でプロ転向。元々はライトヘビー級だったが、病気の手術で体重減少。ミドル級で再起。ロドリゴ・バルデスに判定負け、全米王座戦で判定負け、ビト・アンツォフェルモに判定負け。マービン・ハグラー戦をドタキャンして出場停止処分を受けるなどの問題行動。その後はピークを過ぎたベニー・ブリスコに判定勝ち、WBC米大陸王座(ライトヘビー級)を獲得するなど連勝で朴のIBF王座に挑戦して判定負け。再起三連勝で朴と再戦。中堅どころに勝ってきたキャリアで、タフさが売りの男(いつのことだか不明だが、シルベスター・スタローンにマネージされたことも)。どんな試合を見せるか? ロサンゼルス「スポーツ・アリーナ」での一戦。共にジャブ。動きのスピードはそれほどでもない両者だが、朴はジャブにスピードがあり、まとめて連打するなど手数を出していく。クルトは残念。ワンツーが武器のようだが、単発で動きの機敏さに欠ける。3R、朴の右ストレートがヒット。ワンツーでクルトがダウン。4R開始前にハプニング。ヘンな女がリングに上がって下着姿に(80年代に野球場などでたまにあった。自己主張が強い女なのだろう。警備は一体どうなってる?)。クルトはイマイチな状態が続く。4Rには右フックでダウンしたが、レフェリーはカウントせず。6R、8R、朴が連打で優勢。11Rにはワンツーからの左ボディ打ち。12R、朴を挑発するクルトだが、逆に打たれる。14R、朴が右手を盛んにグルグル回しながら連打(会場の熱心な韓国人ファンにアピールしているのだろう)。15R、右フックからの左フックでクルトがダウン。片ヒザをキャンバスに着いたままカウントアウト。朴がジャブ&連打で勝利。ボクシングの本場アメリカで勝てたのは自信につながるだろう。クルトはしぶとさはあったがスピードが無く、朴に勝てるような攻め、動きではなかった。その後、クルトは二連続KO負けで引退。後、カムバックしたが、特筆すべき実績は無かった。)

 

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