2025年5月8日木曜日

「凶暴なJ・ミドル級」フェルナンド・バルガス「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界J・ミドル級王者。世界王者になる前の試合。ホセ・ミゲル・フェルナンデス戦、アンソニー・スティーブンス戦を紹介します。


フェルナンド・バルガス(アメリカ)

身長178cm:オーソドックス(右構え)


フェルナンド・バルガス 1R KO ホセ・ミゲル・フェルナンデス

(J・ミドル級戦、1997年)

「凶暴なJ・ミドル級」フェルナンド・バルガス「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左ボディ、左フック連打、左フックで3度、フェルナンデスがダウン

(感想:カリフォルニア州出身のバルガスは「Ferocious(凶暴な)」と呼ばれる男。アマチュアで優秀な成績(アトランタ・オリンピック(1996年)に出場。メダルは獲得ならず)。プロではこれまで7連勝(7KO)。フェルナンデスはニューヨーク州ブロンクス出身で、7勝(4KO)14敗3分。中堅どころを相手にしてきたキャリアで、世界ランカーのゲーリー・ジェイコブスに判定負け(ジェイコブスはフェルナンデス戦の次の試合でパーネル・ウィテカーのWBC世界ウェルター級王座に挑戦して判定負け)。アトランチックシティ「Trump Taj Mahal」での一戦(ジョージ・フォアマンが出場したヘビー級の興行。レフェリーはトニー・オーランド。バルガスのセコンドにルー・デュバ)。負けが多いフェルナンデスだが、意外に動きが良い。踏み込んで右ストレートをボディに伸ばし、思い切りのいい左フック。身長で上のバルガス(前髪を少し染めるなど個性的な髪型)はジャブを基本とし、「ワンツーからの左フック」が特に目立つ。右ストレートでグラついたフェルナンデス。左ボディでダウン。立ったが、左フックで二度のダウンを追加して、KO。バルガスが力強い攻めで快勝。パワーに加え、パンチにはキレがあった。フェルナンデスは攻撃のセンスはあったが、打たれ弱さ。これまでのダメージがあったのだろう。その後、全敗で引退。)


フェルナンド・バルガス 5R KO アンソニー・スティーブンス

(ミドル級戦、1998年)

「凶暴なJ・ミドル級」フェルナンド・バルガス「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

5R:左ボディでスティーブンスがダウン

(感想:連勝のバルガス。スティーブンスはテキサス州ヒューストン出身の黒人で、ニックネームは「Untouchable The Warrior」(パンチを当てることができないほど動きが速いのだろう)。1986年デビュー。これまで29勝(17KO)8敗2分。ハロルド・ブレージャー、リビングストン・ブランブルに判定負け、フェリックス・トリニダードのIBF世界ウェルター級王座に挑戦してKO負け。全米王者(ウェルター級)になったが、二度のIBF世界J・ミドル級王座への挑戦はいずれも敗北。ルイス・ラモン・カンパスのIBF王座に挑戦して敗れた再起戦でバルガスと対戦。ペンシルベニア州フィラデルフィア「Blue Horizon」での一戦。ジャブ連打、右ストレートで攻めるスティーブンス。バルガスはディフェンスしながらジャブ、得意のワンツーからの左フック。共に速いパンチ。2R、ワンツーからの左フックを食ってスティーブンスがグラつき、以降はバルガスがコンビネーションで優勢。5R、左ボディでスティーブンスがダウン。立てず、KO。バルガスが経験のある選手を得意のパターンで始末。後は世界王座戦あるのみ。スティーブンスは良い選手だが、歴戦の疲れがあったか。その後は負けが込むようになっていった。)


その後のバルガス 

全勝のままルイス・ラモン・カンパスをTKOしてIBF世界J・ミドル級王座獲得(1998年)。アイク・クォーティらを相手に五度の防衛に成功後、WBA王者フェリックス・トリニダードとの王座統一戦にKO負け(2000年)。トリニダードが返上したWBA世界J・ミドル級王座を獲得。WBC王者オスカー・デラ・ホーヤと統一戦を行ったが敗北。それが最後の世界戦に。トリニダード、デラ・ホーヤに敗れてトップにはなれなかったが、活きのいい戦いぶりは見応えがあった。引退後はTV番組、ドラマに出演したりしているとか。) 

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