IBF世界スーパーミドル級王者。世界王者になる前の挫折。スティーブ・ダーネル戦、ラファエル・ウィリアムス戦ほかを紹介します。
チャールズ・ブルーワー(アメリカ)
身長185cm:オーソドックス(右構え)
①チャールズ・ブルーワー 2R TKO スティーブ・ダーネル
(S・ミドル級戦、1993年)
(ダウンシーン)
1R:左フックでダーネルがダウン
2R:左フックでダーネルがダウン
(感想:中堅との試合が続くブルーワー。これまで20勝(14KO)2敗。WBOの10位にランクイン。ダーネル(29歳)はミシガン州の白人サウスポー。26勝(15KO)4敗2分。後の世界王者リンデル・ホームズと全米王座を争って2RでTKO負け。このところ二連続TKO負け。フィラデルフィアでの一戦(リングアナはエド・デリアン、レフェリーはフランク・カプチーノ)。共に長身、というより「やせている」といった感じの二人。ダーネルは右ジャブ、左ストレートを出すがパワーが感じられず、ガードに甘さ。ブルーワーは相手がサウスポーでも関係なし。いつものようにジャブ、ストレート、左フック。接近戦では互いに連打。右ストレートが効いたダーネル。左フックでダウン。立ったが、足に来ている。2R、右ストレート、左フックを食うダーネル。左フックでダウン。今度も立ったが、攻められ続けてレフェリーストップ。ブルーワーが楽勝。隙があり、パワーも無い相手に勝ったところで自慢にはならない。ダーネルはこれで引退。)
②ロニー・ビースリー 1R TKO チャールズ・ブルーワー
(S・ミドル級戦、1994年)
(ダウンシーン)
1R:右アッパーでブルーワーがダウン
(感想:連勝中のブルーワー。IBF6位、WBOは8位にアップ。ビースリーはミシガン州の黒人で、これまで20勝(6KO)1敗1分。IBOジュニアミドル級王座を決定戦で獲得するなどこのところ連勝中。勢いのある者同士の対戦。どんな内容になるか? フィラデルフィアでの一戦(リングアナはエド・デリアン、レフェリーはルディ・バトル)。共にスリムな体型でジャブ。ビースリーは右パンチが武器。思い切りのいい打ち方で右ストレート、右フック。ブルーワーは長いストレート、左フック。意表を突くタイミング、角度でビースリーが右アッパー。一撃でダウンしたブルーワーは立ったがフラフラでレフェリーストップ。ビースリーが衝撃のKO勝利。本人もセコンドも興奮状態となった。ブルーワーはガックリ。元々、線が細いが、一発でやられるとは。その後のビースリー。フリオ・セサール・グリーンとの北米王座決定戦(ジュニアミドル級)でTKO負け。連勝後、ロニー・ブラッドリーのWBO世界ミドル級王座に挑戦したが、判定負け。以後は全敗でキャリア終了。実力はあったが、「一発屋」に終わった印象。)
③ラファエル・ウィリアムス 6R TKO チャールズ・ブルーワー
(S・ミドル級戦、1994年)
(ダウンシーン)
1R:ワンツーでブルーワーがダウン
6R:右フックでブルーワーがダウン
(感想:ビースリーに倒されたブルーワーが再起戦。ウィリアムス(32歳)はパナマの黒人で、これまで33勝(19KO)13敗。1980年デビュー。元々はライト級で、地元で連戦連勝。地域王座も獲得したが、リビングストン・ブランブルに判定で初黒星。続くヘクター・カマチョ戦はTKO負け。パーネル・ウィテカー、バディ・マクガートに判定負け。ニューヨーク州王座(ジュニアミドル級)を獲得したが、バーノ・フィリップスらを相手に連敗。ジョー・ガッティに判定勝ちして連敗脱出。ブルーワーと対戦。フィラデルフィアでの一戦(リングアナはエド・デリアン)。1R、なかなか動きがいいウィリアムス。マイク・タイソンばりにヘッドスリップしてブルーワーのジャブをかわす。ブルーワーの左フックがヒット。攻めるブルーワー、応戦するウィリアムス。 ワンツーでブルーワーがダウンし、今度はブルーワーがピンチ。その後、ジャブで体勢を立て直すブルーワーだが、3Rに右フックを食ってダウン寸前(グローブがキャンバスにタッチしたようにも見えた)。接近戦。勢いが落ちていく両者。6R、大きな右フックでブルーワーがダウン。立ったが、フラついてレフェリーストップ。ブルーワーが二連続で強烈なKO負け。長いパンチを使う選手は攻めるときに隙ができる(トーマス・ハーンズもそうだった)。ディフェンスを磨かねばならない。勝ったウィリアムスは得意の右で「してやったり」といったところ。しかし、その後もリングに上がり続けたが、ビニー・パジェンザ、クインシー・テーラー、グレンウッド・ブラウン、ラウル・マルケスといった実力者に敗北。ロニー・ビースリーと同様、実力はあったが、「一発屋」に終わった印象。)
④チャールズ・ブルーワー 2R TKO テリー・シェイ
(S・ミドル級戦、1994年)
(ダウンシーン)
2R:左ボディ連打でシェイがダウン
(感想:ウィリアムスに倒されたブルーワーの再起戦。シェイはコネチカット州の黒人で、これまで7勝(7KO)5敗。直前の試合は1RでKO負けだが、「勝利は全てKO」というのが気になる男。コネチカット州マシャンタケットでの一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア、レフェリーはスティーブ・スモーガー)。ブルーワーが打たれ弱いのを知ってか、シェイがダッキングしながら前進。ジャブ連打、右ストレートで攻めの姿勢。ブルーワーは足で距離を取ってジャブ連打、ワンツーからの左フック。2R、左ボディ連打でシェイがロープ外にはみ出すダウン。立てず、レフェリーストップ。ブルーワーが復活。攻撃のセンスは素晴らしい。後は「パンチを食わないテクニック」のみ。しかし、次のロドニー・トニー戦でダウンを喫して2-1の敗北。シェイは思い切ってチャンスに賭けたが、失敗。これが事実上のラストファイトに。)
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