IBF世界スーパーミドル級王者。全米王座戦&キャリア後期の試合。グレグ・ライト戦、フリーマン・バー戦ほかを紹介します。
チャールズ・ブルーワー(アメリカ)
身長185cm:オーソドックス(右構え)
①チャールズ・ブルーワー 3R TKO アダム・ガーランド
(S・ミドル級戦、1995年)
(ダウンシーン)
3R:左フックでガーランドがダウン
(感想:このところ不調のブルーワー(26歳)。ロドニー・トニーに2-1で敗れた再起戦。これまで23勝(17KO)5敗。21勝(13KO)4敗のガーランド(30歳)はニュージャージー州の黒人。デビューから連勝だったが、セグンド・メルカド(後、バーナード・ホプキンスとIBF世界ミドル級王座決定戦、敗北)に2-0で初黒星。後のWBA世界S・ミドル級王者スティーブ・リトルに2-0で勝利。その後は勝ったり負けたり。直前の試合は全米S・ミドル級王座戦で、TKO負け。フィラデルフィアでの一戦(リングアナはエド・デリアン)。似た体格の二人。右ストレート、左フックで攻めるガーランド。しかし、攻めるときのバランスが悪く、ディフェンスに甘さ。ブルーワーはディフェンスしながら得意のワンツー、左フック。接近戦では激しいフックの応酬(打たれ弱さがあるブルーワーだが、打ち合いに積極的。なかなか勇敢)。3R、左フックでガーランドがダウン。立てそうもないのを見て、レフェリーは試合を止めた。ブルーワーが力強い勝ち方。しかし、相手はガードが甘い選手。勝っても自慢にならないが、再起できてよかったといったところ。ガーランドは接近戦でのフックに良さがあったが、そこまで。これが事実上のラストファイト。後、カムバックしたが、バイロン・ミッチェルに1RでTKOされて引退。)
②チャールズ・ブルーワー 12R 判定 グレグ・ライト
(全米S・ミドル級タイトル戦、1997年)
(感想:ブルーワーがタイトル初防衛。フランク・ローデスを破って全米S・ミドル級王座を獲得したブルーワー。ノンタイトル戦に勝利して、この初防衛戦。挑戦者ライトはニューヨーク・ブロンクスの黒人で、これまで13勝(5KO)1敗1分。中堅どころと戦ってきており、王座戦はこれが初めて。フィラデルフィア「ブルー・ホライズン」(ブルーワーがフィラデルフィアで試合するときはほぼこの会場)での一戦(リングアナはおなじみエド・デリアン)。似たタイプの二人。ディフェンスしながら長いワンツー、大きめの左フック。ブルーワーが左ボディからの右ストレート、ライトは右アッパーからの左フックなどのコンビネーション。接近戦を仕掛けるブルーワー。それにライトが応じて激しい打ち合いに。手数で押していこうとするブルーワー。ライトは大振りのパンチを空振りした疲れもあってか、受け身の姿勢に。ただ、時折パワフルな右ストレート、左フックで反撃。そのパターンで12R終了。判定は3-0。ブルーワーが攻めの姿勢で勝利。フルラウンドに渡って攻めるスタミナがあった。ライトは迫力のある打ち方をしていたが、途中でバテたようだ。その後、ライトは連敗しながらも北米ライトヘビー級王者に。防衛にも成功したが、世界戦は敗北もあって実現しなかった。)
その後のブルーワー
ライト戦の次の試合は待望の世界戦。ゲーリー・バラードをTKOしてIBF世界S・ミドル級王者に(1997年)。古豪ヘロール・グラハムらを相手に三度の防衛。ドイツでスベン・オットケに敗北し、王座陥落。オットケとの再戦も2-1で敗北。北米王座(S・ミドル級)を決定戦で獲得後、WBO世界S・ミドル級王者ジョー・カルザゲに挑戦したが判定負け。再起二勝でフリーマン・バー戦。
③チャールズ・ブルーワー 5R TKO フリーマン・バー
(ライトヘビー級戦、2003年)
(感想:バーはバハマ出身の黒人。アマチュアでは国内王者に。プロではバハマでデビュー後、主戦場をアメリカに。フロリダ州王座、IBO王座、NABO王座(全てミドル級)獲得後、WBO世界ミドル級王座決定戦に出場したがTKO負け。その後はNABOスーパーミドル級王座を獲得、防衛するなど連勝だったが、TKO負け。その再起戦でブルーワーと勝負。ニュージャージー州トムズ・リバーでの一戦(レフェリーは元ヘビー級選手のランディ・ニューマン)。ゴツい身体になったブルーワー。全体的にパワーアップ。ジャブ、ワンツー、左フック。バーはプレッシャーを掛けられてジャブ、右カウンターで応戦。2R、ブルーワーが左フック連打(迫力)。3Rには左フックからの右ストレート。5R、斜め下からの左フックが効いたバー。次々に被弾してレフェリーストップ。ブルーワーが力強い勝利。S・ミドル級よりもライトヘビー級の方がパワフルで魅力的。バーは右パンチに威力があったが、終始押され気味でそのまま負けてしまった。その後の二人。バーはブランクがちにリングへ。中堅相手に四連勝でキャリア終了。ブルーワーは次の試合でWBO世界S・ミドル級暫定王者マリオ・ベイトに挑戦してTKO負け。再起戦はWBOインターコンティネンタル・スーパーミドル級王座決定戦。これもTKO負けで引退。不安定なキャリアだったが、スランプを乗り越えて世界王者になった根性は立派だった。)
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