世界スーパーミドル級王者。世界王座防衛戦。シルビオ・ブランコ戦、アリ・エネバッティ戦を紹介します。
スベン・オットケ(ドイツ)
身長178cm:オーソドックス(右構え)
①スベン・オットケ 12R 判定 シルビオ・ブランコ
(IBF世界S・ミドル級タイトル戦、2000年)
(感想:オットケがタイトル防衛。王者オットケは「Phantom(幽霊)」と呼ばれ、アマチュアではヨーロッパの大会で優勝した経験。29歳で遅いプロデビュー。チャールズ・ブルワーに勝利してIBF世界スーパーミドル級王者に。トーマス・テートらを相手に防衛。直前の試合はブルワーを2-1で返り討ち。これまで20連勝(3KO)で、33歳。(KO数が少ないのが気になる)。ブランコ戦は8度目の防衛戦。挑戦者ブランコ(34歳)はイタリア人(チビタベッキア出身)。兄もボクサーの「ボクシング兄弟」。40勝(24KO)4敗2分で悪くない。イタリア王座、WBCインター王座(いずれもミドル級)獲得後、WBUミドル級王座を獲得して連続防衛。王座陥落後、グレン・ジョンソンとの決定戦でWBUスーパーミドル級王座を獲得。ロビン・リードを相手に防衛に成功して、このオットケへの挑戦。ドイツ・カールスルーエでの一戦(オットケは世界王者になる前にウィーンで試合をしたことがあるが、それ以外は全てドイツで試合)。アップライトスタイルでジャブ、右ストレートのブランコ。フックは手打ち気味で、パワーが感じられない。オットケ(背中に「○○.com」の文字。何かの宣伝だろうが、選手の身体自体が「掲示板」になっているのはカッコ悪い)はそんなパンチをブロックしながら右ストレートからの左ジャブ、ガチャガチャした連打。実績がある二人だが、実に盛り上がらない試合。パワーのないブランコにオットケがジャブ、ストレート(あまり当たらない)、のパターンで12R終了。判定は3-0。オットケが攻勢点で勝利。後に全勝のまま引退することになるとは思えないほど魅力のない戦いぶり。会場のファンは喜んでいたが、海外のファンはこの試合を観てどう思っただろう? ブランコの「手打ちボクシング」は世界レベルではないように見えた。その後もブランコは多くの試合。階級を上げてWBA世界ライトヘビー級暫定王座獲得。正規王者に昇格。WBCシルバー王座(クルーザー級)も獲得。意外な活躍ぶり。)
②スベン・オットケ 11R TKO アリ・エネバッティ
(IBF世界S・ミドル級タイトル戦、2001年)
(ダウンシーン)
11R:右ストレート、右フック連打で2度、エネバッティがダウン
(感想:オットケがタイトル防衛。10度目の防衛戦。挑戦者エネバッティ(32歳)はアルジェリア出身で、フランス国籍。これまで30勝(20KO)3敗1分。WBCのインター王座を獲得したが、欧州王座は獲れず(いずれもミドル級)。このところ連勝中。ドイツ・ニュルンベルクでの一戦。共にガードしながらジャブ、ストレート、フック。エネバッティは右パンチに力を入れるが、特別な強さは感じられない(普通の選手)。オットケはディフェンスしながら隙を突くショートパンチ連打。左フックからの右ストレート、右フックからの左ジャブといった細かいボクシングだが、ブランコ戦と比べると攻撃のバリエーションが多い。11R。それまでと同じような展開の中、右ストレートでエネバッティがダウン。立ったが、さらに右パンチを食ってピンチ。ロープ際での右フック連打で二度目のダウン。今度も立ったがダメージ深く、レフェリーストップ。オットケがパワフルな勝利。全体的に地味なボクシングではあるが、ショートパンチを正確に当てる巧さ。そして右ストレートを「ガツン」と当てる思い切りの良さ。コブシ自体が強いのが「強さの秘密」だと思われる。エネバッティは頑張る選手だが、オットケのディフェンスを吹っ飛ばすほどの強さは無し。これが最後の試合に。その後のオットケ。WBA王者バイロン・ミッチェルと統一戦を行い、判定勝ち(2003年)。統一王座を防衛し続けて全勝で引退。世界王座を21度防衛。「地元で勝てる相手を選んでいたのでは?」という気もするが、それだけでは21度も防衛できない。引退後はゴルフのインストラクターになったとか。)
0 件のコメント:
コメントを投稿