北米スーパーライト級王者。世界挑戦の前後の試合。テレル・フィンガー戦、ノーベルト・ブラボー戦を紹介します。
ベン・タッキー(ガーナ)
身長175cm:オーソドックス(右構え)
①ベン・タッキー 6R TKO テレル・フィンガー
(ウェルター級戦、2001年)
(ダウンシーン)
3R:右フックでフィンガーがダウン
6R:左フック連打でフィンガーがダウン
(感想:ガーナ・アクラ出身の黒人タッキー。デビュー以来、連戦連勝でアフリカ王座、IBFインター王座(いずれもライト級)を獲得したが、グレゴリオ・バルガス(元WBC世界フェザー級王者)とのWBC米大陸ライト級王座決定戦に判定負けして初黒星。ゴールデン・ジョンソンに判定勝ち、元世界王者フレディ・ペンドルトンを右フックでKO、ジョンジョン・モリナ(元IBF世界J・ライト級王者)に2-1で敗北。実力者と対戦して経験を積んできた。フィンガー戦はモリナに敗れた再起戦。フィンガーはミズーリ州セントルイス出身の黒人。デビューから連勝だったが、エマニュエル・オーガスタスにKOで初黒星。アントニオ・ディアズとのIBA王座戦(スーパーライト級)にKO負け。再起戦に判定勝ちしてタッキー戦。イリノイ州エルジンでの一戦。足で距離を取りながらジャブ、右ストレートのフィンガー。ややバタバタした動きではあるが、ディフェンスしながら右パンチを当てようとする。タッキーは攻めの姿勢で前進し、ジャブ、左フックからの右ストレート。動きのスピード、パンチのキレは同じぐらいか? 2R、右フックを食ってフィンガーが足に来るピンチ。3Rに右フックでダウン。その後も隙を狙うタッキー。6R、タッキーが左ボディからの右フック。左フック連打でフィンガーがダウン。右目の負傷もあってフィンガーはギブアップするかのように10カウントを聞いた。タッキーが積極さで勝利。もう少し動きやパンチにキレが欲しいところ。フィンガーは右を狙いすぎで、隙があった。これが最後の試合に。)
その後のタッキー
フィンガー戦の次の試合でレイ・オリベイラを2-0で下して北米スーパーライト級王座獲得。テディ・リードをTKOして初防衛に成功。その勢いでコンスタンチン・チューのWBA・WBC・IBF世界スーパーライト級王座に挑戦したが、パワーに押されて判定負け(2002年)。さらに二連敗(シャンバ・ミッチェル、リッキー・ハットン)。約一年後の再起から二連勝。
②ベン・タッキー 10R 判定 ノーベルト・ブラボー
(ウェルター級戦、2005年)
(感想:これまで26勝(16KO)5敗のタッキー(31歳)。ブラボー(34歳)はアリゾナ州ツーソン出身で、20勝(12KO)10敗2分。連敗したり連勝したり、といった感じで波があるキャリア。このところ二連敗中。ロサンゼルスでの一戦。共にディフェンス&ジャブ。右パンチを得意とする。スピードとパワーは同程度か? 接近戦。手数が多い両者。ストレート、フック、ボディ打ち。互いに引かない打ち合いとなったが、タッキーの右フックが時折ヒット。ブラボーのパンチも当たるが、タッキーはディフェンスでダメージを抑えている印象。一進一退のまま10R終了。判定は2-0。あと少しでドローになっていたほどの接戦。タッキーの右フックが評価されたか。ブラボーもよく頑張った。その後の二人。ブラボーは連勝、連敗(ヨリボーイ・カンパスに判定負け、北米王座戦(ミドル級)でTKO負け、IBA王座戦(ウェルター級)で判定負け)。粘り強いが、それ以上にはなれなかった印象。タッキーはピークを過ぎていき、ケンドール・ホルトらに六連敗を喫するなどでキャリア終了。「王者が強かったため世界を獲れなかった男」の一人になってしまった。)
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