J・ウェルター級で世界挑戦経験。オジー・オニール戦、アンソニー・スティーブンス戦(再戦)を紹介します。
ハロルド・ブレージャー(アメリカ)
身長175cm:オーソドックス(右構え)
①ハロルド・ブレージャー 10R TKO オジー・オニール
(J・ウェルター級戦、1986年)
(感想:インディアナ州インディアナポリス出身のスリムな黒人ブレージャー。元々は空手をやっていたという。ボクシングを始めたのは24歳の時。アマチュアからプロへ。経験を積むため、積極的に試合に出場(自動車修理工でもあり、試合と仕事で大忙し)。ロイド・ハニガンらに敗れたが、KO負けは無し。インディアナ州王座(J・ウェルター級)獲得。メルドリック・テーラーに判定負け。その再起戦でオニールと勝負。これまで35勝(23KO)7敗、30歳。12勝(5KO)3敗1分のオニール(25歳)はオハイオ州の黒人。ニックネームは「The Wizard(魔術師)」(相手を惑わす攻撃をするのだろう)。ジョン・ミーキンス(後、ブレージャーと対戦)にTKO負けしたが、その後は好調で、連勝中。インディアナ州フレンチ・リックでの一戦(リングアナはマイケル・バッファ)。ボクサータイプのブレージャー。アップライトな姿勢でジャブ、ワンツー、左フック(ドナルド・カリーに似ている)。オニールはしぶといタイプ。ボディ連打などで反撃。5R、ブレージャーのグローブが破れて交換するハプニング。その後もジャブで先手を取り、右ストレートを時折ヒットさせるブレージャー。10R開始時にちょっとしたシーン。「グローブを合わせるあいさつ」と同時に右ストレートを放つブレージャー(正統派ながら意外にズルい?)。最終ラウンドにもかかわらず攻めの姿勢で左フックをヒットさせる。ロープ際でオニールが攻められたところでレフェリーストップ。それに不満の表情のオニール(タフ)だが、打たれていたのは事実であるためストップはやむを得ない。ブレージャーが最後まで攻める積極さで勝利。右ストレート、左フックに良さ。オニールは「打ち返すボクシング」。自分から試合の流れを作れない欠点があった(どのへんが「魔術師」なのか、よくわからなかった)。その後のオニール。再起戦でフランキー・ウォーレンと全米王座(J・ウェルター級)を争ってTKO負け。ジョー・フレージャー・ジュニアに判定勝ち後はマーク・ブリーランド、サイモン・ブラウンにKO負けするなど勝ち星無しでキャリア終了。)
その後のブレージャー
ブライアン・バロネットとの決定戦で北米J・ウェルター級王座獲得(1986年)。実力者ジョン・ミーキンスらを相手に防衛するなど連勝。ロジャー・メイウェザーのWBC世界J・ウェルター級王座に挑戦したが、2-1で敗北(1988年)。連勝後、イタリアでファン・マルチン・コッジのWBA世界J・ウェルター級王座に挑戦したが、これも判定負け(1989年)。さらにリビングストン・ブランブルにTKOで敗北し、北米王座陥落。ミッキー・ウォードに3-0で勝利(IBFインターコンティネンタル・ジュニアウェルター級王座戦)するなど連勝後、パーネル・ウィテカーに判定負け。ウィンス・フィリップス、ラリー・バーンズ、ケビン・ポンペイにも判定負け。ローカル王座(J・ウェルター級)獲得。中堅どころには手堅く勝つが、それ以上の選手には苦戦。
②アンソニー・スティーブンス 12R 判定 ハロルド・ブレージャー
(全米ウェルター級タイトル戦、1994年)
(感想:スティーブンスがタイトル獲得。ケビン・ポンペイを再戦でTKOして全米王者になったブレージャー(97勝(61KO)14敗1分)が防衛戦。挑戦者スティーブンスはテキサス州ヒューストン出身の黒人で、これまで21勝(12KO)6敗2分。フェリックス・トリニダードのIBF世界ウェルター級王座に挑戦して敗れたが、見せ場を作って名を上げた。その前の1990年にブレージャーと対戦したときは3-0で敗北。トリニダード戦から再起二連勝でブレージャーと再戦。ミシシッピ州ロビンソンビルでの一戦(リングアナはマイケル・バッファ)。髪を短くしているブレージャー(以前はパーマで「若さ」を感じたが、短くして「ベテラン」な雰囲気に)。互いにジャブ、右ストレート、左フック。打ち方はブレージャーの方がいいが、スティーブンスが連打するためブレージャーの攻めは単発に終わりがち。スティーブンスがパワーで優勢。4Rには右ストレートをヒットさせる。しかしながら、力んだ打ち方のため「流れるような攻撃」ができない欠点。連打してはクリンチしたり、間が空いたり。終盤も勢いでスティーブンス。勢いがありすぎて11Rにロープ外に身体が出そうになったり、12Rにはスリップしたり。12R終了。判定は3-0。スティーブンスが粗い連打で勝利。ブレージャーはかつてのキレがなく、攻めが続かず敗北(残念だが、仕方がない。ピークを過ぎてしまった)。その後の二人。スティーブンスは初防衛戦でKO負け。連勝後、ラウル・マルケス、ヨリボーイ・カンパスのIBF世界J・ミドル級王座に挑戦していずれも敗北。世界王者にはなれず。ブレージャーは精力的にリングに上がり、ローカル王座を獲得。しかし、ローカルな活躍にとどまった。)
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