WBA世界J・ウェルター級王者。パトリック・バレスタ戦(再戦)、ジャン・バチスト・メンディ戦ほかを紹介します。「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」
カリ・ライルー(モロッコ)
身長173cm:オーソドックス(右構え)
①カリ・ライルー 7R TKO パトリック・バレスタ
(欧州J・ウェルター級タイトル戦、1995年)
(ダウンシーン)
7R:右ストレートで2度、バレスタがスタンディングダウン
(感想:ライルーがタイトル防衛。ライルーはモロッコ出身(モロッコ系フランス人)。「モロッコ代表」としてソウル・オリンピック(1988年)にライトウェルター級で出場(メダルは獲得ならず)。プロ入り。フランス王座(J・ウェルター級)に挑戦したが、時期尚早。TKOで初黒星。連勝後、同王座を獲得したが、防衛戦でKO負け。フランス王座奪回後、実力者バレリー・カユンバから欧州王座(J・ウェルター級)奪取(微妙な判定だった)。ゲルト・ボー・ヤコブセン(元WBO世界ウェルター級王者)を相手に初防衛。バレスタと二度目の防衛戦。挑戦者バレスタはアルジェリア・オラン出身で、フランス国籍。連敗したときもあったが、連勝。ライルーとフランス王座を争って判定負け。連勝でライルーと再戦。フランスのカステルノ=ル=レでの一戦。共に力強いジャブ。ライルーはパワーで勝負。ジャブを基本としながらパワフルにワンツーからの左フック。バレスタは左のテクニック。左ジャブ連打からの左フック。なぜかよく滑るバレスタ(シューズが滑りやすいのだと思われる。以前に滑っていた選手がいたが、シューズを代えたら滑らなくなった)。しかも左フックをディフェンスされて空転。7R、ワンツーを食って動きが止まるバレスタ。ライルーが右ストレートで追撃し、スタンディングダウン。再開後、またしても右ストレートでスタンディングダウン。ダメージが明らかだが、再開。ライルーの右ストレート、左フック連打でレフェリーストップ。ライルーが右ストレートで勝利。ジャブをよく使う力強い試合ぶりだった。バレスタは左フックにこだわり。攻撃をブロックされ、再びライルーに王座奪取を阻まれた。これで引退。)
②カリ・ライルー 3R KO アンヘル・エルナンデス
(ウェルター級戦、1996年)
(ダウンシーン)
3R:左ジャブ、連打で2度、エルナンデスがダウン
(感想:バレスタ戦後、欧州王座をさらに防衛して世界王座を狙うポジションになったライルー。エルナンデスはメキシカン。敗北が多い男で、ビリー・ハーディ、ジョバンニ・パリージらに負けている。フランスのル・カネでの一戦。1R、サウスポーのエルナンデスは足で距離を取ってライルーのジャブをディフェンス。2R、攻めに転じるエルナンデス。左ストレート、左右フック。今度はライルーが足で距離を取りながらジャブ、右ストレートからの左フック。3R、ライルーが連打からの左ボディ。これが効いたか、ロープ際に追い込まれたエルナンデスが左ジャブでダウン。立ち上がり抵抗するエルナンデスだが、連打で二度目のダウン。それと同時にレフェリーストップ。ライルーが慎重な戦いぶりを見せたうえで連打で勝利。勝ったが、サウスポーはそれほど得意ではないのかも。エルナンデスは頑張ったが、そこまで。次の試合もKO負けで引退。)
③カリ・ライルー 12R 判定 ジャン・バチスト・メンディ
(WBA世界J・ウェルター級タイトル戦、1998年)
(ダウンシーン)
3R:右フックでライルーがダウン
9R:右ストレートでメンディがダウン
(感想:ライルーがタイトル防衛。エルナンデス戦の次の試合でライルーが待望の世界挑戦。経験あるフランキー・ランドールを TKOで下してWBA世界J・ウェルター級王者に。モロッコのカサブランカでマーティ・ジャクボウスキーをTKOして初防衛に成功。メンディと二度目の防衛戦。挑戦者メンディ(セネガル出身でフランス国籍の黒人)は元WBC世界ライト級王者。スティーブ・ジョンストンにWBC王座を奪われ、再起戦に勝利。再起二戦目でライルーに挑戦。パリでの一戦。サウスポーのメンディ。足で距離を取りながら右ジャブ、左ストレート、右フック。パンチにキレとパワー。ライルーはブロックしながら前へ。ジャブ、ワンツーで攻めの姿勢。互いにディフェンス。接近戦では共に速く強いストレート、フック。3R、左ストレートからの右フックでライルーがダウン。その後、ダウンを挽回しようと連打で攻めるライルー。メンディはカウンター狙い。6R、ライルーが右ストレートをヒットさせ、メンディはカウンター。9R、ワンツーからの右ストレートでメンディがダウン。10R、ライルーの左フックがヒット。12R、左フックを食ってライルーがピンチ。クリンチしながら何とか持ちこたえる。12R終了。判定は小差の3-0。かなりの接戦。攻める姿勢でライルーが防衛。メンディは惜しい。KOを狙うような攻めをしない男。もっと積極的だったら結果は逆だったかも。その後、メンディはあのオルズベック・ナザロフを判定で下してWBA世界ライト級王座獲得。)
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