WBCインター王者。ビビアン・ハリス戦(WBA王座を懸けた初戦)、ロベルト・クリステア戦を紹介します。
オクタイ・ウルカル(ドイツ)
身長174cm:オーソドックス(右構え)
①ビビアン・ハリス 12R 判定 オクタイ・ウルカル
(WBA世界スーパーライト級タイトル戦、2004年)
(ダウンシーン)
3R:右ショートでウルカルがダウン
(感想:ハリスがタイトル防衛。ベルリン出身のウルカル。1996年のアトランタ・オリンピックではライトウェルター級で銀メダル。プロデビュー以来、地元を主戦場に連戦連勝。TKOでWBCインター王座(J・ウェルター級)獲得。次いで欧州王座も獲得。しかし、コンスタンチン・ジューのWBA・WBC世界スーパーライト級王座に挑戦して判定負け(2001年)。欧州王座を取り戻して連続防衛。そしてこの二度目の世界挑戦。王者ハリスはガイアナの黒人でスリムな体型。兄弟がボクシングをやっていたこともあり、筋がいい。これが二度目の防衛戦となる。ドイツの首都ベルリン(プレンツラウアー・ベルク)での一戦(レフェリーは大ベテランのスタンリー・クリストドーロー)。動きとパンチが速いハリス(マイク・マッカラムに似ている)。ジャブ連打、ワンツー、右カウンター。ウルカルは右ストレートと左フックに特にパワーを込めるタイプで、攻めるときは一気に連打。3R、右ショートでウルカルがダウン。その後もジャブで先手を取るハリス。ウルカルは力強いが、攻めてはリセット。継続的な流れるような攻めができない欠点。5、6、7Rにハリスがローブロー。8Rについに減点(雑に攻めるウルカルをボディ打ちでカウンターしようとしてローブローに。意図的なものではないように見えたが・・・)。その後もシャープなパンチのハリス、パワーを込めたショート連打のウルカル。12R終了。共に手を上げて自身の勝利をアピール。判定は極めて僅差の2-0。映像ではハリスがポイントを取っていたように見えたが、ウルカルのパンチも時折ヒットしていたため僅差になったようだ。ただ、ウルカルは試合運びが上手くない。攻めがとぎれる戦い方はディフェンスされやすい。その後、WBA王座を懸けてダイレクト・リマッチが行われ、今度はTKOでハリス勝利。)
②オクタイ・ウルカル 3R TKO ロベルト・クリステア
(ウェルター級戦、2006年)
(ダウンシーン)
1R:左フックでクリステアがダウン
2R:右フックでクリステアがダウン
3R:左ボディ、右ボディで2度、クリステアがダウン
(感想:ハリスとの再戦に敗れたウルカル。再起戦で欧州ウェルター級王座獲得。防衛にも成功。クリステアはルーマニア・ブカレスト出身。ヨーロッパ各地で試合。敗北が多い「かませ犬」的なポジション。ポーランド・ワルシャワでの一戦。共にガードを上げてジャブ。攻めの姿勢のウルカル。パワーの乗ったワンツー、接近してフック連打。左フックをボディからアゴに連打する器用さも。クリステアは残念ながら腰が引けた試合ぶり。時折ジャブ、ストレートで反撃するが、防戦に専念。1R終了間際に左フック連打でダウン。2Rに右フックでダウン。3Rにボディで二度ダウン。それと同時にレフェリーストップ。ウルカルが怖がる相手を追い詰めて圧勝。ミスマッチだった。その後の二人。クリステアはルーマニア王座戦(ウェルター級)に敗れるなど多くの敗北、ブランク。復帰後は開眼したか、地元で好調。ルーマニア王座(ミドル級)を獲得、防衛するなど連勝で引退。通算戦績11勝(7KO)28敗。ウルカルは次の試合でミゲル・コット(WBA世界ウェルター級王座戦)に敗北、引退。パワーは世界王者級だったが、世界王座は獲れなかった。)
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