2025年5月2日金曜日

「正確な強打」ゲンナジー・ゴロフキン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界ミドル級王者。ウィリー・モンロー・ジュニア戦、ケル・ブルック戦、サウル・アルバレス戦(再戦)を紹介します。


ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)

身長179cm:オーソドックス(右構え)


ゲンナジー・ゴロフキン 6R TKO ウィリー・モンロー・ジュニア

(WBA世界ミドル級、WBC世界ミドル級暫定タイトル戦、2015年)

「正確な強打」ゲンナジー・ゴロフキン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:左フック、右フックで2度、モンローがダウン

6R:連打でモンローがダウン

(感想:ゴロフキンがタイトル防衛。全勝のまま王座を守り続けるゴロフキン。挑戦者モンローはニューヨーク州ロチェスター出身の黒人。モンローの伯父はあのマービン・ハグラーを判定で下したことがあるウィリー・モンロー。13歳でボクシングを始め、アマチュアで活躍。プロでは中堅どころを相手に経験を積み、NABA王座&NABO王座(ミドル級)を決定戦で同時に獲得。防衛に成功してゴロフキン戦。カリフォルニア州イングルウッド「フォーラム」での一戦(リングアナはマイケル・バッファ)。典型的なサウスポーのモンロー。足でリズムを取りながら右ジャブ連打、左ストレート。ゴロフキンは左を使いながら接近して右ストレート、フック。2R、左フックでモンローがダウン。立ったが、右フックで二度目。その後もモンローはサウスポーのテクニック&回転の速い連打を使うが、ゴロフキンを倒せるようなパワーのあるボクシングではない。 6R、連打でモンローがダウン。立ったが、ギブアップ。ゴロフキンがディフェンス&正確な強打で勝利。実に安定感があった。モンローはパワー不足。その後、WBOインターコンティネンタル王座を獲得してWBO世界ミドル級王座に挑戦したが、3-0で敗北。世界王者にはなれなかった。)


ゲンナジー・ゴロフキン 5R TKO ケル・ブルック

(WBC・IBF世界ミドル級タイトル戦、2016年)

「正確な強打」ゲンナジー・ゴロフキン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ゴロフキンがタイトル防衛。デイビッド・レミューを下してIBF王座を獲得したゴロフキン。これまでWBCは「暫定王者」だったが、正規王者に昇格。「ミドル級の絶対王者」に。挑戦者ブルックは英国シェフィールド出身の黒人。これまで全勝。英国王座などを獲得後、IBF世界ウェルター級王者に。三度の防衛に成功。王座を保持したままゴロフキンに挑戦。ただ、WBAはブルックを挑戦者として認めず、「世界王座戦」として承認せず(「ミドル級での実績が無い」ということだと思われる)。WBCとIBF王座が懸けられることに。英国グリニッジでの一戦。ジャブ、ワンツー、フックで攻めるゴロフキン。やはり体格差があるのか、ブルックはプレッシャーを掛けられて何とか応戦。1Rから連打されてグラつくピンチ。ただ、ブルックは間違いなく良い選手。右アッパーからの左フックを使い、2Rにはワンツーからの左アッパーを決めて会場が「ドッ」と沸く。3Rには右ストレート。しかし、ゴロフキンはタフ。5Rにブルックをロープ際に追い込み、連打をまとめる。セコンドからタオル投入で試合終了。階級差でゴロフキンが勝利。ブルックは見せ場を作ったが、そこまで。しかも試合後、右目の眼窩骨折が判明。WBAが懸念した通りの結果に。その後のブルック。再起戦でKO負けして、IBF世界ウェルター級王座陥落。テレンス・クロフォードのWBO世界ウェルター級王座に挑戦してTKO負け。ゴロフキン戦で全てが変わってしまった。)


サウル・アルバレス 12R 判定 ゲンナジー・ゴロフキン

(WBA・WBC世界ミドル級タイトル戦、2018年)

「正確な強打」ゲンナジー・ゴロフキン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:アルバレスがタイトル獲得。王座を守り続けるゴロフキンだが、サウル・アルバレスと対戦してドロー。その後、指名試合を行わなかったことでIBF王座を剥奪されてしまったが、WBA・WBCでは王者のまま。これまで38勝(34KO)1分。アルバレスと再戦。挑戦者アルバレスは「Canelo(カネロ)」とも呼ばれるメキシカンで、WBA・WBC世界スーパーウェルター級王座、WBC世界ミドル級王座を獲得している二階級制覇王者。49勝(34KO)1敗2分。ゴロフキンとの初戦から試合をしておらず、一年ぶりのリングとなる。ラスベガス「T-Mobile Arena」での一戦(会場ではマイク・タイソンが観戦)。似たタイプの二人。ガードを上げ、相手の隙を突く攻撃。ジャブ、ストレート、フック。ジャブを中心に手数で勝負のゴロフキン。アルバレスはパワー。特に左フックに力を入れ、意表を突くタイミングで打ち込む。互いにディフェンス、互角の勝負。互いのパンチがヒットするが、共にタフ。一進一退のまま12R終了。判定は2-0(114-114、二人が115-113)。映像ではドローに見えたが、僅かにアルバレス。やはりプロボクシングはパワーがある方が有利。ゴロフキンの正確なパンチも良かった。「敗者がいない試合」だったと言えよう。その後の二人。アルバレスは世界スーパーミドル級王座を獲得、統一し、現在(2025年。34歳)も防衛戦を控えている。ゴロフキンはIBF王座奪回。WBA王者の村田諒太と統一戦を行い、TKO勝利。統一世界スーパーミドル級王者になったアルバレスと三度目の対戦をして3-0の敗北、引退。結局、一度もアルバレスに勝てなかったが、全盛期の強さはそれによって否定されることはないだろう。) 

 

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