世界ミドル級王者。マシュー・マックリン戦、カーティス・スティーブンス戦、マーティン・マレー戦を紹介します。
ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)
身長179cm:オーソドックス(右構え)
①ゲンナジー・ゴロフキン 3R KO マシュー・マックリン
(WBA世界ミドル級タイトル戦、2013年)
(ダウンシーン)
3R:左ボディでマックリンがダウン
(感想:ゴロフキンがタイトル防衛。14歳でボクシングを始めたゴロフキン。アマチュアで優秀な成績(2003年の世界ボクシング選手権で優勝、2004年アテネ・オリンピックでは銀メダル(いずれもミドル級))。ドイツのプロモーターと契約し、プロ転向。以来、全勝でWBA世界ミドル級暫定王座を決定戦で獲得。正規王者に昇格。淵上誠、石田順裕らを相手にこれまで7度の防衛(IBO王者でもある)。挑戦者マックリンは英国バーミンガムの白人で、ニックネームは「ナイフ」(切れるパンチを打つのだろう)。アマチュアからプロへ。ローカル王座、英国王座、欧州王座(全てミドル級)獲得。WBA世界ミドル級王者フェリックス・シュトルムに挑戦して判定負け。WBCダイヤモンド王座に挑戦してTKO負け。再起戦に勝利してゴロフキン戦。コネチカット州マシャンタケットでの一戦。オスカー・デラ・ホーヤに顔が似ているマックリン。左のガードを下げた構えから左ジャブ連打。ゴロフキンはブロックしながら正確なジャブ、右ストレート、フック、左ボディ打ち。ジリジリと相手との距離を詰める様は名王者フリオ・セサール・チャベスを思い出させる動き。マックリンは左フックからの右ストレートにキレがあるが、押され気味でクリンチ。3R、左フック、右ボディ打ちを決めたマックリンだが、ロープ際での左ボディでダウン。悶絶したまま立てず、KO。ゴロフキンが相手を追い込んで最後はボディ一発で勝利。しっかりしたディフェンスで、安定感があった。マックリンはその安定感を崩せるような攻めでは無かったように見えた。その後、マックリンはWBCインター王座(スーパーウェルター級)を獲得する活躍はあったが、世界王座戦はゴロフキン戦が最後となった。)
②ゲンナジー・ゴロフキン 9R TKO カーティス・スティーブンス
(WBA世界ミドル級タイトル戦、2013年)
(ダウンシーン)
2R:左フックでスティーブンスがダウン
(感想:ゴロフキンがタイトル防衛。これまで27勝(24KO)のゴロフキン。マックリン戦の次の試合は9度目の防衛戦。挑戦者スティーブンスはニューヨーク州ブラウンズヴィル出身の黒人で、25勝(18KO)3敗。アマチュアではライトヘビー級で全米王者に。プロでは元世界王者カール・ダニエルズに3-0で勝利、ニューヨーク州王座(ライトヘビー級)、北米王座(ミドル級)獲得といった実績。ニューヨーク「Madison Square Garden Theater」での一戦(リングアナはマイケル・バッファ、レフェリーはハーベイ・ドック。会場でスティーブンスの母、ウラジミール・クリチコが観戦)。ゴング前、共に自信タップリ。ガードを上げてジャブ。接近してフックを振るうスティーブンスだが、ゴロフキンはディフェンスして正確にジャブをヒットさせる。2R、左フックでスティーブンスがダウン(ビックリした表情のスティーブンス。ジャブを食らい続け、このダウン。これで勝負あったか?)。4R、ボディを攻めるゴロフキン。スティーブンスの右フック、右ストレートがヒットしたが、ゴロフキンはタフ(どうやら打たれても単発だったら耐えられるらしい。そのタフネスぶりもチャベスに似ている)。その後もゴロフキンがジャブ、右フック、左ボディ打ちで優勢。スティーブンスはロープ際に追い込まれてボディを打たれながらも応戦。8R、ゴロフキンが左ボディ打ち、右フック。スティーブンスはこのラウンド終了後、棄権した。ゴロフキンが正確なパンチ&ディフェンスで勝利。スティーブンスはガードしていたにもかかわらず、打たれた。フックを当てるシーンもあったが、多くはディフェンスされた。自分のパンチは当たらないのに相手の強打は当たる。打たれる方にとってはまさに「悪夢」だろう。その後のスティーブンス。WBC米大陸王座、IBA王座(いずれもミドル級)獲得。メジャーな世界王座は獲得できなかった。)
③ゲンナジー・ゴロフキン 11R TKO マーティン・マレー
(WBA世界ミドル級、WBC世界ミドル級暫定タイトル戦、2015年)
(ダウンシーン)
4R:右ボディで2度、マレーがダウン
10R:右ストレートでマレーがダウン
(感想:ゴロフキンがタイトル防衛。スティーブンス戦後、WBAから「スーパー王者」に認定され、WBC暫定王座も獲得したゴロフキン。挑戦者マレーは英国セント・ヘレンズ出身の白人で、これまで29勝(12KO)1敗1分。アマチュアの経験が長く、プロ入りは2007年。英連邦王座、英国王座(いずれもミドル級)、WBA世界ミドル級暫定王座獲得後、WBC世界ミドル級王座に挑戦したが判定負け(3-0)。WBCシルバー王座(ミドル級)を獲得してゴロフキンへの挑戦。モナコ・モンテカルロでの一戦(リングアナはマイケル・バッファ)。マレーがガードをガッチリ固めてジャブ、ワンツーからの左フック。ゴロフキンはいつものように攻めの姿勢で、隙を突くパンチ(相手が誰でも変わらない)。右ストレート、距離を詰めて右フック、ボディ打ち。良いパンチを持っているマレーだが、攻められるとクリンチ(1Rから)。4R、攻撃を強めるゴロフキン。クリンチをさせないように攻め、マレーが右ボディで二度ダウン。その後もフック、アッパーで相手を追い込むゴロフキン。マレーは反撃しながら反則レベルのホールド連発&鼻から出血。10R、右ストレートでマレーがダウン。11R、マレーがコーナー付近で右フックを食ったところでレフェリーストップ。ゴロフキンが逃げるチャレンジャーを追い込んで勝利。マレーはお粗末な試合ぶり。そんなにゴロフキンのパンチは強かったのだろうか? その後もマレーはリングへ。WBO世界スーパーミドル級王座に二度挑戦したが、いずれも判定負けに終わった。)
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