WBA世界J・ミドル級王者。世界王者になる前のジャメル・ゼガディ戦、カリム・オウタラ戦、リック・ヘインズ戦を紹介します。
ローラン・ブードゥアニ(フランス)
身長175cm:オーソドックス(右構え)
①ローラン・ブードゥアニ 1R TKO ジャメル・ゼガディ
(J・ミドル級戦、1989年)
(ダウンシーン)
1R:連打、左ボディ、右ボディで3度、ゼガディがダウン
(感想:ブードゥアニはフランス期待の星(サランシュ出身)。ソウルオリンピック(1988年)・ウェルター級銀メダリスト(決勝でロバート・ワンギラにKO負け。しかし、ワンギラはプロでは大成できなかった)。これがプロデビュー戦。ゼガディはアルジェリア出身で、フランス国籍。このところ連敗中。フランスのサン・カンタンでの一戦。見た目が似ている両者。ジャブ、ストレート、フック。しかし、連打の回転力に大きな差が。ブードゥアニが右フックをヒットさせたのをキッカケに大きな左フック連打、アッパー気味の右フック(迫力)。連打でゼガディがダウン。左ボディで二度目。右ボディで三度目。セコンドからタオルが投入されたが、レフェリーはカウント続行。しかし、試合ストップ。ブードゥアニが迫力のフックで快勝。上位陣との対戦が観たいと思うようなパワフルな攻めだった。ゼガディは標準的な選手。その後も負けて、6回戦選手としてキャリアを終えた。)
②ローラン・ブードゥアニ 1R TKO カリム・オウタラ
(J・ミドル級戦、1990年)
(ダウンシーン)
1R:左フックでオウタラがスタンディングダウン、右ストレートでダウン、連打でスタンディングダウン
(感想:連勝のブードゥアニ。オウタラは西アフリカ・コートジボワール出身の黒人。戦績はイマイチ。フランス・モンペリエでの一戦。相手を警戒しながらジャブを出すオウタラ。ブードゥアニはゴツい系のパンチで右ストレートからの左フック。ブードゥアニの右ボディがローブローになり抗議するオウタラだが、左フックを浴びてスタンディングカウントを取られる。再開後、ショートの右ストレートでダウン。立ったが、連打されてスタンディングダウン。セコンドからタオルが投入されたが、レフェリーはカウント続行(ゼガディ戦と同じパターン)。しかし、戦意喪失で試合ストップ。ブードゥアニが重いパンチで勝利。オウタラはローブローの不運があったが、隙があったようだ。その後、オウタラは連敗。最後にKO勝ちして引退。)
③ローラン・ブードゥアニ 3R KO リック・ヘインズ
(J・ミドル級戦、1992年)
(ダウンシーン)
3R:右ストレートでヘインズがダウン
(感想:オウタラ戦後も連勝だったブードゥアニだが、ギルバート・バプティストにTKO負け、初黒星(バプティストはブードゥアニ戦後、ジャンフランコ・ロッシのIBF世界J・ミドル級王座、ジェラルド・マクラレンのWBC世界ミドル級王座に挑戦して敗北。世界王者にはなれなかった)。そこからまた連勝。ヘインズ(37歳)はイリノイ州の黒人。1980年デビューのベテランだが、負けが多い。直前の試合はミドル級の若手ジョー・リプシーにTKO負け。フランス・ギャップでの一戦。ガッチリとブロックを固めてジャブ、右ストレートのヘインズ。ブードゥアニはそのガードを崩そうと精力的にラッシュ。ロープ際、コーナーにヘインズを追い込んでストレート、インサイドからのフック、左ボディ打ち。真っ直ぐ攻めるクセがあるが、ディフェンスはできている。3R、ブロックで粘るヘインズだが、右ストレートで痛烈なダウン。10カウント内に立てず、KO。ブードゥアニが積極的な攻めで勝利。ディフェンシブな相手はやりにくいものだが、フィニッシュの右ストレートはキレイな一発だった。ヘインズは右ストレートに良さがあったが、勝てるような試合ぶりではなかった。その後もヘインズはリングに上がり続けたが、ピークをとっくに過ぎたマーク・ブリーランドに判定負けするなど勝ち星無し。ただ、1998年まで現役。負けても試合したいほど戦うのが好きだったのだろう。)
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