2025年4月19日土曜日

「パワーのL・ヘビー級」グレン・ジョンソン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

IBF世界L・ヘビー級王者。サウスポーとの試合。リチャード・ホール戦、ウーゴ・ピネダ戦ほかを紹介します。


グレン・ジョンソン(ジャマイカ)

身長180cm:オーソドックス(右構え)


グレン・ジョンソン 12R 判定 リチャード・ホール

(IBAライトヘビー級王座決定戦、2006年)

「パワーのL・ヘビー級」グレン・ジョンソン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:連打でホールがダウン

(感想:ジョンソンがタイトル獲得。ジョージ・カリド・ジョーンズをTKOしてクリントン・ウッズのIBF世界L・ヘビー級王座に挑戦する権利を得たジョンソン。その前に空位のIBA王座戦。ホール(34歳)はジョンソンと同様、ジャマイカ出身の黒人。主戦場がフロリダなのも同じ。身長は191cmで、リーチが197cmもある。かなり悲惨な過去の持ち主(捨て子。虐待され、報復・逃亡)。ボクシングをスタート。アマチュアではグレン・ジョンソン、アントニオ・ターバーと対戦したという(結果は不明)。1993年、プロデビュー。連戦連勝だったが、TKOで初黒星。WBA世界ライトヘビー級暫定王座を獲得。ロイ・ジョーンズ・ジュニアのWBA・WBC・IBF世界L・ヘビー級王座に挑戦したが、TKO負けで暫定王座消滅。ダリウス・ミハエルゾウスキーのWBO王座に二度挑戦して、いずれもTKO負け。IBF世界L・ヘビー級王座挑戦者決定戦にKO負けした再起戦でジョンソンと勝負。これまで27勝(25KO)5敗。勢いがあるとは言えない状況でどんな動きを見せるか? フロリダ州ハリウッドでの一戦。スキンヘッドのジョンソン。ドレッドヘアーのホール。ホールは手数の多いサウスポー。右ジャブ、ワンツーからの右フック、左右フックボディ打ち。連打の回転は速いが、その分、「一発のパワー」は軽め。ジョンソンは動きは速くないが、パンチは速い(昔から)。ブロックしながらワンツー、左フック。2R、コーナー付近での連打でホールがダウン。その後もホールはフックの打ち方は良いが、パンチが軽いためブロックされる。パワーのジョンソン、手数のホール。12R終了。共に手を上げて自身の勝利をアピールするが、判定は3-0。ジョンソンがパワー&ブロックで勝利(いつものパターン。「勝てる相手」にはこのパターンが通用するが・・・)。ホールはパワー不足。それならばアウトボクシングに徹するべき。その後、ホールはWBCの地域王座を獲得できたが、最後は連敗で引退。)


グレン・ジョンソン 8R TKO ウーゴ・ピネダ

(ライトヘビー級戦、2008年)

「パワーのL・ヘビー級」グレン・ジョンソン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

7R:右ストレートでピネダがダウン

(感想:ホール戦の次の試合でクリントン・ウッズのIBF世界L・ヘビー級王座に挑戦したジョンソンだが、2-1で敗れて王座奪回ならず。再起。モンテル・グリフィンをTKOするなど二連勝でピネダ戦。ピネダはコロンビアの黒人サウスポー。地元を中心に連戦連勝。コンスタンチン・チューのIBF世界J・ウェルター級王座に挑戦してTKO負け、初黒星。そこからまた連勝。しかし、フェリックス・トリニダードのIBF世界ウェルター級王座に挑戦してKO負け。引退したが、カムバック。試合間隔が長めになり、体重も増えた。ジョンソン戦は久々の試合。アトランチックシティでの一戦。見た目が似ている二人。丸顔でゴツい体型。動きのスピードはあまりないが、パンチのスピードはあるところも共通。距離を取って右ジャブ、左ストレートのピネダはサウスポーのテクニックで勝負。ジョンソンはホール戦と同様、サウスポーが相手でも関係なく前進し、右ストレート、左右フック攻撃。ピネダのボディ打ちが時折ローブローに。4R、バッティング。ボディ打ちのジョンソン。ピネダは斜め下から突き刺すような右ジャブ。6R、攻めるジョンソン。7R、右フックが効いたピネダ。右ストレートでダウン。8R、仕上げにかかるジョンソン。右フックがヒットしたところでピネダがギブアップ。ジョンソンが攻めの姿勢で勝利。一気に攻めるところはさすが元世界王者だった。ピネダはもう一つ。本来はライトヘビーの選手ではないため、このくらいが精一杯だったか。その後、二連敗で完全引退。)


グレン・ジョンソン 10R 判定 ダニエル・ジュダー

(ライトヘビー級戦、2009年)

「パワーのL・ヘビー級」グレン・ジョンソン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右ストレートでジュダーがダウン

(感想:ピネダ戦の次の試合でチャド・ドーソンのWBC世界L・ヘビー級王座に挑戦したジョンソンだが、3-0で敗北。世界王者になる前に引き分けたことがあるジュダーと再戦。年齢は40になった。ジュダー(31歳)はニューヨーク・ブルックリンの黒人サウスポー。「ボクシング兄弟」で、ザブ・ジュターは兄弟。デビューから無敗でニューヨーク州王座(クルーザー級)を獲得後、ジョンソンと引き分け。北米王座戦(L・ヘビー級)でエリック・ハーディングに判定負け、初黒星。NABA王座(L・ヘビー級)も3-0で獲れず。IBFインター王座(L・ヘビー級)を獲得し、ジョンソンと再戦。フロリダ州ハリウッドでの一戦(ジャーメイン・テイラー、ジャミール・マックライン、ネイト・キャンベルらが観戦)。ジュダーもまたリチャード・ホール、ウーゴ・ピネダのようにサウスポーのテクニックで勝負するタイプで、パンチは軽め。ジョンソンはいつものように前進。ワンツー、ボディ打ちなど攻めに迫力(年齢を感じさせないパワー。ジャマイカ黒人はマイク・マッカラムのように実に息が長い)。踏み込んで放った右ストレートでジュダーがダウン。その後も攻めるジョンソン、ジャブで応戦するジュダー。10R、両者バッティングでしばし中断。10R終了。判定は3-0。ジョンソンが攻撃力で勝利。サウスポーのカウンターをヘッドスリップなどでディフェンスし、タイミング良くストレート、フックを決めた。ジュダーは世界を獲るようなパワーは無かった。その後の二人。ジュダーは北米王座戦、WBCアメリカ王座戦(いずれもL・ヘビー級)に敗れるなど連敗続きで引退。ジョンソンはその後もリングに上がり続け、数度の世界戦。しかし、チャド・ドーソン、ルシアン・ブーテらに敗れて世界王座返り咲きならず。のらりくらりとしたところがあり、加速するスピードに欠けていたのが残念。) 

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