2025年4月19日土曜日

「パワーのL・ヘビー級」グレン・ジョンソン①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

IBF世界L・ヘビー級王者。アンソニー・ブルックス戦、ビリー・ブラッドリー戦ほかを紹介します。


グレン・ジョンソン(ジャマイカ)

身長180cm:オーソドックス(右構え)


グレン・ジョンソン 4R 判定 アンソニー・ブルックス

(スーパーミドル級戦、1993年)

「パワーのL・ヘビー級」グレン・ジョンソン①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ジャマイカ出身の黒人ジョンソン(24歳)。15歳の時にフロリダへ。そこでボクシングを始めてアマチュアを経験。プロ入り後、3連勝(3KO)。ブルックス(31歳)はフロリダ州セント・ピーターズバーグ出身の黒人サウスポー。ニックネームは「Quick Hands」(どのくらい速いのだろう?)。勝ったり負けたりだが、このところ二連勝中。フロリダ州フォート・ローダデールでの一戦。ブルックスが開始からダッキングしながらの右ジャブで先手を取り、左ストレート(スピードはまずまず)。ジョンソンはじっくり構えるタイプで、ディフェンスしながら左ジャブ、右ストレート。フックの打ち方が良く、左右フックでボディ打ち。3R、左カウンターを食ってジョンソンがピンチ。クリンチ、ホールドで切り抜ける。4Rはジョンソンが攻め。4R終了。判定は2-0。ジョンソンがパワフルなストレート、フックで勝利。動きが控えめなところをカウンターされたが、いい経験になったのでは? ブルックスは典型的なサウスポーで、パワーはそこそこ。その後、多くの試合をしたが、フロリダ州王座(ミドル級)獲得、ジョー・カルザゲ(後の世界スーパーミドル級王者)にTKO負け、WBC米大陸王座戦(ミドル級)で2-0の敗北、ラウル・マルケス(元IBF世界J・ミドル級王者)に判定負け。頑張るが、一定の実力以上の選手には勝てないキャリアだった。)


グレン・ジョンソン 1R TKO ビリー・ブラッドリー

(スーパーミドル級戦、1996年)

「パワーのL・ヘビー級」グレン・ジョンソン①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右フックでブラッドリーがダウン

(感想:中堅相手にこれまで19連勝(12KO)のジョンソン。かつて3-0で下したブラッドリーと再戦。ブラッドリーはオハイオ州ミドルタウン出身の黒人。ニックネームは「Fireball」(激しい攻撃をするのだろう)。1980年のベテランで、22勝(13KO)14敗。中堅どころに勝利してきたが、ケビン・ハワード、マシュー・ヒルトン、ジョン・ムガビ、ダーリン・バン・ホーンらに敗北。ジョンソンとの初戦後、フリオ・セサール・グリーン、オバ・カーに二連続TKO負け。このところ試合間隔が長め。フォート・ローダデールでの一戦。開始から接近戦。互いにフック、ボディ打ち。パンチの振りが大きいブラッドリーに対し、ジョンソンはブロックを固めながら隙をうかがう。左フックが効いたブラッドリー。畳み掛けるジョンソン。右フックでブラッドリーがダウン。レフェリーは試合を止めた。ディフェンスの差が出た試合。ジョンソンがパワーで快勝。ブラッドリーは激しく攻めていたが、大振りの攻撃には隙があった。その後、ブラッドリーは四連敗で引退。)


その後のジョンソン 

デビューから32連勝でIBF世界ミドル級王者バーナード・ホプキンスに挑戦したが、TKO負け。さらに二連敗。連勝後、IBF世界S・ミドル級王者スベン・オットケに判定負け。そして連敗(どうやら負けると調子がおかしくなってしまうようだ)。IBF世界L・ヘビー級王座決定戦でクリントン・ウッズとドロー。ウッズとの再戦でようやく世界王座獲得。ロイ・ジョーンズにKOで初防衛。アントニオ・ターバーに判定勝ちでIBO王座(L・ヘビー級)獲得(2004年)。ターバーとの再戦で王座陥落。ジョージ・カリド・ジョーンズと再起戦。


グレン・ジョンソン 10R TKO ジョージ・カリド・ジョーンズ

(IBF世界L・ヘビー級王座挑戦者決定戦、2005年)

「パワーのL・ヘビー級」グレン・ジョンソン①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右ストレートでジョーンズがダウン

(感想:クリントン・ウッズのIBF王座への挑戦者を決める試合。これまで42勝(28KO)10敗2分のジョンソン(36歳)。23勝(13KO)2敗1分のジョーンズ(38歳)はニュージャージー州の黒人サウスポー。「ワケあり」な男で、11年間服役していた過去。プロでは相手を死亡させるアクシデント。モンテル・グリフィンに判定負けで北米王座、WBC米大陸王座奪取ならず。NABA王座、次いで全米王座(いずれもL・ヘビー級)を獲得し、ジョンソン戦。カリフォルニア州ブルックスでの一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア)。左右の構えの違いはあるが、共にブロック&ジャブ。早くも右ストレートでジョーンズがダウン(タイミングのいいパンチだった。ダメージはさほど無し)。ジョーンズはサウスポーのテクニックで勝とうとするタイプで、ワンツーからの右フックが武器。パワーで上回るジョンソンがストレート、フック、右ボディ打ちを正確に当てて優勢。6R、ジョンソンのボディ攻めにジョーンズはクリンチ。10R、右フックからの右ストレートでジョーンズがスリップダウン。「ダウン」扱いされなかったが、効いているのは明らか。一気に攻めるジョンソン。右フック、左フック、右ストレート連打。レフェリーに「ストップしろ」とジョンソンがアピールして攻撃したところでレフェリーストップ。ジョンソンがパワー&ブロックで勝利。「世界王座挑戦者決定戦」にふさわしい勝ちっぷりだった。ジョーンズはパワー不足。仮にこの試合に勝って世界挑戦したとしても「盛り上がらない世界戦」になっていたのでは? これが最後の試合に。)

 

0 件のコメント:

コメントを投稿