WBA世界J・ミドル級王者。パット・ハラシー戦、ジミー・プライス戦、スンブ・カランベイ戦を紹介します。
アユブ・カルレ(ウガンダ)
身長175cm:サウスポー
①アユブ・カルレ 10R 判定 パット・ハラシー
(J・ミドル級戦、1981年)
(感想:ベネス戦の次の試合でバッシー・ベスターに勝利してWBA王座の四度目の防衛に成功したカルレ。その次の試合はノンタイトル戦。ハラシーはカンザス州の白人。中堅どころに勝利してきたが、南アフリカでハロルド・ボルブレッチに判定負けするなどこのところ勝ったり負けたり。デンマーク・ブレンビーでの一戦(8Rからの映像で観戦)。共にサウスポーでボクサータイプ。右ジャブ、左ストレート。カルレはそれに加え、斜め下からのフック。当てる巧さ、ディフェンスでカルレ優勢。10R終了。判定はPTS。比較的静かだった試合。ハラシーは左ストレートに強さがあったが、あまり攻めない男。その後、トニー・アヤラ・ジュニア、ジョニー・バンファスらに敗北。)
その後のカルレ
ハラシー戦の次の試合はビッグマッチ。シュガー・レイ・レナードの挑戦を受けたが、ダウンを食ってTKO負け。その後、王座奪回を目指してデビー・ムーアに挑戦したが、TKO負け。後の世界王者マイク・マッカラムにもTKO負け。引退。
②アユブ・カルレ 1R KO ジミー・プライス
(ミドル級戦、1984年)
(ダウンシーン)
1R:右フック、右ジャブで2度、プライスがダウン
(感想:マッカラムに敗れたカルレが復帰戦。プライスは英国リバプール出身の白人。アマチュア時代にライトミドル級で王者になったことも。プロではこれまで中堅相手に全勝。ロンドンのマスウェル・ヒルでの一戦。共にサウスポー。ガードを上げてジャブ。動きのスピードはそこそこ。カルレが右ボディからの左ストレート。巧さは健在。右フックでプライスがダウン。これがかなり効いたらしく、右ジャブで二度目のダウン。立ったが完全に足に来ており、また倒れてレフェリーストップ。カルレが当てる巧さで快勝。スピードは落ちたが、攻撃の正確さがあった。プライスは単なるサウスポー。その後、ヘロール・グラハムとの英国王座戦で1RでKO負け。実力者には勝てないレベルだった。)
③アユブ・カルレ 12R 判定 スンブ・カランベイ
(欧州ミドル級タイトル戦、1985年)
(ダウンシーン)
5R:左フックでカルレがダウン
11R:右ショートでカルレがダウン
12R:左ストレートでカランベイがダウン
(感想:カルレがタイトル初防衛。「過去の人」と思われたカルレだが、プライス戦後、後の世界王者リンデル・ホームズに勝利。決定戦で欧州ミドル級王座をKOで獲得。そして初防衛戦。挑戦者カランベイはコンゴ民主共和国出身の黒人で、イタリア国籍。デビュー初期に敗北後、連勝。初のアメリカでの試合でデュアン・トーマスに判定負け(トーマスは後、WBC世界J・ミドル級王者に)。イタリア・ミドル級王座を獲得した次の試合でカルレに挑戦。イタリア・アンコーナでの一戦。(世界王者だった頃より)好戦的なカルレ。右ジャブを使いながら左ストレートをヒットさせる。カランベイはパワーがあるが、足を使って距離を取りながらワンツー。打ち合いを避ける、やや受け身な試合ぶり。5R、左フックでカルレがダウン。しかし、ダメージはそれほどでもなく、カルレはディフェンスしながら攻めの姿勢。6R、左ストレートでカランベイがロープ外に落ちたが、ダウン扱いされず。11R、タイミングのいい右ショートでカルレがダウン。12R、左ストレートでカランベイがダウン。12R終了。判定は2-1。カルレが積極さで勝利。カランベイは惜しい敗北。慎重な性格が結果に出た。ただ、パワー、テクニックなどレベルの高いところを見せた。その後の二人。カランベイは好調。WBA世界ミドル級王座獲得。カルレを負かしたマイク・マッカラムにも勝利して王座防衛。カルレは次の試合でヘロール・グラハムにTKO負けで王座陥落、引退。世界王座に返り咲くことはできなかったが、キャリア終盤にホームズ、カランベイに勝利。それだけ確かなテクニックを持っていた。)
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