WBO世界クルーザー級王者。暫定王座決定戦のマルセロ・ファビアン・ドミンゲス戦、オラ・アフォラビ戦を紹介します。
エンゾ・マカリネリ(イギリス:ウェールズ)
身長193cm:オーソドックス(右構え)
①エンゾ・マカリネリ 9R TKO マルセロ・ファビアン・ドミンゲス
(WBO世界クルーザー級暫定王座決定戦、2006年)
(ダウンシーン)
9R:右フックでドミンゲスがダウン
(感想:マカリネリがタイトル獲得。ウェールズの白人マカリネリ(25歳)。父はアマチュアで活躍し、ジムを所有。息子にもボクシングを勧め、マカリネリは幼い頃からグローブに親しむ。プロ四戦目で敗北してしまったが、その後は快調。決定戦でWBUクルーザー級王座獲得。それを連続防衛し、このWBO暫定王座決定戦。これまで23勝(17KO)1敗。40勝(21KO)6敗1分のドミンゲス(36歳)はアルゼンチン・ブエノスアイレス出身で、元WBC王者。王座陥落後はWBO王座を狙って判定負けしたり、南米王座を獲得・防衛したり。「ロシアの大巨人」ニコライ・ワルーエフに判定負けしたり、WBOラティノ王座(ヘビー級)を獲得したりといったヘビー級での活躍も。ウェールズ・カーディフでの一戦。身長で上回るマカリネリ。ガードを上げてジャブ、ショートのワンツー、左ボディ打ち。丁寧にパンチを当てていこうとするタイプではあるが、インサイドからのアッパー気味フックには迫力がある。ズングリしたドミンゲスはジャブ、右ストレート、振りの大きい左右フック攻撃。フックがパワフルで時折ヒットさせるが、アウトサイドからの攻めが多い。マカリネリがブロックしながら正確なパンチ。ドミンゲスは体力で押そうとする。9R、斜め下からの右フックでドミンゲスが痛烈なダウン。立ったがダメージ深く、レフェリーストップ。マカリネリが豪快な勝利。インサイドからのパンチに巧さがあった。ドミンゲスは大きなフックが多かった。勝つときはそれで勝てるが、負けるときはディフェンスされてしまう攻め方。その後もドミンゲスは地元でヘビー級戦。しかし、世界戦はマカリネリ戦が最後となった。)
その後のマカリネリ
正規王者に認定されて連続防衛。しかし、WBC王者デビッド・ヘイとの王座統一戦に2RでTKO負け。再起戦に勝利して、再びWBO世界クルーザー級暫定王座決定戦。
②オラ・アフォラビ 9R TKO エンゾ・マカリネリ
(WBO世界クルーザー級暫定王座決定戦、2009年)
(ダウンシーン)
9R:右フックでマカリネリがダウン
(感想:アフォラビがタイトル獲得。アフォラビはロンドン出身で、ナイジェリア系黒人。アマチュアの経験無しでプロ入り。主戦場はアメリカ。これまで13勝(5KO)1敗3分。このところ元WBA世界クルーザー級王者オーリン・ノリスにTKO勝ちしたり、NABO王座(クルーザー級)を決定戦で獲得したりと勢いがある。英国マンチェスターでの一戦。マカリネリがブロックしながら攻めの姿勢。ジャブ、ワンツー、左ボディ打ち。アフォラビはのらりくらりとした男で、左のガードを下げた構えからジャブ、右ストレート(元WBA世界ヘビー級王者マイケル・ドークスのようなタイプ)。接近戦が続く。攻めるマカリネリだが、アフォラビはディフェンス&反撃。9R、アフォラビが一気に攻め。左右フック、右ストレートを当て、右フックでマカリネリがダウン。立ったが、フラついてレフェリーストップ。アフォラビが強打で勝利。「のらりくらり戦法」はマカリネリを疲れさせる作戦だったようだ。マカリネリはよく攻めたが相手のディフェンスを崩せず。過去のダメージもあったのかもしれない。その後の二人。アフォラビは「暫定王者」として正規王者マルコ・フック(ドイツ)と王座統一戦を行ったが、3-0で判定負け。再び暫定王座獲得し、フックと抗争。IBO王座(クルーザー級)獲得・防衛。IBF暫定王座(クルーザー級)は獲得ならず。マカリネリは欧州クルーザー級王座、英連邦ライトヘビー級王座などを獲得したり、ロイ・ジョーンズ・ジュニアをKOしたりといった実績。しかし、WBA世界ライトヘビー級王座戦に敗れ、世界王座に返り咲くことはなかった。)
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