2025年3月19日水曜日

「世界を目指したヘビー級⑰」マイケル・スプロット「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

英国の黒人。数々の地域王座獲得。惜しくも敗北したマット・スケルトン戦、タラス・ビデンコ戦を紹介します。


マイケル・スプロット(イギリス)

身長187cm:オーソドックス(右構え)


マット・スケルトン 12R 判定 マイケル・スプロット

(英連邦ヘビー級タイトル戦、2007年)

「世界を目指したヘビー級⑰」マイケル・スプロット「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:黒人スプロットは英国レディング出身。1996年、プロデビュー。毎月のようにリングへ。デビューから連勝だったが、ローカル王座戦でTKO負け。これで自信を失ったか、ブランクがちに。しかも、コーリー・サンダースに1RでKO負けするなど勝ったり負けたり。英国王座&英連邦王座のダブルタイトル戦でダニー・ウィリアムスにTKO負け。その再起戦でWBFの欧州王座獲得。連勝。またしてもウィリアムスに敗れたが、ウィリアムスから英国王座&英連邦王座奪取。しかし、初防衛戦でKO負け。欧州王座を獲得、敗北。勝ち続けることができず、安定しない。これまで30勝(15KO)10敗。20勝(18KO)1敗のスケルトンは英国ベドフォード出身の黒人で、身長191cm。「K-1」に出場していたこともある元キックボクサー。35歳でプロボクシングに転向。驚くべき事に連戦連勝。英国王座を獲得し、スプロットをKOして英連邦王座も獲得。マイナータイトルWBU王座獲得。ダニー・ウィリアムスに2-1で初黒星。ウィリアムスから英連邦王座を奪回して、このスプロットとの再戦。ロンドン・グリニッジでの一戦(会場で元WBA世界フェザー級王者バリー・マクギガンが観戦)。共にスキンヘッド(強そう)。スプロットは筋がいい。左ジャブ、右ストレート、斜め下から突き上げるかのような左フック。パンチにパワーとスピードがある。スケルトンはボクサータイプ。ジャブ、ワンツーを出すが、動きのスピード、パンチのキレに欠ける。3R、ラフプレーで互いにレフェリーから警告。スケルトンが背後から攻撃してさらに警告。これはスプロットに原因。攻められてスプロットがクリンチ、ホールドするため、それを嫌がるスケルトンはクリンチ中に攻撃したり、ムリに振り解こうとしたり。序盤から残念な展開。それが最後まで続いて12R終了。判定は2-0。共に残念だった試合。スケルトンは手数が少なく、流ちょうな攻めができない欠点。スプロットは良いパンチを持っているにもかかわらず、試合運びがヘタすぎる。以前KOされたスプロットとしてはスケルトンに恐怖心・警戒心があったのかもしれないが、そんなに怖いのなら挑戦しなければよかったのでは? 試合をする方も観る方も無駄な12ラウンズだった。その後のスケルトン。次の試合でルスラン・チャガエフに判定負け。欧州王座獲得。しかし、ここまで。その後は地域王座戦で連敗したり、スプロットとの三戦目に敗れたり(2010年。三回戦試合)。ただ、年齢からすると充分な活躍だったのではないだろうか。)


タラス・ビデンコ 10R 判定 マイケル・スプロット

(ヘビー級戦、2008年)

「世界を目指したヘビー級⑰」マイケル・スプロット「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:スケルトン戦の次の試合。ビデンコはウクライナ・キーウ出身。ウクライナ・マリウポリでデビュー。プロ四戦目は韓国ソウル。ニコライ・ワルーエフとPABA王座を争って判定負け。その後、ドイツを主戦場に。WBOインターコンティネンタル王座、ドイツ王座を獲得。このところ連勝中。ドイツ・デュッセルドルフでの一戦。互いにジャブ。スプロットは左のガードを下げた構え。ビデンコは両手を上げてブロック。パンチに勢いがあるスプロット。ワンツー、左フックボディ打ちが印象的。斜め下からの左フックなど左のテクニックに良さがある。一方、ビデンコは何とも地味な男。手数が少なく、受け身。ジャブ、時折ワンツーからの左フック。左目から出血のハンデ。 スプロットがジャブで先手を取る展開。終盤はビデンコもワンツーなどで少し攻めの姿勢。10R終了。共に手を上げて自身の勝利をアピール。判定は3-0。映像ではスプロットが勝ったように見えたが、結果は逆。ビデンコのジャブが評価されたか。スプロットは判定に納得していないかのような冴えない表情だった。その後の二人。ビデンコは次の試合(WBO欧州王座)にTKO負け。WBCインター・シルバー王座戦にも敗北。世界挑戦は無し。スプロットはその後も勝ったり負けたり、連敗したり。2014年には新鋭アンソニー・ジョシュア(ロンドンオリンピック・スーパーヘビー級金メダリスト)に1RでTKO負け。通算戦績42勝(17KO)29敗。間違いなく強かったスプロット。しかし、勝ったり負けたり。その「一貫性の無さ」は精神的なものが原因だったような気がする。集中力、スタミナ、最後まで攻める執念があればもっと上に行けたのではないだろうか?)

 

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