ロッキー・マルシアノのようなキャリア。ジム・ブラックリー戦、ローヤン・ウォレス戦、デリク・バンクス戦ほかを紹介します。
ジョー・メシ(アメリカ)
身長185cm:オーソドックス(右構え)
①ジョー・メシ 2R KO ジム・ブラックリー
(ヘビー級戦、1997年)
(ダウンシーン)
1R:左ジャブでブラックリーがダウン
2R:連打、右ストレートで2度、ブラックリーがダウン
(感想:ニューヨーク出身のメシ。ボクシングを始めたのは19歳のとき。アマチュアで実力を発揮したが、オリンピック出場ならず。プロデビューはKO勝ち。ブラックリー戦はプロ二戦目。ブラックリーはミズーリ州スプリングフィールドの白人サウスポー。これまで3勝(1KO)4敗。テキサス州エル・パソでの一戦。端正な顔立ちで、どことなくロッキー・マルシアノを思い出させるメシ。肩幅が広いガッチリした体型。ダッキングしながらジャブで前進し、右ストレート、左フック。基本に忠実なボクシング。ブラックリーは線が細いボクサータイプ。離れて戦いたいらしく、右ジャブ。相手の接近はクリンチで対応。左ジャブでダウンしたが、「スリップ」扱い。2R、クリンチするブラックリーにメシが連打してダウンを奪う。立ったが、右ストレートで二度目。カウントアウト、KO。メシが楽勝。ブラックリーは腰が引けた戦いぶり。サウスポーであるということ以外、特に強味は無かった。その後もKO負けが多いキャリア。)
②ジョー・メシ 2R KO ローヤン・ウォレス
(ヘビー級戦、1999年)
(ダウンシーン)
2R:左フックでウォレスがダウン
(感想:中堅相手に12連勝(10KO)のメシ(25歳)。ウォレスはジャマイカ国籍の黒人で、6勝(4KO)3敗。デビューから連勝だったが、実力者ジャミール・マックラインにKOで初黒星。直前の試合は1RでTKO負け。ペンシルベニア州フィラデルフィアでの一戦。ゴング前、両者リング中央へ。気合いが入っているウォレス(強そうな顔)。気合いが入りすぎてレフェリーから注意されるほど。ゴング。ジャブ連打で前進するウォレス。接近してボディ打ち。斜め下からの左フックをヒットさせる。メシはディフェンスしながら応戦し、右ストレートをヒット。さらに得意のコンビネーション(右ストレートからの左フック)。1Rから激しい打撃戦となったが、ボクシングの巧さはメシ。2R、右カウンターからの左フックでウォレスがダウン。カウントアウト、KO。エキサイティングでヘビーな試合はメシに軍配。危ないシーンもあったが、ディフェンス&正確な攻撃が功を奏した。ウォレスも良かった。実に気合いの入った攻め。パワーもあった。しかし、これが事実上のラストファイト。後、一試合だけカムバックしてKO負け。)
③ジョー・メシ 1R TKO デリク・バンクス
(ヘビー級戦、2001年)
(ダウンシーン)
1R:連打でバンクスがダウン
(感想:ウォレス戦後、決定戦でニューヨーク州ヘビー級王座を獲得したメシ。これまでの相手は中堅どころ、ピークを過ぎた選手(ホルヘ・ルイス・ゴンザレス、バート・クーパー)ばかりだが、取り敢えず全勝中。バンクスはミシガン州デトロイトの黒人。NABO王座、NABA王座に挑戦して敗れたり、カーク・ジョンソンに1RでKOされたり。コネチカット州マシャンタケットでの一戦。共に足でリズムを取ってジャブ。ワンツーなどでプレッシャーを掛けるメシ。バンクスは打っては距離を取る慎重さ。メシが一気にラッシュ。連打でバンクスがダウン。立ったが、フラついてレフェリーストップ。メシが二線級を軽く始末。ディフェンスの隙を突いた。バンクスは見た目は強そうだったが、そこまで。これが事実上のラストファイト。後、一試合だけカムバックして判定負け。ローヤン・ウォレスと同じようなキャリア終了だった。)
④ジョー・メシ 5R TKO タルマッジ・グリフィンズ
(ヘビー級戦、2002年)
(ダウンシーン)
1R:右フックでグリフィンズがダウン
(感想:グリフィンズはイリノイ州ロックフォード出身の黒人。ニックネームは「Two Guns」。これまで21勝(13KO)2敗3分。相手は中堅選手が中心。直前の試合は8回戦で、判定負け。アリゾナ州スコッツデールでの一戦(レフェリーはトニー・ウィークス)。なかなか鍛えられた身体のグリフィンズ。重そうなジャブ、左フック。ただし、動きも重い。メシは足を使って軽快な動き。右ストレートが効いたグリフィンズから右フックでダウンを奪う。その後もタフだが、自分から攻めないグリフィンズ。メシは右ストレートを特によく当て、得意の左ボディ打ち、連打。5R、右フックが効いたグリフィンズ。ロープ際で連打されたところでレフェリーストップ。グリフィンズはストップに不満のようだったが、まとめて打たれていたため仕方がない。メシが正確なパンチでタフ男に勝利。グリフィンズは頑丈だったが、動きが重かった。筋肉がありすぎるとそうなるのだろう。その後、グリフィンズはクリフォード・エティエンヌ、デビッド・トゥアらに敗北。ラストファイトはWBOインターコンティネンタル王座戦(クルーザー級)で、TKO負けだった。)
その後のメシ
グリフィンズ戦の次の試合で実力者デビッド・イゾンリティに勝利。決定戦で北米ヘビー級王座獲得。その後も勝ち続けたが、世界戦は無し。ラストファイトはシャノン・ミラーなる選手とのWBC USヘビー級王座決定戦(2007年)。これに1RでTKO勝利。そして脳のダメージにより引退。なぜ世界挑戦できなかったのかはわからないが、ロッキー・マルシアノのように全勝でリングを去り、引退後は民主党系の政治家になった。
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