ファイタータイプのオリンピアン。ダン・コンウェイ戦、ケン・マーフィ戦、ゲイリー・ウィモン戦を紹介します。
ローレンス・クレイベイ(アメリカ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)
①ローレンス・クレイベイ 4R TKO ダン・コンウェイ
(ヘビー級6回戦、1997年)
(ダウンシーン)
1R:右ストレートでコンウェイがダウン
(感想:クレイベイはコネティカット州出身の黒人。ボクシングを始めたのは26歳の時(遅かったのが残念。このことはプロで大きな影響)。アマチュアで活躍(大会で優勝経験。1996年のアトランタ・オリンピックではウラジミール・クリチコに判定負けでメダル獲得ならず)。32歳でプロ入り(「どこまでできるか自分自身を試したい」というのがプロ転向の動機)。これまで3連勝(3KO)。コンウェイ(29歳)はマサチューセッツ州ボストン出身の白人で、9連勝中(6KO)。コネチカット州マシャンタケットでの一戦(レフェリーはスティーブ・スモーガー)。1R、アップライトなコンウェイが左のガードを下げた構えからジャブ、左フック。全体的にパワーが乗っていない打ち方。クレイベイはプロらしい好戦的なスタイル。ジリジリ距離を詰め、踏み込んでパワフルな右ストレート、左フック。そして左フックからの右ストレートでコンウェイが場外に転落する痛烈なダウン。リングに戻ったコンウェイだが、打たれる(戻らない方がよかったかも)。攻めるクレイベイ。フック連打、マイク・タイソン式「右ボディからの右アッパー」。粘るコンウェイだが、3R終了後に棄権。クレイベイがパワーで勝利。相手の粘りを許したのは意外だったが、それだけコンウェイがタフだったのだろう。その後のコンウェイ。クリフォード・エティエンヌに敗北、マサチューセッツ州王座獲得、といったキャリア。ローカルな活躍にとどまった。)
②ローレンス・クレイベイ 5R TKO ケン・マーフィ
(ヘビー級戦、2001年)
(感想:コンウェイ戦後も中堅どころと戦うクレイベイ。ネイト・タッブス(トニー・タッブスの弟)に勝利したが、クリフォード・エティエンヌに3-0で敗れて初黒星。マーフィと再起戦。マーフィはイリノイ州シカゴ出身の黒人。IBF世界クルーザー級王者だったリー・ロイ・マーフィの弟。イリノイ州王座(クルーザー級)獲得するなどデビューから連勝だったが、全米王座決定戦(クルーザー級)で初黒星。ファブリス・ティオーゾとの再起戦にTKO負け。二連敗の状況で、このクレイベイ戦。ペンシルベニア州フィラデルフィアでの一戦。接近戦で打ち合う両者。互いにフック、ボディ打ち。執拗にボディを攻めるクレイベイ。マーフィはキツくなってきたか、クリンチ。5R、攻めるクレイベイ。マーフィのセコンドが棄権を申し入れたらしく、レフェリーストップ。クレイベイが攻めの姿勢で勝利。同じように打ち合ったが、マーフィは我慢比べに負けた。その後のマーフィ。次の試合でクリフォード・エティエンヌに1RでKO負け。その後も多くの試合を行ったが、負けてばかり。全米王座戦での初黒星ですっかり自信を無くしてしまったようだ。)
③ローレンス・クレイベイ 6R TKO ゲイリー・ウィモン
(ヘビー級6回戦、2001年)
(ダウンシーン)
2R:右フックでウィモンがダウン
(感想:35歳のクレイベイ。北米ランク5位。ウィモン(30歳)はペンシルベニア州ドノラ出身の黒人で、ニックネームは「The Bull」。これまで25勝(17KO)3敗。悪くはないが、相手は中堅選手が中心。直前の試合ではジョー・メシに1RでTKO負けしている。テキサス州マッカレンでの一戦。開始から接近戦。クレイベイ(おなじみブルーのトランクス)がワンツー、左右フック、ボディ連打、アッパー気味のフック。打ち方も良く、積極的。ウィモンはジャブ、フックで何とか応戦。2R、右フックでウィモンがダウン。立ったウィモンにクレイベイがサウスポースタイルで連打。4R、反撃するウィモンだが、クレイベイは余裕でブロック。5R、フック、アッパーで打たれるウィモン。このラウンド終了後に棄権。左目がふさがっていた。クレイベイが定評のあるフックで勝利。しかし、緩慢な動きも(エティエンヌ戦後、体重が増えたことに加え、年齢の問題。プロになるのがもっと若ければ、と思うが仕方がない)。ウィモンは相手の勢いに押されてしまった。その後、ウィモンはオレグ・マスカエフらを相手に何と全敗。KO負けが多く、ダメージが気になるキャリアとなった。)
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