WBO世界ヘビー級王者。世界王者になる前の試合。ゲーリング・レーン戦、ルイス・モナコ戦、チャールズ・シャフォード戦を紹介します。
レイモン・ブリュースター(アメリカ)
身長188cm:オーソドックス(右構え)
①レイモン・ブリュースター 10R 判定 ゲーリング・レーン
(ヘビー級戦、1998年)
(感想:これまで16連勝(15KO)のブリュースター(24歳)。レーン(34歳)はメリーランド州ヒルクレストハイツ出身の黒人で、16勝(8KO)15敗2分。レイ・マーサー、リディック・ボウ、ラリー・ホームズといったトップ選手に負けてきた過去。このところオベド・サリバン、ランス・ウィテカー相手に二連敗中。ただし、いずれも判定で、タフネスはありそう。アイダホ州ボイシでの一戦。共に左のガードを下げた構えからジャブ。このところパワーアップが著しいブリュースターだが、相手のゴツさを警戒して距離を取る。攻めるときは得意の左フック中心。左フック連打からの右ストレート、左ボディ打ちなどにパワー。スキンヘッドのレーンはゴツい身体、太い腕(後ろ姿がジョージ・フォアマンに似ている)。タフで重そうなパンチを放つが、ブリュースターを倒すような勢いはない。6R、左フックからの右フックでグラつくレーン。しかし、力強いコンビネーションを打ち込むブリュースターだが、レーンがタフなためもみ合いになるシーンも。10R終了。判定は3-0。ブリュースターがコンビネーションで勝利。世界には打っても打っても倒れないタフな選手がいる。ブリュースターにとってこの10ラウンズはいい経験になっただろう。レーンは右ストレートに威力。しかし、畳み掛けるような動きができず敗北。これが限界だろう。その後、レーンはハシム・ラクマン、ブライアン・ニールセンらに連敗するなど多くの敗北。2004年までリングに上がり、通算戦績22勝(13KO)39敗2分。)
②レイモン・ブリュースター 2R KO ルイス・モナコ
(ヘビー級戦、1998年)
(ダウンシーン)
2R:左アッパーでモナコがダウン
(感想:連勝ブリュースター(25歳)。レーン戦の次の試合。相手のモナコはコロラド州デンバーの黒人。身長は180cmで大きくないが、リーチは203cmある。これまで7勝(4KO)13敗2分。バタービーン、トレバー・バービック、ジェームス・ダグラスに敗北、マイケル・ドークスに勝利。このところビタリ・クリチコらを相手に連敗中であるが、名のある選手と戦ってきた。アトランチックシティ「Trump Taj Mahal」での一戦。互いにジャブ。ブリュースターは足で距離を取りながら慎重な姿勢。モナコはゴツいパンチの持ち主で、右ストレート、左フック。ただ、力んで打つため、攻撃の正確さに欠いたり、バランスを崩したり。ブリュースターがワンツーからの左ボディといったコンビネーション。2Rには左フック連打。そして連打からの左アッパーでモナコを倒して、KO。ブリュースターがパワーの乗った左パンチ連打で勝利。二人にはバランスの差があった。その後もモナコは多くの敗北。通算戦績16勝(8KO)39敗5分。)
③チャールズ・シャフォード 10R 判定 レイモン・ブリュースター
(ヘビー級戦、2000年)
(感想:モナコ戦後のブリュースター。強いが、中堅どころとの試合が続く。そして有望株クリフォード・エティエンヌに3-0で敗北、初黒星。再起戦にTKO勝ちしてシャフォード戦。シャフォードはバージニア州マーティンズビル出身の黒人。身長191cmだがアップライトな姿勢で戦うため、実際より背が高く見える。敗北は判定によるものが一つだけ。直前の試合では強打者ジミー・サンダーにTKO勝ち。ミシガン州デトロイトでの一戦。互いにジャブ。フランク・ブルーノに似たタイプのシャフォード。ガードを上げてジャブ、右ストレート、左フック。腰があまり入っていない、腕力を活かす打ち方。ブリュースターは接近して右フックからの左ボディといったフック連打。ハンドスピード、パンチのキレでシャフォードを上回る。ところがシャフォードの小手先のボクシングを崩せない。ブロック、クリンチしながら連打して「打ち合わないボクシング」を展開するシャフォード。ブリュースターもディフェンスするが、ジャブを食う。10R終了。シャフォードは両手を上げて自身の勝利を確信。判定は3-0。シャフォードが左のテクニック、クリンチで勝利。淡々としたつまらない戦いぶりだったが、勝ちは勝ち。ブリュースターは「勝てる相手」をこれまで倒してきた。「やりにくいタイプ」を攻略する手段を考えねばならない。その後の二人。シャフォードはウラジミール・クリチコのWBO王座に挑戦してTKO負け。その後はローレンス・クレイベイに判定負けするなど勝ったり負けたりに。ブリュースターはNABO王座、WBC米大陸王座を獲得するなど連勝。ウラジミール・クリチコとのWBO王座決定戦にTKO勝ちして王者に。アンドリュー・ゴロタらを相手に連続防衛。王座陥落後、網膜剥離の手術。再起戦はIBF王者になったクリチコとのドイツでの再戦。これにTKO負け。その後もリングに上がったが、世界戦はクリチコとの再戦がラスト。左を連打する迫力のある戦いぶりだったブリュースター。引退後はスポーツ専門のコンサル会社を設立。)
0 件のコメント:
コメントを投稿