2025年3月28日金曜日

「ロシアの大巨人」ニコライ・ワルーエフ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBA世界ヘビー級王者。世界王者になる前のテレル・ネルソン戦、シンクレア・バブ戦、ボブ・ミロビック戦ほかを紹介します。


ニコライ・ワルーエフ(ロシア)

身長213cm:オーソドックス(右構え)


ニコライ・ワルーエフ 2R TKO テレル・ネルソン

(ヘビー級戦、1997年)

「ロシアの大巨人」ニコライ・ワルーエフ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:ワンツーでネルソンがダウン

(感想:ソ連・サンクトペテルブルク出身のワルーエフはプロレスラーよりデカい。様々なスポーツを経験(アマチュアボクシング、円盤投げ、バスケットボール)。ドイツでプロデビュー。ロシア、英国、オーストラリアでも戦い、これまで7連勝(6KO)、23歳。ネルソン戦は初のアメリカでの試合。ネルソン(26歳)はニュージャージー州の黒人で、ニックネームは「Baby Bull」。6勝(4KO)3敗。このところ二連続TKO勝ち。アトランチックシティ「Trump Taj Mahal」での一戦(リングアナはマイケル・バッファ。ネルソンのセコンドにあのバディ・マクガート)。ワルーエフの驚くべき大きさ。ネルソンは個性的な髪型(長い髪をくくって「サザエさん」のような雰囲気)。ゴング。ジャブ、ワンツーを基本とするワルーエフ。ネルソンは相手の大きさに対抗するため接近して左右フック、ボディ攻め。コンビネーション(ワンツーからの左フック)、細かいフックなどで応戦するワルーエフだが、フックを食う。そしてワンツーでネルソンがダウン。2R、大きさでワルーエフ優勢。ネルソンが左眉あたりをカットしてドクターストップ。ワルーエフが圧力で勝利。しかし、身体が大きすぎてパンチをもらう欠点。デカいとそれだけ動きも遅くなるのが難点。ネルソンは勇敢に攻めたが、及ばず。相手の大きさに飲まれる形となった。その後のネルソン。再起二連勝後は勝ち星無し。「中堅の個性派」としてキャリア終了。)


ニコライ・ワルーエフ 1R KO シンクレア・バブ

(ヘビー級戦、1997年)

「ロシアの大巨人」ニコライ・ワルーエフ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右フック連打、右ストレートで2度、バブがダウン

(感想:ネルソン戦の次の試合を日本(横浜アリーナ)で行い、判定勝ちしたワルーエフ。未だ連勝中。バブはニューヨークの黒人。36歳で、2勝(1KO)2敗。記録によるとジェレミー・ウィリアムスにKOされて(1992年)からブランクがあり、これがカムバック戦らしい。オーストラリア・タウンズビルでの一戦。テレル・ネルソンと同じ作戦のバブ。距離を取って右ストレートを狙い、接近して連打。ワルーエフはディフェンスしながら応戦。右フック連打でバブがダウン。立ったバブ。サウスポーにスイッチして抵抗を試みるが、強烈な右ストレートでロープ外に落ちるダウン。今度は立てず、KO。ワルーエフが豪快な勝利。巨大な相手の本気のパンチを食ったバブは真の恐怖を味わった。その後、バブは数試合。勝ち星無しでキャリア終了。)


ニコライ・ワルーエフ 8R 判定 ボブ・ミロビック

(ヘビー級戦、2003年)

「ロシアの大巨人」ニコライ・ワルーエフ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:ワンツーでミロビックがダウン

(感想:バブ戦後のワルーエフ。空位のロシア王座を獲得したり、日本で試合したり。PABA王座獲得、防衛。韓国でも勝利。対戦相手のレベルはわからないが、「勝てる相手」を選んでいる印象も。ミロビック(37歳)はクロアチアの白人で、身長196cmの大型選手。オーストラリアが主戦場で、これまで20勝(12KO)11敗2分。ローカル王座獲得、超ベテランのジョー・バグナーに判定負け、オーストラリア王座連続防衛、ダニー・ウィリアムスにTKO負け(英連邦王座戦)、WBFインター王座獲得、といった経歴。ドイツ・ニュルブルクでの一戦(マルクス・バイエルのWBC世界スーパーミドル級王座戦が行われた興行。ワルーエフ戦の時点では客席に空席が目立っていた)。大型のミロビックだが、相手はもっと大型。そのため相撲のようなクリンチを使いながら隙を見て単発のフック攻撃。ワルーエフはジャブ&巨体で相手にプレッシャーを掛け、ワンツー&フック。2R、ワンツーでミロビックがダウン。その後、フック連打などで攻めるワルーエフ。ミロビックは時折反撃のフックを当てるが、単発のため相手を止めることができない。4Rにはまるで抱きつくかのようなクリンチ。ワルーエフ優勢で8R終了。判定は3-0。ワルーエフは勝ったが、パンチを食う欠点は変わらない。相手の攻撃が単発だったことに助けられた。一方、この試合では相手の大きさに押されっぱなしだったミロビック。その後も多くの試合。日本でオケロ・ピーターに判定負けしたり、南アフリカでフランソワ・ボタに判定負けしたり。ローカルな実力者としてキャリアを全うした。)


ニコライ・ワルーエフ 1R KO オーティス・ティスデイル

(ヘビー級戦、2003年)

「ロシアの大巨人」ニコライ・ワルーエフ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:ワンツーでティスデイルがダウン

(感想:ミロビック戦の次の試合。ティスデイルはノースカロライナ州シャーロット出身の黒人。身長は183cmで、ヘビー級としては大きい方ではない。1996年、デビュー。これまで中堅どころと対戦。マイナー王座を獲得したり、連勝したり。一定の実力はあるが、コーリー・サンダース、元世界王者マイケル・モーラーに敗れるなどこのところ連敗中(サンダースはティスデイル戦の次の試合でウラジミール・クリチコを破り、WBO王者に)。ドイツ・ツウィッカウでの一戦。体格差。ワンツーで早くもダウンのティスデイル。しかし、「スリップ」扱い。ワルーエフがワンツー、左右フックボディ打ち。ところが一発。ティスデイルの狙い澄ました強烈な右ストレートがクリーンヒット。タフなワルーエフは反撃。右ストレートでティスデイルをダウンさせたが、これも「スリップ」扱い。そしてワンツー。片ヒザをキャンバスに着いたティスデイルは左目を痛めたらしく、カウントアウト。1Rでアッサリ終了。ワルーエフは打たれ強い。右ストレートを食ったが、一発ぐらいならマトモに食っても大丈夫らしい。ティスデイルはガードを固めてダッキングしたり、一発を決めたりしたが、やはり体格差があった。この試合では惨敗だったが、この後も多くの試合。ブルース・セルドン、ランス・ウィテカーといった実力者に敗れたり、マイナー王座を獲得したり。2009年までリングに上がり続けた。)


その後のワルーエフ 

WBAインター王座を獲得。無敗のまま世界初挑戦。王者ジョン・ルイスからWBA王座奪取。三度防衛したが、ルスラン・チャガエフ(ウズベキスタン)に判定負けして王座陥落、初黒星。ジョン・ルイスとの決定戦でWBA王座奪回。イベンダー・ホリフィールド相手に防衛成功。イギリスのデビッド・ヘイに敗北して王座陥落、引退。その後、政治家に転身し、ロシア下院議員に当選。巨体に似合わない細かいボクシング、引退後の進路。何かと「意外性」のある男だ。

 

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