WBC・WBO世界ヘビー級王者。初の世界戦。イスマイル・ユーラ戦、ハービー・ハイド戦、アルバート・ソスノウスキー戦を紹介します。
ビタリ・クリチコ(ウクライナ)
身長200cm:オーソドックス(右構え)
①ビタリ・クリチコ 2R TKO イスマイル・ユーラ
(欧州ヘビー級タイトル戦、1999年)
(ダウンシーン)
2R:左フックでユーラがダウン
(感想:クリチコがタイトル防衛。デビューから23連勝のクリチコ。これまでいずれも決定戦でWBOインターコンティネンタル王座、欧州王座獲得。ユーラと欧州王座二度目の防衛戦。挑戦者ユーラはフランス人。フランス王座を防衛してきており、このところ連勝中。どんな試合をするか? ドイツ・ハンブルク(アルスタードルフ)での一戦(リングサイドでハービー・ハイドが観戦)。ガードしながら前進し、連打するユーラ。クリチコはパターンを確立。相手と距離を取ってジャブ、ワンツー、カウンターのフック。フックの打ち方は相変わらず手打ち気味だが、腕力がある。2R、「左ジャブ、右ストレート、左ジャブ」のコンビネーションでユーラがダウン寸前に。そして左フックでダウン。立ったが、レフェリーストップ。クリチコが正確な攻撃で勝利。国内王者レベルの相手には楽勝できる安定感があった。ユーラは相手の大きさに特に何もできず。その後、再起戦でKO勝ちして引退。クリチコに敗れたショックが大きかったか。)
②ビタリ・クリチコ 2R TKO ハービー・ハイド
(WBO世界ヘビー級タイトル戦、1999年)
(ダウンシーン)
2R:右ストレート、ワンツーで2度、ハイドがダウン
(感想:クリチコがタイトル獲得。デビューから全てKO勝ちのクリチコがプロ25戦目で初の世界挑戦。王者ハイドはナイジェリア生まれでイギリス国籍の黒人。ニックネームは「The Dancing Destroyer(踊る破壊者)」。KO勝ちが多いことからそう呼ばれるが、スピード&連打で勝つタイプで、あまり「破壊者」のイメージは無い。デビューから全勝でWBO王者になったが、リディック・ボウに惨敗して王座陥落。元IBF王者トニー・タッカーを決定戦でKOしてWBO王座奪回。クリチコ戦は奪回した王座の三度目の防衛戦となる。英国ミルウォール「ロンドン・アリーナ」での一戦。体格差。大きい相手を警戒して距離を取るハイド。ジャブ、接近してガチャガチャした振りの大きい連打。右ストレートからの左フックも使用。クリチコはジリジリ距離を詰め、ジャブ。2R、右ストレート(いわゆる「チョッピングライト」)でハイドがあっけなくダウン。再開後、大きなフックで反撃するハイドだが、クリチコはスウェーでかわす。ワンツーでハイドが二度目のダウン。立ったが、フラついてレフェリーストップ。クリチコが拍子抜けするほどあっけない勝利で初戴冠。ヘビー級は体格差が大きいことがよくありこういう結果は珍しくないが、ハイドは実に脆かった。その後のハイド。WBCのインター王座(クルーザー級)を獲得し、防衛にも成功するなど多くの試合。しかし、逮捕されたりといったトラブルも。世界戦はクリチコ戦が最後となった。)
その後のクリチコ
WBO王座を二度防衛後、クリス・バードにまさかの敗北で王座陥落。再起。欧州王座、WBAのインター王座を獲得し、レノックス・ルイスのWBC王座に挑戦。これに敗北。コーリー・サンダースを決定戦でTKOしてWBC王座獲得。初防衛に成功したが、ヒザを痛めて引退(2004年)。2008年にカムバック。復帰一戦目は何とWBC王座挑戦。王者サミュエル・ピーターをTKOしてWBC王座奪回。アルバート・ソスノウスキーと奪回した王座の四度目の防衛戦。
③ビタリ・クリチコ 10R KO アルバート・ソスノウスキー
(WBC世界ヘビー級タイトル戦、2010年)
(ダウンシーン)
10R:右フックでソスノウスキーがダウン
(感想:クリチコがタイトル防衛。クリチコのプロ42戦目。挑戦者ソスノウスキーはポーランド・ワルシャワ出身。ニックネームは「The Dragon」(獰猛な試合をするタイプなのだろう)。デビューから連勝。WBCユース王座戦でKO負け、初黒星。ピークを過ぎたオーリン・ノリスらを相手に連勝。決定戦でWBF王座、欧州王座獲得。英国、ドイツ、アメリカ、南アフリカなど様々な国で戦ってきた経験がクリチコに通じるかどうか? ドイツ・ゲルゼンキルヘンでの一戦(リングアナはマイケル・バッファ、レフェリーはジェイ・ネイディ)。身長差のある対決。大きなクリチコは左のガードを下げた構えから左ジャブ、打ち下ろすような右ストレート。残念ながら左フックは当てるだけのような打ち方で、迫力無し。全般的に「小手先のボクシング」で、かつてのようなパワーが感じられない。挑戦者も残念。クリチコの大きさにビビって「おっかなびっくり」な試合ぶり。威圧されて単発の反撃をするが、かわされる。ただ、右ストレートには良さ。クリチコ優勢。ソスノウスキーは手数が少な目。10R、右フックでソスノウスキーがついにダウン。それと同時にレフェリーは試合を止めた。微妙だった世界ヘビー級タイトル戦。クリチコはアメリカでは人気が無かったが、それを物語るような内容。共に動きのキレに欠けた。その後の二人。ソスノウスキーは欧州王座戦でKO負けするなど勝ったり負けたり。世界戦はクリチコ戦のみ。クリチコはシャノン・ブリッグスらを相手に防衛(WBC王座は通算10度防衛)。地元ウクライナが政情不安になり、王者のまま引退(王座返上)。2014年、キーウ市長に当選。ロシアによるウクライナ侵攻により命が危険にさらされている状況。)
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