2025年3月19日水曜日

「世界を目指したヘビー級⑱」ローレンス・クレイベイ②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

キャリア終盤の試合。チャールズ・シャフォード戦、シナン・シャミル・サム戦、デレク・ブライアント戦を紹介します。


ローレンス・クレイベイ(アメリカ)

身長191cm:オーソドックス(右構え)


ローレンス・クレイベイ 10R 判定 チャールズ・シャフォード

(ヘビー級戦、2003年)

「世界を目指したヘビー級⑱」ローレンス・クレイベイ②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:中堅との試合が続くクレイベイ。これまで17勝(13KO)1敗、37歳。世界挑戦経験者と勝負。シャフォード(29歳)はバージニア州マーティンズビル出身の黒人。身長191cmで、19勝(9KO)2敗。強打者ジミー・サンダーにTKO勝ち、後の世界王者レイモン・ブリュースターに判定勝ち。ウラジミール・クリチコのWBO王座に挑戦してTKO負け。中堅相手に再起二連勝中。オクラホマ州ノーマンでの一戦。身長で上回るシャフォードはボクサータイプ。相手から距離を取ってジャブ、ストレートでポイントを狙う。クレイベイは接近してワンツー、フック。互いに動きは速くはないが、クレイベイは攻めるときは迫力がある。攻めるクレイベイ、ポイント狙いのシャフォード。終盤はクレイベイに疲れが出て、もみ合いになるシーンも。10R終了。判定は3-0。クレイベイが攻めの姿勢で勝利。シャフォードはヘビー級らしからぬつまらないボクシング。しかし、これが彼のボクシングなのだろう。その後もシャフォードはブランクがちにリングに上がったが、負けが増えていった。)


その後のクレイベイ

シャフォード戦の次の試合はエリエセール・カスティーリョとの北米ヘビー級王座決定戦。これにKO負け。イマム・メイフィールドを決定戦でTKOしてIBAコンティネンタル・ヘビー級王座獲得。そしてシナン・シャミル・サムとのWBCインター王座戦。 


シナン・シャミル・サム 12R 判定 ローレンス・クレイベイ

(WBCインター・ヘビー級タイトル戦、2005年)

「世界を目指したヘビー級⑱」ローレンス・クレイベイ②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:サムがタイトル防衛。王者サムはトルコ系で、ドイツ・フランクフルト出身。デビューから連勝で欧州王者に。王座陥落後、WBCインター王座獲得。クレイベイと初防衛戦。ドイツ・ベルリン(プレンツラウアー・ベルク)での一戦。似た体格、戦い方の両者。ガードを上げてブロックしながらジャブ、ストレート、フック、インサイドからアッパー気味のフック、ボディ攻撃。互いのパンチがヒットし、ローブローになることも。5R、クレイベイのアッパー気味のフックが連続ヒット。6R、サムが連打で反撃。互いにブロックしながらの打撃戦が続くが、動きのスピードは共にあまりない。最後まで打ち合う、互角の勝負のまま12R終了。判定は3-0。映像ではドローに見えたが、王者が地元で有利だったのだろう。負けたクレイベイは潔く勝者を讃えた。その後のサム。WBCインター王座戦。WBC地中海王座も獲得できたが、敗北もあって世界戦は無し。残念なことに2015年、41歳で死去。肝不全と腎不全との闘病の末の訃報だった。)


ローレンス・クレイベイ 10R 引分 デレク・ブライアント

(ヘビー級戦、2005年)

「世界を目指したヘビー級⑱」ローレンス・クレイベイ②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:サム戦の次の試合。ブライアントはペンシルベニア州フィラデルフィア出身の黒人サウスポー。ニックネームは「The One Man Riot」(どういう意味なのだろう? 「暴動レベルの大暴れをやらかす男」ということか?)。デビューから連勝。かつてのホープ、ホルヘ・ルイス・ゴンザレスには1RでTKO勝ち(ゴンザレスのラストファイト)。TKOで初黒星後は勝ったり負けたり。コネチカット州マシャンタケットでの一戦(レフェリーはスティーブ・スモーガー)。スリムなブライアント。右ジャブ、ワンツー、フック連打。パンチは軽め。クレイベイは前進して接近戦を仕掛ける。互いにディフェンスしながら手数。コンビネーションをまとめるブライアント。クレイベイは動きは緩慢だが、迫力の連打(2R、4Rほか)。5R、ブライアントが「打ってこい」のアピール。細かい連打のブライアント、パワーのクレイベイといった展開が続くが、クレイベイはスタミナ切れ。そのためもみ合うシーンも。10R終了。ブライアントは両手を上げて自身の勝利を確信している様子。判定はドロー。ブライアントは手数を出していたが、軽い攻撃。クレイベイはスタミナ切れながらパワー。ドローが妥当か? その後の二人。ブライアントはブランクがちでキャリア終了。クレイベイはこれが最後の試合。世界王者にはなれなかったが、勝つときは豪快(レイ・マーサーのような獰猛さだった)。もっと早くプロ入りして欲しかったところ。) 

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