2025年3月14日金曜日

「世界を目指したヘビー級⑭」ジミー・サンダー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

マイナー団体の世界王者。クレイグ・ピーターセン戦(初戦&再戦)、エド・ドナルドソン戦、ボマニ・パーカー戦を紹介します。


ジミー・サンダー(ニュージーランド)

身長188cm:オーソドックス(右構え)


クレイグ・ピーターセン 12R 判定 ジミー・サンダー

(オーストラリア・ヘビー級王座決定戦、1991年)

「世界を目指したヘビー級⑭」ジミー・サンダー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右アッパーでピーターセンがダウン

8R:右ストレートでピーターセンがスタンディングダウン

(感想:ピーターセンがタイトル獲得。サモアの首都アピア出身のサンダー。本名は「ジェームス・セニオ・ポー」。「ニュージーランド代表」としてアマチュアの大会で優勝したことも。オーストラリアでプロデビュー。敗北もあったが、東洋太平洋王座、WBCインター王座を獲得してきた。ピーターセンはニュージーランド出身の白人。オーストラリア・クルーザー級王座に挑戦して敗れた過去。以来、連勝中。オーストラリア・メルボルンでの一戦。1R、ゴツい身体のサンダー。ジャブを使いながら接近してフック攻撃。サウスポーのピーターセンは足でリズムを取りながら右ジャブ、左ストレート。接近戦では互いにフック。右フックが効いたピーターセン。右アッパーでダウン。攻めるサンダーだが、ピーターセンが左ストレートをヒットさせる。その後もよく攻めるサンダー。しかし、攻めが強引。ジャブ、ストレートを食い、5Rには左目の腫れをチェックされる。7R、打たれるサンダー。ワンツー、インサイドからのフックを食う。8R、右フックが効いたピーターセン。右ストレートをフォローされてスタンディングカウントを聞く。その後もサンダーは攻撃。ピーターセンは受け身ながら、細かいパンチでカウンター。12R終了。判定は3-0。ピーターセンが正確なパンチで勝利。「サンダーの特徴」が出ていた試合。パワフルであるが、強引。ジャブで相手のスタミナ、勢いを奪うことなく突進してディフェンスされたり、カウンターを食ったり。残念ながらこのクセはその後も直らなかった。) 


ジミー・サンダー 12R 判定 クレイグ・ピーターセン

(オーストラリア&オーストララシア・ヘビー級タイトル戦、1992年)

「世界を目指したヘビー級⑭」ジミー・サンダー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:サンダーがタイトル獲得。ピーターセンに敗れた再起戦でIBFの地域王座を獲得したサンダー。ピーターセンと再戦。ピーターセンはサンダー戦の次の試合でオーストララシア王座を獲得。オーストラリア王座とオーストララシア王座の二つの王座を懸けてサンダーと再戦。ニュージーランド・コヒマラマでの一戦。基本的には変わらない両者。王者ピーターセンは前回のようにディフェンスしながら右ジャブ、左ストレート、接近戦では細かいパンチ。サンダーは相変わらず強引ではあるが、ボディ打ちが効果的、もみ合うような接近戦。フックを当てようとするサンダー。ピーターセンはカウンターを入れるシーンもあるが、クリンチが多い。12R終了。判定は3-0。サンダーが勢いで勝利。ピーターセンは根負けした。その後のピーターセン。再起戦でハービー・ハイドに敗北。バート・クーパー、(日本で)アレックス・スチュワートに勝利。ラストファイトはクリス・バードにTKO負け(ハイドとバードは後、世界王者になった)。1997年、薬物の過剰摂取により26歳で死去。)


その後のサンダー 

英連邦王座の決定戦で後のWBO王者ヘンリー・アキンワンデに判定負け。決定戦でWBF王座獲得。英国のクセ者ジョニー・ネルソンに敗れてWBF王座陥落。再起戦でオーストラリア王座の防衛に成功するなど三連勝。


ジミー・サンダー 2R TKO エド・ドナルドソン

(ヘビー級戦、1994年)

「世界を目指したヘビー級⑭」ジミー・サンダー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:左フックでドナルドソンがダウン

(感想:これまで20勝(17KO)5敗のサンダー(28歳)。ドナルドソン(35歳)はアラバマ州モビール出身の黒人。アマチュアではスーパーヘビー級で全米王者に。しかし、プロ転向は遅く、33歳の時。警官の仕事をしながらリングへ。これまで10勝(9KO)3敗。カーク・ジョンソンにKO負け、アレックス・ガルシアに判定負け。実力者には勝てず。サンダー戦はガルシアに敗れた再起戦となる。ミシシッピ州ベイ・セント・ルイスでの一戦。フック連打で攻めるサンダー(相手が誰であっても同じ)。ドナルドソンは残念。動きとパンチにスピードが無く、ブロックしながら何とか応戦。2R、左フックでドナルドソンがダウン。追い詰めるサンダー。ドナルドソンが続けて打たれたところでレフェリーストップ。サンダーが圧勝。コンビネーション(左フックからの右アッパー、ほか)に迫力。ドナルドソンはタフそうだったが、スピード感の無さ。その後、ラリー・ホームズ、マイケル・グラントに敗北。中堅選手としてキャリアを終えた。)


ジミー・サンダー 1R TKO ボマニ・パーカー

(ヘビー級戦、1995年)

「世界を目指したヘビー級⑭」ジミー・サンダー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右フックで2度、パーカーがダウン

(感想:ドナルドソン戦後、好調のサンダー。決定戦でIBO王座獲得、元世界王者トニー・タッブス、トレバー・バービックに勝利。パーカーはオハイオ州シンシナティ出身の黒人。アマチュアではミドル級で活躍(大会での優勝経験も)。プロではこれまで14勝(10KO)2敗。WBC米大陸王座(ライトヘビー級)獲得の実績。本来はヘビー級の選手ではない。ラスベガス「MGM Grand」での一戦(レフェリーはジェイ・ネイディ。この日のメインは「リディック・ボウ vs. ホルヘ・ルイス・ゴンザレス」のWBO世界ヘビー級王座戦。ボウが防衛)。スキンヘッドのサウスポー、パーカー。フットワークで距離を取って右ジャブ、ワンツー(マービン・ハグラーのようだ)。サンダーは力技。左を使いながら右パンチを当てようとし、左右フックの嵐。右フックでパーカーがロープ際でダウン。立ったが、右フックで二度目。それと同時にレフェリーは試合を止めた。サンダーが強引に勝利。そのパターンが通用する相手には強い。パーカーはパワー負け。その後、再起戦でライオネル・バトラーに敗れるなど全敗だった。)

 

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