中堅との試合。フランコ・ワンヤマ戦、メルビン・フォスター戦、ウィリアム・モリス戦を紹介します。
ジミー・サンダー(ニュージーランド)
身長188cm:オーソドックス(右構え)
①フランコ・ワンヤマ 10R 判定 ジミー・サンダー
(ヘビー級戦、1995年)
(ダウンシーン)
3R:右フックでサンダーがダウン
7R:右ボディでワンヤマがスタンディングダウン
(感想:このところ連勝中のサンダー(29歳)。これまで26勝(20KO)5敗。ワンヤマ(27歳)はウガンダ・カンパラ出身の黒人。ソウル・オリンピック(1988年)にミドル級で出場(メダルは獲得ならず)。プロでは15勝(6KO)3敗2分。ベルギーでデビュー。後のWBO世界クルーザー級王者カール・トンプソンを判定で下したり、地域王座を獲得したり。このところジョニー・ネルソンを下してWBF王座(クルーザー級)を獲得、TKOで英連邦王座(クルーザー級)を獲得、といった活躍ぶり。ヘビー級の強打者サンダー相手にどんな試合をするか? ミシガン州デトロイトでの一戦(会場でトーマス・ハーンズが観戦)。フットワーク&ジャブのワンヤマ。ワンツーからの左フックに良さがあるが、時々、妙な右パンチ(手打ち気味)。サンダーはいつものように前進し、右ストレート、左右フック連打。3R、攻めるサンダーだが、右フックでダウン。それに気をよくしたか、ワンヤマはその後は打ち合いにも応じる。7R、右ボディでワンヤマがスタンディングカウントを取られたが、ワンヤマは「ローブロー」を主張。休憩が与えられ、試合再開。その後も距離を取るワンヤマ、接近するサンダー。スタイルが違うため、あまり噛み合わないまま10R終了。判定はサンダー。しかし後、「2-1でワンヤマ」に変更。経緯はよくわからないが、「7Rのダウン」が混乱の原因か? 個人的にはよく攻めたサンダーが勝ったように見えたが、どちらかが一方的になるシーンが少なく、共にパンチの当たりが浅かったように見えた。ワンヤマの細かいパンチが評価されたか。その後、ワンヤマは英国、ベルギーで連敗。ブランクを作ったが、連勝で引退。2019年に51歳で自宅で死去。心臓に障害があったという。)
②ジミー・サンダー 8R TKO メルビン・フォスター
(ヘビー級戦、1995年)
(ダウンシーン)
2R:右フックでフォスターがダウン
8R:フック連打、右フックで2度、フォスターがダウン
(感想:ワンヤマに敗れたサンダーが再起戦でIBO王座戦を行い、レイ・アニスにTKO勝利(王座防衛)。そしてフォスター戦。フォスターはワシントンD.C.出身の黒人。アマチュアで活躍。プロでは20勝(15KO)2敗1分。ミッチェル・グリーン、カール・ウィリアムス、マイク・ディクソンといった実力者を破っているが、全盛を過ぎたトレバー・バービック、マイケル・モーラーに敗北。どうやら好不調の波があるようだ。コネチカット州マシャンタケットでの一戦(レフェリーはスティーブ・スモーガー)。互いにジャブ連打。攻めるサンダー。フォスターはフットワークで距離を取って左フックなどで応戦するが、1Rから右フックを食ってクリンチ。2R、右フックを決めたサンダーが猛烈な左右フックの嵐。右フックでフォスターがダウン。その後は打ち合いを避けてクリンチするフォスター。サンダーは「打ち合ってくれない相手」に手こずる短所。8R、フック連打でフォスターがダウン。立ったが、今度はサンダーの狙い澄ました強烈な右フックで二度目のダウン。レフェリーはカウントの途中で試合を止めた。サンダーが攻撃力で勝負。フォスターはどうやらテクニックで勝ってきたタイプ。サンダーの勢いに飲み込まれた。その後のフォスター。コーリー・サンダース、ハシム・ラクマンに連敗するなどで脱落。中堅どころにとどまった。)
③ジミー・サンダー 10R TKO ウィリアム・モリス
(ヘビー級戦、1996年)
(ダウンシーン)
10R:フック連打でモリスがスタンディングダウン
(感想:WBA11位のサンダー。モリスはペンシルベニア州フィラデルフィア出身の黒人。身長は180cmで、ややズングリ型。これまで15勝(2KO)11敗1分。トニー・タッブスとノーコンテスト(10R)、ダネル・ニコルソンにTKO負け。中堅どころだが、粘り強さはありそう。ミシガン州フリントでの一戦(サンダーのセコンドにエディ・ムスタファ・ムハマド。元WBA世界ライトヘビー級王者)。共に30歳。攻めるサンダー。モリスは腰の当たりが少しダブついた身体ではあるが、ディフェンスしながらジャブ、フックで応戦。大きな右フックに迫力。接近戦。残念なことにモリスはスタミナ切れの様相。サンダーは単調な攻めで、勢いに欠ける。そのためクリンチが多い展開。9R、「これではイカン」と思ったか、サンダーが気合いの入ったフック連打。10Rに連打でモリスにスタンディングカウントを聞かせる。再開後、連打でレフェリーストップ。サンダーが終盤に一気に勝利。最終ラウンドまで強打を振るい続けるスタミナがサンダーの特徴だが、今回はモタついた試合だった(こういう日もある)。モリスは大きなパンチを使って疲れたらしい。タフさはあったが、上には行けない身体と戦いぶり。その後、全敗でキャリア終了。)
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