世界挑戦経験&映画出演。ザック・ファーガソン戦、ジェフ・シェルバーグ戦、レオン・スピンクス戦を紹介します。
ランドール・コッブ(アメリカ)
身長191 cm:オーソドックス(右構え)
①ランドール・コッブ 1R TKO ザック・ファーガソン
(ヘビー級戦、1979年)
(ダウンシーン)
1R:右ストレート、左フックで2度、ファーガソンがダウン
(感想:見た目がイカツい白人コッブ(テキサス出身でニックネームは「Tex」)。ボクシングファンでない方は映画で彼を見たことがあるかもしれない。『チャンプ』(1979年、ボクサー役)、『ポリスアカデミー4/市民パトロール』『ゴールデン・チャイルド』『エース・ベンチュラ』などで有名俳優と共演。キックボクサーからプロボクサーに。世界戦も経験するが、それは後の話。デビューからこれまで8戦全勝(8KO)。ファーガソンはテキサスの黒人サウスポー。アマチュアで優秀だった有望株。ところがプロでは3勝(1KO)3敗。フィラデルフィアでの一戦。足で距離を取りながら右ジャブ、下手な大振りフックのファーガソン。時には逃げるようなフットワーク。パーマ頭のコッブはジリジリ距離を詰めて右ストレート、フック連打。「洗練された攻撃」とは言い難い、ゴツい攻め。ところが見事なコンビネーション。左ボディからの右ストレートでファーガソンをダウンさせる。立ったファーガソンに左フックで二度目のダウン。最後は右ストレートからの連打でファーガソンがコーナー付近で打たれたところで試合ストップ。コッブが快勝。勝っても自慢にならないような相手だったが、良いコンビネーションを見せた。それを自在に出せるようになれば面白い存在になるだろう。ファーガソンはド下手。基本が全くできていない。「アマチュアでは優秀だった」という情報はホントなのだろうか? その後も負けてばかり。エディ・リチャードソン(マイク・タイソンに1Rで倒された)らを相手に連敗でキャリアを終えた。)
②ランドール・コッブ 7R TKO ジェフ・シェルバーグ
(ヘビー級戦、1982年)
(感想:ファーガソン戦後も連勝のコッブ。アーニー・シェイバース(ピークを過ぎていたが)にTKO勝ち。しかし、急ブレーキ。ケン・ノートンに2-1、マイケル・ドークスに2-0で二連敗。中堅どころに二連勝。これまで19勝(17KO)2敗。WBA8位、WBC9位。シェルバーグはカリフォルニア州ロサンゼルス出身の白人で、22勝(19KO)4敗。デビューから連勝、ローカル王座獲得。しかし、相手は中堅どころばかり。直前の試合は判定負けに終わっている。アトランチックシティでの一戦(リングアナはエド・デリアン、レフェリーはラリー・ハザード)。共通点がある二人。パーマ、口ひげ、白人。体格ではコッブの方が大きい。互いにジャブ。足を使って距離を取るシェルバーグ、追うコッブ。ワンツー、左ボディ打ちのコッブ。シェルバーグは意外な巧さがあり、フックを当てる。ただ、受け身の試合ぶりで、コッブの攻めを止めることができない。接近戦。互いにフック、ボディ攻め。動きのスピードは共にそこそこ。パワーでコッブ。ディフェンスしながら正確にジャブを当て、コンビネーション(特に「右フックからの左アッパー」が光る)。連打されるシェルバーグだが、ブロックで耐えるタフネスぶり(5Rほか)。しかし、7R。シェルバーグが細かいパンチをまとめて打たれたところでレフェリーストップ。まだ続行できそうだったが、止められても仕方がないぐらい打たれていた。コッブが手数で勝利。共にパンチを当てる意外な巧さがあり、面白い勝負だった。その後、シェルバーグはレロイ・ジョーンズにTKO負けして引退(ジョーンズはラリー・ホームズのWBC王座に挑戦して敗れた再起戦だった。シェルバーグに勝って引退)。)
その後のコッブ
シェルバーグ戦の次の試合はラリー・ホームズとのWBC王座戦。判定負けで王座獲得ならず(結果的にそれが唯一の世界戦に)。中堅相手に連勝後、後の世界王者ジェームズ・ダグラスに判定負け。元WBA王者マイケル・ドークスにも敗れるなど連敗。ブランク、カムバック(1987年)。1993年のラストファイトまで負け無し。ただし、相手は中堅どころばかり。レオン・スピンクス戦はそんな状況で行われた試合。
③ランドール・コッブ 10R 判定 レオン・スピンクス
(ヘビー級戦、1988年)
(感想:元世界王者スピンクス。オリンピック金メダルからプロ入りし、モハメド・アリを破って世界ヘビー級王座を奪取した過去。しかし、それでスッカリ浮かれて薬物にハマったり、バカな取り巻きと遊び回ったり。アリとの再戦に敗れてアッサリ王座陥落後はKO負けを喫するなど「過去の人」に。弟マイケルが活躍するたびについでに思い出されることもある程度の選手になってしまった。テネシー州ナッシュビルでの一戦。開始からハイペースに打ち合う両者。ジャブ、ワンツー、フック。意外なことにスピンクスがディフェンスしながらキレのあるパンチ。ワンツーをクリーンヒットさせたりする。コッブは例によってゴツいパンチで手数。打ち合いが続き、互いのパンチがヒット。しかしながら、「やはり」といった感じの試合に。両者、スタミナ切れ。コッブは右フック、スピンクスは左フックを出すが、コッブはヨレヨレでクリンチ。巧さとパンチのキレでは上のスピンクスも攻撃が続かない。10R終了。判定は2-0。コッブが前に出る姿勢で何とか勝利。元々重そうなパンチの持ち主であるうえに序盤に激しい打ち合い。スタミナが切れたのは仕方がなかったのかもしれないが、だらしない感じの試合になってしまったのはマイナス。スピンクスはこの後もリングへ。中堅相手に多くの試合。いたずらにダメージを重ねていった。)
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