2025年2月17日月曜日

「世界を目指したヘビー級②」ジェリー・クォーリー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

タフな白人ヘビー級。エディ・マッチェン戦、サッド・スペンサー戦、マック・フォスター戦を紹介します。


ジェリー・クォーリー(アメリカ)

身長183cm:オーソドックス(右構え)


エディ・マッチェン 10R 判定 ジェリー・クォーリー

(ヘビー級戦、1966年)

「世界を目指したヘビー級②」ジェリー・クォーリー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:カリフォルニア出身の白人クォーリー。5歳でボクシングを始め、アマチュアの大会で優勝したことも。「白人のヘビー級」には「タフだが不器用」なイメージもあるが、クォーリーは筋のいいボクシング。ロサンゼルスでプロデビュー(勝利)。引き分けはあったが、未だ無敗。黒人マッチェンもカリフォルニア出身。デビューから連勝。ジョーイ・マキシム(元世界ライトヘビー級王者で、シュガー・レイ・ロビンソンとの試合で有名)にも勝利。しかし、スウェーデンでインゲマル・ヨハンソンに1RでKO負け、初黒星。ゾラ・フォーリー、ソニー・リストンに敗北。中堅どころには強いが、それ以上の選手に苦戦。フロイド・パターソン、アーニー・テレル、カール・ミルデンバーガーにも敗れ、ピークを過ぎてしまった印象。ロサンゼルス「オリンピック・オーディトリアム」での一戦(ダイジェストで観戦)。互いにジャブ、ストレート、フック。マッチェンがジャブ&ディフェンスで前へ。クォーリーは足で距離を取りながら応戦。接近戦では両者、フック、ボディ打ち。マッチェンは右ストレートがパワフル。クォーリーは左ボディ打ち(得意技)に巧さ。共にパンチの打ち方に迫力があるが、マッチェンは上手くディフェンス。判定は3-0。マッチェンがジャブで勝利。右ストレートに世界レベルの威力があった。クォーリーはやや受け身。攻撃をブロックされた。その後のマッチェン。新鋭ジョー・フレージャーにKOされ、最後は連敗でキャリアを終えた。)


ジェリー・クォーリー 12R TKO サッド・スペンサー

(WBA世界ヘビー級王座トーナメント戦、1968年)

「世界を目指したヘビー級②」ジェリー・クォーリー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

4R:左フックでスペンサーがダウン

10R:右フックでスペンサーがダウン

(感想:マッチェン戦後、連勝のクォーリー。フロイド・パターソンと引き分け。そして歴史的な出来事。モハメド・アリがベトナム戦争行きを拒否して世界王座剥奪。空位となったWBA王座を決めるトーナメントが開催され、パターソンとの再戦に勝利。二回戦はスペンサーとの勝負。スペンサーはアラバマ州出身の黒人。デビューからまずまずの戦績。カリフォルニア州ヘビー級王座獲得。トーナメント一回戦でアーニー・テレルに判定勝ち。世界戦を目前に控え、両者とも絶対に負けられないところ。カリフォルニア州オークランドでの一戦。スペンサーが接近して連打。左フックを当てる巧さがあるが、全体的にパワー不足でスピード感が無い。そのため、攻めてはクリンチ。クォーリーはジャブ、右ストレート、得意の左ボディ打ち。しかし、受け身の姿勢であるためスペンサーにクリンチされる展開。4R、左フックでスペンサーがダウン。その後も中間距離でジャブのクォーリー、パンチを打ってはクリンチのスペンサー。クォーリーの左ボディ打ちが時折ローブローに。クリンチ、もみ合いが多い状況で10R、右フックでスペンサーがダウン。12Rの終わり頃、猛然とラッシュするクォーリー(なかなかの迫力だった。もっと早いラウンドからやって欲しかったところ。スタミナに不安があったか?)。12R終了間際でTKO。クォーリーがパワーで勝利。しかし、クリンチが多かった試合。どちらが勝ったとしても世界王者になるには魅力に欠ける内容だった。スペンサーはその後、連続KO負けするなど何と全敗。クォーリーに敗北してエネルギーが消え去ってしまったようだ。)


その後のクォーリー

スペンサー戦の次の試合でジミー・エリスとWBA王座決定戦を行ったクォーリーだが、2-0で敗北。バスター・マシスらに連勝して今度はジョー・フレージャーのニューヨーク州公認世界ヘビー級王座に挑戦したが、TKO負け。ジョージ・シュバロにKO負け。再起二連勝でマック・フォスターと勝負。


ジェリー・クォーリー 6R TKO マック・フォスター

(ヘビー級戦、1970年)

「世界を目指したヘビー級②」ジェリー・クォーリー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

6R:右フックでフォスターがダウン

(感想:フォスターはルイジアナ州出身の黒人。アマチュアではライトヘビーで王者になったことも。デビューから好調。サッド・スペンサー、クリーブランド・ウィリアムスといったベテランらを相手にこれまで全勝。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」での一戦。ガードを上げてジャブ、左フックのフォスター。足でリズムを取るボクサータイプ。クォーリーは相手から距離を取ってジャブ、接近してフック。特に右フックからの左ボディ打ちに迫力。しかしながらクォーリー。パワーファイターではあるが、慎重なところが。中途半端に距離を取ったりする(もっとハッキリ言えば「モタつく」)。6Rに急展開。クォーリーが一気に勝負。フォスターが連打からの右ストレートを食ってピンチ。右フックでダウン。痛烈なダウンにレフェリーは直ちに試合を止めた。クォーリーの特徴が見られた試合。もっと強くプレッシャーを掛け続ければよいと思うが、どこか慎重。「作戦」というより「一貫しない」戦いぶりを感じた。フォスターは左フックを当てる巧さがあったが、ヘビー級らしいパワフルさに欠けた。その後、フォスターは来日。世界戦ではなかったがモハメド・アリと15回戦。「予告KO」をしたアリだが、フォスターは判定まで頑張った。)   

 

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