2025年2月13日木曜日

「世界を目指したヘビー級①」オスカー・ボナベナ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

アルゼンチンのヘビー級。ゾラ・フォーリー戦(初戦)、グレゴリオ・ペラルタ戦(初戦)、レオティス・マーティン戦を紹介します。


オスカー・ボナベナ(アルゼンチン)

身長179cm:オーソドックス(右構え)


ゾラ・フォーリー 10R 判定 オスカー・ボナベナ

(ヘビー級戦、1965年)

「世界を目指したヘビー級①」オスカー・ボナベナ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

8R:ワンツーでボナベナがダウン

(感想:ボナベナはブエノスアイレス出身で、ニックネームは「Ringo」(ビートルズのような髪型が由来)。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」でデビュー(勝利)。その後もアメリカで連勝中。フォーリーはテキサス州ダラス出身の黒人。軍隊時代にボクシングを始め、アマの大会で優勝。プロでは中堅どころには勝ってきたが、ヘンリー・クーパー、ソニー・リストン、ダグ・ジョーンズらに敗北。フロイド・パターソンとの世界王座戦を目指すが、果たせない状況。「マジソン・スクエア・ガーデン」での一戦。ジャブを出すフォーリー。動きのスピードはないが、ジャブ、ストレートを正確に当てようとする。右ストレートからの左ジャブといったテクニックも持ち、ジャブ&ストレート連打が意外に速い。1Rから右ストレートをヒットさせる。ボナベナは残念。ゴツい身体をしているが、攻めが単調。踏み込んで左フックを打ち込むが、ディフェンスされたり、クリンチされたりで継続的に攻められず。4R、フォーリーのワンツーがヒット。8Rにワンツーでタフなボナベナがダウン。その後もジャブ&ディフェンスのフォーリー。10R終了。判定は3-0。フォーリーがクレバーに勝利。ただ、スピードがないため「世界王座への挑戦者」としての魅力はそれほど無かった印象。ボナベナは攻め方を工夫しなければならないレベルだった。その後のフォーリー。ボブ・フォスターらを相手に連勝し、初の世界王座戦。相手は全盛期のモハメド・アリで、KOされてしまった。そしてボナベナとブエノスアイレスで再戦。2-0でボナベナが勝利して、一勝一敗。三度目の対戦は無かった。)


オスカー・ボナベナ 12R 判定 グレゴリオ・ペラルタ

(アルゼンチン・ヘビー級タイトル戦、1965年)

「世界を目指したヘビー級①」オスカー・ボナベナ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

5R:ペラルタがダウン

(感想:ボナベナがタイトル獲得。フォーリーに初黒星後、主戦場をアルゼンチンに移して連勝のボナベナ。初の王座戦。王者ペラルタもアルゼンチン。地元、南米で試合。マウロ・ミナにKO負け、アルゼンチン王座(ヘビー級)獲得・防衛。世界ライトヘビー級王者ウィリー・パストラーノにノンタイトル戦で勝利したが、世界王座を懸けた再戦はTKOでパストラーノ勝利。南米王座(ヘビー級)獲得、ミナに判定で雪辱。アルゼンチン王座を懸けてボナベナと勝負。ブエノスアイレスでの一戦(ダイジェストで観戦)。ゴツいパンチのファイター、ボナベナ。接近して左右フック、ボディ打ち。ペラルタはジャブを使うアウトボクシングが基本で、踏み込んでワンツー。ディフェンスしながらボナベナが接近戦を仕掛け、フック攻撃で優勢。5Rにダウンを奪う。12R終了。判定は3-0。ヘビー級らしいパワーでボナベナが勝利。ジャブも強そうなのを打っていた。ペラルタはアウトボクサーで、ヘビー級らしい迫力に欠けていた。ただ、ワンツーは良かった印象。その後のペラルタ。地元で連勝。ボナベナとの再戦は引き分け。当時、KOで勝ちまくっていたジョージ・フォアマンに判定負け。スペインを主戦場に。フォアマンとの再戦はTKO負け。ドイツを主戦場に移し、中堅どころに勝利。アメリカでロン・ライルに判定負け。タフだっだが、「ローカルな実力者」にとどまった。)


その後のボナベナ 

「マジソン・スクエア・ガーデン」で重要な二試合。ジョージ・シュバロに判定勝ち、ジョー・フレージャーからダウンを奪ったが判定負け。地元で連勝後、アメリカでジミー・エリスに判定負け。地元では強いが、アメリカでは実力者に苦戦。


オスカー・ボナベナ 10R 判定 レオティス・マーティン

(ヘビー級戦、1968年)

「世界を目指したヘビー級①」オスカー・ボナベナ①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ピークを過ぎたゾラ・フォーリーとの再戦に地元で勝利したボナベナ。マーティン戦はその次の試合。マーティンはアーカンソー州ヘレナ=ウェストへレナ出身の黒人。アマチュア王者からプロに。デビューから連勝だったが、ジミー・エリスとのWBA世界ヘビー級王座トーナメント戦に敗れるなどこのところ勝ったり負けたり。ただ、カール・ミルデンバーガーにKO勝ち、直前の試合ではTKO勝ちを収めている。ブエノスアイレスでの一戦(ダイジェストで観戦)。共にダッキングしながらジャブ、ストレート、フック。似たところがあるが、パンチの打ち方など器用さではマーティン。ボナベナは例によってゴツいパンチ。10R終了、判定は3-0。短いハイライト映像であるため試合全般についてはわからないが、ジャッジはボナベナのパワーを評価したようだ。タフネスとパワーがあって初めて成り立つボナベナのボクシング。その戦いぶりでどこまで上に行けるか? マーティンはその後、連勝。あのソニー・リストンと新設された北米ヘビー級王座を争ってKO勝利。しかし、網膜剥離によりその試合がラストファイトとなった。)

 

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