2025年2月11日火曜日

「ミドル級のホープ⑨」マイケル・ワトソン「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

80年代の英国ミドル級。ケン・スタイルズ戦、リッキー・スタックハウス戦、エロール・クリスティ戦を紹介します。


マイケル・ワトソン(イギリス)

身長180cm:オーソドックス(右構え)


マイケル・ワトソン 9R TKO ケン・スタイルズ

(ミドル級戦、1988年)

「ミドル級のホープ⑨」マイケル・ワトソン「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ロンドン出身の黒人、ワトソン。両親はジャマイカ人。アマチュアで活躍、プロ入り。デビューから連勝だったが、ジェームズ・クックに判定負け。そこからまた連勝。実力者「デンジャラス」ドン・リーに勝利。スタイルズはペンシルベニア州フィラデルフィアの黒人。イタリアでスンブ・カランベイに敗れた過去。このところ二連敗だが、コンディションはどうか? 英国ウェンブリーでの一戦。好戦的なワトソン。ジャブを使いながら前進し、右フックからの左フック、左フックからの右ストレート、左ボディ打ち。スタイルズは相手から距離を取りながらジャブ、左フックで応戦するが、右フックを食う。力強い攻めを見せるワトソン。しかし、パワーを込めすぎて攻撃がとぎれがち。スタイルズは受け身。互いにディフェンスができるため決定打を欠く状況。9R、スタイルズが連打されたところでレフェリーストップ。止められて不満のスタイルズはレフェリーに抗議するが、時すでに遅し。受け身すぎたのが止められた原因であるため仕方がない。ワトソンが攻撃力で勝利。もう少しスムーズな攻め方をしたいところ。その後のスタイルズ。再起戦でジョン・ムガビに1RでTKO負け。それが最後の試合に。)


マイケル・ワトソン 4R TKO リッキー・スタックハウス

(ミドル級戦、1988年)

「ミドル級のホープ⑨」マイケル・ワトソン「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:フック連打でスタックハウスがダウン

4R:右フックカウンターで2度、スタックハウスがダウン

(感想:WBC21位で23歳のワトソン。スタックハウスはジョージア州アトランタ出身の黒人。ジョージア州王座、WBC米大陸王座(いずれもミドル級)を獲得した実績があるが、カーチス・パーカー、フランク・テートに敗北。このところヘロール・グラハム、ロベルト・デュランに二連敗中。英国ウェンブリーでの一戦。ジャブ、右ストレートが武器のスタックハウス。時折、サウスポーにスイッチ。しかし、真っ直ぐ攻めるクセがあり、ディフェンスに甘さ。カウンターを食う。ワトソンはパワーを込めたフック攻撃。1Rからダウンを奪うなど優勢。4R、実に見事な右フックカウンターでスタックハウスがダウン。立ったが、二度目のダウン。それと同時にレフェリーストップ。ワトソンが右で快勝。防御ができていない相手に勝っても自慢にはならないが、タイミングを捉える巧さを見せた。スタックハウスは基本ができていなかった印象。攻めるときのバランスに問題があった。その後もスタックハウスはリングへ。リンデル・ホームズ、ジョン・ムガビ、ロイ・ジョーンズ・ジュニア、ジェームス・トニーらに敗北。中堅どころでキャリアを終えたが、当時のトップクラスと試合ができた。)


その後のワトソン

好調。ライバルのナイジェル・ベンもKO。しかし、その次の試合でマイク・マッカラムのWBA世界ミドル級タイトルに挑戦したが、KO負け。マッカラムは当時、最高のミドル級。負けたからダメというわけではないが、スムーズな攻撃ができるマッカラムに敗れたところにワトソンの限界が見えたような気もする。


マイケル・ワトソン 3R TKO エロール・クリスティ

(ミドル級戦、1990年)

「ミドル級のホープ⑨」マイケル・ワトソン「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右ストレートでクリスティがダウン

3R:右フックでクリスティがダウン

(感想:25歳のワトソン。マッカラムに敗れた再起戦。これまで22勝(18KO)2敗1分。クリスティは英国レスター出身の黒人。アマチュア王者からプロへ。32勝(27KO)6敗1分。中堅どころとの試合が中心で、王座獲得歴は無し。英国バーミンガムでの一戦(レフェリーはジョン・コイル)。1R、力強く速いジャブを飛ばす両者。しかし、早くも右ストレートでクリスティがダウン。立ったが、ダメージ。ワンツー、フックで攻めるワトソン。クリスティはボディ打ちなどで対抗。2Rにもワトソンの右ストレートでクリスティがピンチ。3R、ワトソン得意の右フックでクリスティがダウン。立ったが、レフェリーストップ。ワトソンが速攻で快勝。クロス気味の右パンチが効果的だった。クリスティはパンチの打ち方に良さがあったが、最初の右が効いてしまった。その後の二人。クリスティはこの試合の後、ブランク。カムバックしたがKO負けで完全に引退。ワトソンは不運。クリス・ユーバンク(英国)のWBO世界ミドル級王座に挑戦して2-0の敗北。空位のWBO世界S・ミドル級王座を懸けたユーバンクとの再戦でKO負け。ダメージ深く、引退。英国ミドル級のライバルで後の世界二冠王ナイジェル・ベンに勝てたが、世界王座は獲れず。やや力んだボクシングだったのが、原因か?)

 

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