2024年6月24日月曜日

「アイルランドのミドル級」スティーブ・コリンズ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBOミドル級、S・ミドル級で二階級制覇。世界王者になる前の試合&ラスト二試合。ダン・モーガン戦、フレデリック・セリエ戦、クレイグ・カミングス戦を紹介します。

スティーブ・コリンズ(アイルランド)

身長183cm:オーソドックス(右構え)


スティーブ・コリンズ 3R TKO ダン・モーガン

(スーパーミドル級戦、1991年)

「アイルランドのミドル級」スティーブ・コリンズ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:右ストレートでモーガンがダウン

(感想:コリンズはアイルランド・ダブリン出身のファイタータイプ。11歳でボクシングを始め、アマチュアでは国内王者に。プロ転向。連戦連勝で全米ミドル級王座を獲得し、トニー・ソーントン(後、クリス・ユーバンク、ジェームス・トニー、ロイ・ジョーンズ・ジュニアの世界王座に挑戦。全て敗れたが、王者が強すぎたがゆえの敗北)を破って初防衛に成功。マイク・マッカラムのWBA世界ミドル級王座に挑戦したが、判定負け(初黒星)。再起して連勝中。モーガンはミネソタ州ミネアポリス出身の白人。デビューから連勝でクリストフ・ティオーゾのWBA世界S・ミドル級王座に挑戦したが、2RでTKO負け。再起戦に勝利してコリンズと対戦。ダブリンでの一戦。ファイタータイプながら器用さもあるコリンズ。ジャブ、右ストレート、ワンツーからの左フック。左フックをボディからアゴへ。アッパー気味に左フックを使うところが特徴的。モーガン(アイルランド・カラーのグリーンのトランクス。アイルランド系?)はブロックしながらジャブ、ストレート。攻めるときのディフェンスに甘さがあり、左フックを打たれる。3R、右カウンターを決めるコリンズ。左腕で巻き込むようにモーガンを倒す。これは本来ダウンではないが、モーガンはカウントを取られる。その後、見事なコンビネーション(左フック連打)からの右ストレートでモーガンがダウン。レフェリーはダウンと同時に試合を止めた。コリンズが快勝。特徴的な左フック、コンビネーション。今後の活躍に期待できそうな強さと巧さがあった。その後のモーガン。何と再起戦でマイケル・ナンのWBA世界S・ミドル級王座に挑戦。1RでKO負け。再起戦でダリル・ミラー(日本でミッキー・ロークにKOされた男)に判定勝ちしたが、その次の試合でWBC米大陸王座(クルーザー級)に挑戦してTKO負け。悪い選手ではないが、実力者には通用しないレベルの選手だった。)


その後のコリンズ 

モーガン戦の次の試合でレジー・ジョンソンと空位のWBA世界ミドル級王座を争ったが、判定負け。その次の試合で元WBA王者スンブ・カランベイにも判定負け(欧州ミドル級王座戦)。それでもリングに上がり続けるコリンズ。クリス・ピアット(英国)をTKOで下してWBO世界ミドル級王座獲得(94年)。その勢いでWBO世界ミドル級王座を保持したままWBO世界S・ミドル級王者クリス・ユーバンク(英国)に挑戦、判定勝ち、二階級制覇。リターンマッチにも勝利して王座防衛。元WBC王者ナイジェル・ベン(英国)にも二連勝、王座防衛。英国のライバルを片づけてナンバーワンに。


スティーブ・コリンズ 5R TKO フレデリック・セリエ

(WBO世界S・ミドル級タイトル戦、1997年)

「アイルランドのミドル級」スティーブ・コリンズ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:コリンズがタイトル防衛。ベンとの再戦に勝利したコリンズ。次の試合の相手はフランス人。WBO1位の挑戦者セリエはフランスの白人。身長は184cmでコリンズとほぼ同じ。フランス王座(ミドル級)を獲得したが、欧州王座戦(ミドル級)でスンブ・カランベイにTKO負け。二度目の欧州王座挑戦は判定負け。欧州スーパーミドル級王座獲得、防衛。WBA世界スーパーミドル級王者フランク・ライルズへの挑戦はTKO負け。再起して連勝中。負けてもカムバックして立ち上がってきた男。二度目の世界挑戦はどんな内容となるか? ロンドン・ミルウォールでの一戦(レフェリーはジョー・コルテス)。髪のサイドにクローバーの模様を刈り込んでいるコリンズ(愛国心が強い)。ジャブで先手を取り、接近して左右フックでボディ攻め。ミドル級時代と比べるとゴツゴツしたボクシングになった印象。セリエは距離を取るタイプでコリンズの接近にジャブ、ストレート、フックで対応する受け身の姿勢。互いにディフェンスし、決定打が出ない。5R、セリエが左マブタのキズのドクターチェック。試合終了。コリンズがジャブ、ワンツーで勝利。セリエは1位の挑戦者にしては消極的すぎた。その後、セリエは二試合。最後は欧州スーパーミドル級王座決定戦でKO負け。欧州の実力者にとどまった。)


スティーブ・コリンズ 3R TKO クレイグ・カミングス

(WBO世界S・ミドル級タイトル戦、1997年)

「アイルランドのミドル級」スティーブ・コリンズ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左フックでコリンズがダウン、ワンツーでカミングスがダウン

(感想:コリンズがタイトル防衛。WBO6位の挑戦者カミングスはミズーリ州出身の白人。ローカル試合で中堅選手を相手に連勝。元WBA世界ウェルター級王者アーロン・デービスにはTKO負け。WBC米大陸王座(J・ミドル級)獲得。連勝中の勢いで世界王座奪取なるか、といったところ。スコットランド・グラスゴーでの一戦。グリーンのチェック柄スカート着用のコリンズ。カミングスが先制攻撃。左フック連打でコリンズがダウン。しかし、これは勢いに押されたようなダウンでダメージはそこそこ。互いにジャブ、ストレート、フック。コリンズが左ボディ打ち、左フックからの右ストレート。強烈なワンツーでカミングスがダウン。その後、ゴツいパンチ(ワンツーからの左ボディ打ち、など)でコリンズが押し気味。3R、ロープ際で強烈な右フック、連打をカミングスが浴びたところでレフェリーストップ。コリンズが重いパンチで勝利。カミングスはきびきびした速いパンチを打っていたが、ユーバンク、ベンを破ってきたコリンズにとって敵ではなかった。その後の二人。カミングスは多くの試合。WBA北米王座(S・ミドル級)を獲得したが次第にピークを過ぎ、WBCインター王座戦(S・ミドル級)といったタイトル戦に敗北。世界王者にはなれなかった。コリンズはこれがラストファイト。なかなか世界王者になれず苦労したコリンズ。しかし、結局、英国のライバルたちに勝利し、王者のまま引退。「継続は力なり」を地で行く選手だった。)

 

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