2024年6月23日日曜日

「フェザー級のハグラー」フレディ・ノーウッド「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBA世界フェザー級王者。世界王者になる前の試合&その後。マウリシオ・マルチネス戦、ベニト・ロドリゲス戦、ジョニー・エドワーズ戦(再戦)を紹介します。

フレディ・ノーウッド(アメリカ)

身長162cm:サウスポー


フレディ・ノーウッド 2R TKO マウリシオ・マルチネス

(フェザー級戦、1997年)

「フェザー級のハグラー」フレディ・ノーウッド「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:左ストレートで2度、マルチネスがダウン

(感想:ノーウッドはミズーリ州セントルイス出身の黒人。見た目がマービン・ハグラーに似ていることからニックネームは「Lil Hagler(小型ハグラー)」。デビューから連戦連勝。後にIBF世界J・フェザー級王者になるブヤニ・ブング(南アフリカ)にも判定勝ち。引き分けで連勝ストップ後、また連勝。これまで24勝(16KO)1分。8勝(5KO)1分のマルチネスはパナマの黒人。パナマ王座(バンタム級)を獲得している。アトランチックシティ「Trump Taj Mahal」での一戦(リングアナはマイケル・バッファ、レフェリーはジョー・コルテス)。赤の派手なトランクスのノーウッド。ベルトラインの前に「Lil」、後ろに「Hagler」。マルチネスは青で、後ろ側に「HAVOC(大混乱)」の文字(「混乱を呼ぶ男」の意?)。ノーウッドがサウスポースタイルから右ジャブ、左ストレート。マルチネスはオーソドックスでジャブ、ワンツー。右ストレートで当てようとするが、1Rから左ストレートを食ってピンチ。サウスポーにスイッチ。2R、左右フックのボディ打ちがパワフルなノーウッド。左ストレートでマルチネスがダウン。立ったが、左ストレートで二度目。今度も立ったが、左ストレートを打たれたところでレフェリーストップ。ノーウッドが左ストレートで圧勝。しかし、マルチネスはバンタムの選手で、テクニックで勝負するタイプ。ノーウッドとは体格差があった。その後、マルチネスはエクトール・アセロ・サンチェスにも敗北したが、ニューヨーク州王座(フェザー級)獲得。NABO王座(バンタム級)獲得、連続防衛。決定戦でWBO世界バンタム級王者に。)


フレディ・ノーウッド 6R TKO ベニト・ロドリゲス

(フェザー級戦、1997年)

「フェザー級のハグラー」フレディ・ノーウッド「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

5R:右フックでロドリゲスがダウン

6R:連打でロドリゲスがダウン

(感想:無敗を守るノーウッド(WBA世界フェザー級3位)。ロドリゲスはメキシカン。1987年デビューのベテラン。試合数は多いが、ラファエル・ルエラス、スティーブ・クルス、シュガー・ベビー・ロハス(IBFインターコンティネンタル・フェザー級王座戦)、ヘスス・サルード、マヌエル・メディナに敗北するなど勝ったり負けたり。ローカル王座(J・ライト級)を獲得後、IBO王座(フェザー級)に挑戦したが判定負けに終わっている。メキシコ・ティファナでの一戦。定番の赤トランクス(「Lil Hagler」)のノーウッド。ハグラーほど忙しく動いたりせず、じっくりと構えて強い左を当てようとするスタイル。ロドリゲスはジャブ。ラウンド中に笑顔を見せたりする(余裕)。左が強いノーウッド。ワンツー、左右フックボディ打ちからの左ストレートなど。ロドリゲスはディフェンスとしぶとさはあるが、攻撃力に欠ける。5R終了直前、左ストレートからの右フックでロドリゲスがダウン。6Rには連打でダウン。カウントの途中でレフェリーは試合を止めた。ノーウッドが手数で勝利(ハグラーのような「一発で相手を倒すパワー」の持ち主ではない)。ロドリゲスは残念ながら力強く攻めるタイプではなかった。1Rに見せた笑顔は最後には完全に消えていた。しかし意外なことにロドリゲスはその後、WBAの地域王座(J・ライト級)を獲得したり、ケビン・ケリーに勝利したり。世界王者にはなれなかったが、しぶといところを見せた。)


その後のノーウッド

ベニト・ロドリゲス戦の次の試合でアントニオ・セルメニョ(日本でもおなじみ)とWBA世界フェザー級王座決定戦。これに判定勝ちして世界王者に。元WBA世界J・フェザー級王者ルイス・メンドサらを相手に二度の防衛。松本好二との三度目の防衛戦でウェイトオーバー&王座剥奪の失態(試合には勝利)。同王座をアントニオ・セルメニョとの再戦で奪回。後に大物になるファン・マヌエル・マルケス、後にWBC王者になる越本隆志らを相手に防衛成功。しかし、デリック・ゲイナーとの防衛戦で反則連発のラフファイトの末、ローブローを食ってTKO負け、王座陥落。この不可解な初黒星の後、引退。


ジョニー・エドワーズ 7R KO フレディ・ノーウッド

(ライト級8回戦、2008年)

「フェザー級のハグラー」フレディ・ノーウッド「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:左フックでノーウッドがダウン

7R:左フックでノーウッドがダウン

(感想:デリック・ゲイナー戦後、引退していたノーウッド。2006年に復帰。四連勝したが、ジョニー・エドワーズに反則負け。そして、この再戦。これまで41勝(22KO)2敗1分で、38歳。エドワーズ(28歳)はサウスカロライナ州出身の黒人で、元海兵隊。アマチュアで実績。四度の軍隊チャンピオン。プロでは13勝(7KO)2敗1分。デビューから連勝でNABA王座(フェザー級)獲得。判定で初黒星。ローブローでノーウッドに反則勝ち後、NABF王座決定戦(スーパーフェザー級)でTKO負け。その再起戦でノーウッドと再戦。アメリカ・ジャクソンビル 「キャンプ・ルジューン(アメリカ海兵隊の軍事基地)」での一戦。赤のトランクスのエドワーズ。ノーウッドは赤ではなく白。ゴング。基本形は変わらないノーウッド。右ジャブ、左右フック、左ストレートで攻める。エドワーズはトリッキーなタイプ。頻繁にスイッチしてジャブ、連打。八方破れな攻め方で、攻めるときのディフェンスに甘さ。ただ、右ストレートからの左ジャブといったテクニックを持っている。3R、左フックでノーウッドがダウン。4R、ノーウッドが左ストレートをヒットさせる。6R終わりにハプニング。レフェリーにブレイクされたノーウッドが転倒(踏ん張りが効かない?)。その後、攻めるノーウッド、ガチャガチャ打ち返すエドワーズ。7R、左フックでノーウッドがうつぶせにダウン。カウントアウト。ノーウッドが雑な攻めを食らってKO負け。バランスはノーウッドの方が良かったが、勢いに差があった。エドワーズはアマチュアで実績があったとは思えないような雑な打ち方。それでも勝つということはコブシが頑丈なのだろう。その後の二人。エドワーズは再度、NABF王座(スーパーフェザー級)に挑戦して敗北するなど負けが多くなっていった。ノーウッドは一勝一敗で、世界王座陥落からの復帰後はタイトル戦は無し。のらりくらりとしたノーウッドは「小型ハグラー」というより「小型ジェームス・トニー」だった印象。)

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