2024年6月14日金曜日

「サモアのタイソン」デビッド・トゥア①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBCインター・ヘビー級王者。デビューから快進撃。レスター・ジャクソン戦、エバートン・デイビス戦、ケン・ラクスタ戦、ブルース・ベロッチ戦を紹介します。

デビッド・トゥア(サモア)

身長178cm:オーソドックス(右構え)


デビッド・トゥア 8R 判定 レスター・ジャクソン

(ヘビー級戦、1994年)

「サモアのタイソン」デビッド・トゥア①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:右フックでジャクソンがダウン

(感想:サモア出身のトゥア。兄弟が多く、両親は家族を養うため複数の職を掛け持ち。父の勧めで7歳でボクシングを始める。バルセロナオリンピック・ヘビー級で銅メダルを獲得。アメリカを主戦場にこれまで全勝(21歳)。ジャクソン(31歳)はニューヨークの黒人サウスポー。身長は188cm。1983年にデビューしているが、85年から92年までの記録が無い(何かがあってブランクを作ったか、単に記録が抜けているのかは不明)。直前の試合では元WBA王者ジェームス・スミスに3R判定負け(ワンナイト・トーナメントでの試合。「3R」特別ルール)。アトランチックシティでの一戦(リングアナは名物男エド・デリアン、レフェリーはトニー・オーランド)。ダブついた身体のジャクソン。しかしながら、なかなか動きが機敏。右ジャブ、左ストレートからの右フック。トゥア(セコンドにルー・デュバ)はエネルギッシュ。前進して左右フック攻撃。攻めるトゥア、カウンターを狙うジャクソン。3R、左フックが効いたジャクソン。右フックでダウン。その後もトゥアは攻めの姿勢。ジャクソンは手数は出すが、押され気味。8R終了。判定は3-0。トゥアが攻勢点で勝利。ただ、相手の器用さにKOならず。ジャクソンは残念。良いパンチを持っていたが、スタミナが続かず。その後のジャクソン。敗北が目立ち、王座とは無縁のキャリアだった。) 


デビッド・トゥア 10R 判定 エバートン・デイビス

(ヘビー級戦、1994年)

「サモアのタイソン」デビッド・トゥア①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

4R:左フックでデイビスがダウン

9R:右ストレートでデイビスがダウン

(感想:レスター・ジャクソン戦の次の試合。デイビスはジャマイカ出身の黒人。主戦場はアメリカ。中堅どころに勝利してきたが、強打者アレックス・ガルシアに2-0の判定負け。直前の試合はTKO負け。タイトル戦の経験は無い。ラスベガスでの一戦。ボクサータイプのデイビス。足で距離を取りながらジャブ、ワンツー、左フック。後ろ姿、構え方、打ち方、足のスタンスなどがドノバン・レーザー・ラドックにソックリ。トゥアはジャブで前進し、接近して左右フックボディ打ち。互いにディフェンス。2R、トゥアの右フックがヒット。4R、トゥアの右ストレート。そして強烈な左フックでデイビスがダウン。しかし、デイビスはなかなかタフ。攻めるトゥアにワンツー、フックで応戦。右ストレートからの左ジャブといったテクニックも披露。7R、トゥアの右ストレート、左フックがヒット。9R、左フックからの右ストレートでデイビスがダウン。10R開始時にハプニング。デイビスが相手とグローブを合わせずに右ストレートを打ち込んで減点。最後はトゥアが連打して10R終了。判定は3-0。トゥアが強打で勝利。連続判定勝ちとなったが、テクニックのある相手との試合は良い経験になったと思われる。デイビスはワンツーに良さがあったがラドックとは異なり、パワー不足。その後もジェレミー・ウィリアムス、ティム・ウィザスプーン、ジェシー・ファーガソン、カーク・ジョンソンといった実力者に敗北。中堅選手としてキャリア終了。)


デビッド・トゥア 4R KO ケン・ラクスタ

(ヘビー級戦、1994年)

「サモアのタイソン」デビッド・トゥア①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

4R:連打でラクスタがダウン

(感想:エバートン・デイビス戦の次の試合。ラクスタはカナダ出身の白人。カナダ版「タフガイ・コンテスト」で優勝後、プロ入り。カナダ王座(ヘビー級)を獲得しているが、トレバー・バービック、ステファン・タングスタッド、フランク・ブルーノ、ロドニー・フレージャー、マイケル・ドークス、ドノバン・ラドック、トミー・モリソン、ジョージ・フォアマン、ラリー・ホームズといった実力者には敗北。直前の試合はカナダ王座戦で、KO負け。バージニア州ノーフォークでの一戦。開始から接近戦を仕掛けるトゥア。右ストレート、フック、ボディ打ち。右も左も強いが、特に左フックにパワーを込める(力を入れすぎてバランスを崩すシーンも)。ラクスタは距離を取って戦おうとするタイプ。アップライトな姿勢でジャブ、左フックからの右ストレート。右フックでカウンターを取るなど器用さもある。試合はトゥアがパワーで押し気味。4R、連打でラクスタがダウン。コーナーに座り込んだまま10カウント。トゥアが勢いで快勝。ただ、左フックを狙いすぎ。身体が大きくない分、ディフェンスには気を付けなければならない。ラクスタは頑張る選手だが、一定のレベル以上の選手には勝てない。再起戦でフランソワ・ボタに敗北して引退。ローカルな実力者としてキャリアを終えたが、名のある相手と多く試合した。)


デビッド・トゥア 1R KO ブルース・ベロッチ

(ヘビー級戦、1994年)

「サモアのタイソン」デビッド・トゥア①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左フック、左ボディ、左フックで3度、ベロッチがダウン

(感想:これまで17戦全勝(14KO)のトゥア。9勝(6KO)1敗のベロッチはニューヨークの白人。デビューから連勝だったが、判定で初黒星(4回戦試合)。10回戦はこれが初めて。アトランチックシティ「コンベンション・センター」での一戦。いつものように好戦的なトゥア。接近して左右フックボディ打ち。ベロッチ(サイドを短く刈った髪。頭頂部を伸ばして束ねている。コンスタンチン・チューのような弁髪タイプ)はブロックしながらワンツー。右ストレートに良さがある。しかし、強烈なフック、ボディ攻めで三度ダウンしてKO負け。ややアップライトな姿勢でディフェンスに難があった。最早トゥアはこのようなレベルの相手と戦うのは時間のムダである。その後、ベロッチはトゥアとの再戦にも敗れるなどトゥアとの初戦後は全試合KO負けだった。) 

デビッド・トゥア②

ダン・マーフィ戦、ダロル・ウィルソン戦、エドワード・グチェレス戦

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