2024年6月13日木曜日

「ポーランドのヘビー級」アンドリュー・ゴロタ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

IBF北米ヘビー級王者。デビューから連勝だった頃の試合。ジェフ・ラムキン戦、ウェスト・ターナー戦、ダネル・ニコルソン戦を紹介します。

アンドリュー・ゴロタ(ポーランド)

身長193cm:オーソドックス(右構え)


アンドリュー・ゴロタ 2R TKO ジェフ・ラムキン

(ヘビー級戦、1994年)

「ポーランドのヘビー級」アンドリュー・ゴロタ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左フックでラムキンがダウン

(感想:ゴロタはポーランド・ワルシャワ出身。ソウル・オリンピック(1988年)に出場し、ヘビー級で銅メダル。プロ入り。アメリカを主戦場にこれまで全勝。WBCで19位にランクインしているが、タイトルの経験はまだ無い。ラムキンはオハイオ州ヤングスタウンの黒人で、元IBF世界クルーザー級王者。デビューから連勝だったが、勝ったり負けたりを繰り返す状況に。全米クルーザー級王座への挑戦に失敗。二度目の挑戦で王座奪取。これで自信を付けたか、連勝してIBF世界クルーザー級王座獲得。初防衛に成功。この後、ブランク。ヘビー級で復帰したが、ハービー・ハイドにKOされるなど苦戦中。ラスベガスでの一戦(レフェリーはトビー・ギブソン。ゴロタのセコンドにルー・デュバ)。体格差。ラムキンが足を使って距離を取る。大きいゴロタはアップライトスタイルからの速いジャブで相手を追い、ワンツー、左右フックボディ打ち。巨体の割にはパンチが速く、動きも軽快。左ジャブ、左フックで何とか応戦していたラムキンだが、右フックからの左フックでダウン。そして、このラウンド終了後に棄権。ゴロタが楽勝。「売り出し中のホープ」に元世界王者をぶつけるのはボクシング界ではよくあることだが、この試合の場合は体格差がありすぎた。ラムキンはクルーザー級がベスト。その後、ラムキンは再起戦をデンマークで行い、「地元のヒーロー」ブライアン・ニールセン(ヘビー級)に判定負け。それが事実上のラストファイトとなった。) 


アンドリュー・ゴロタ 1R TKO ウェスト・ターナー

(ヘビー級戦、1995年)

「ポーランドのヘビー級」アンドリュー・ゴロタ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左フックでターナーがダウン

(感想:ラムキン戦後も連勝のゴロタ(26歳。IBF7位)。ターナー(30歳)はウェスト・バージニア州の黒人。デビューから連勝でウェスト・バージニア州王座を獲得したが、TKOで初黒星。以来、アレックス・ガルシア、ホセ・リバルタ、ゲリー・コーツィー(元WBA王者)らを相手に連敗するなど負け続けている。アトランチックシティ「コンベンション・ホール」での一戦(レフェリーはスティーブ・スモーガー)。ダッキングしながらジャブを出すターナー。しかし、ゴロタの正確な強打が次々にヒット。左フックからの右ストレート、右ストレート、右フックからの左フックでターナーがダウン。立ったが、ふらついてレフェリーストップ。ゴロタが正確な強打で快勝。39秒で仕事を終えた。ターナーは普通レベルの選手。右ストレートが効いて、為すすべ無し。その後のターナー。次の試合で古豪ジョー・バグナーにKOされて引退。)


アンドリュー・ゴロタ 9R TKO ダネル・ニコルソン

(ヘビー級戦、1996年)

「ポーランドのヘビー級」アンドリュー・ゴロタ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:これまで27連勝(24KO)のゴロタ(WBA・WBC・IBFでトップ10入り)。ニコルソン(イリノイ州シカゴ出身の黒人。1992年バルセロナ・オリンピックではヘビー級で出場したが、メダルは獲得ならず)も良い戦績で24勝(18KO)1敗。しかし、WBCランク28位(低い評価)。プロでの唯一の一敗は強打者ジェレミー・ウィリアムスに喫したもの(93年)。その後、後のWBA王者ジョン・ルイスを破ってIBO王座獲得したり、ジェシー・ファーガソンをTKOで下したりするなど連勝中。アトランチックシティ「コンベンション・センター」での一戦。共にアップライト気味。「クロンクジム」の金色トランクス着用のニコルソンはアマチュア出身らしくないゴツいパンチの使い手。足でリズムを取りながら一発を狙うかのような右ストレート、左フック。攻めるときに隙がある。互いにディフェンスするが、ゴロタがシャープなパンチをヒットさせて優勢。2R、右ストレートを食ってニコルソンがしがみつくようにクリンチ。その後もゴロタがコンビネーション(左フックからの右ストレート、ほか)。ニコルソンは力任せの単発攻撃で、逆に打たれる。8R終了後、ニコルソンが棄権。ゴロタが器用さ、速いパンチで勝利。細かいパンチを巧く集中させた。ニコルソンは大味なボクシング。ランキングがなぜ低いのかを物語る試合ぶりだった。その後の二人。ニコルソンは再起戦でカーク・ジョンソンに判定負け。連勝後、デビッド・トゥアにKO負け。ラストファイトはウラジミール・クリチコとのWBAインターコンティネンタル王座戦で、TKO負け。世界王者にはなれなかった。ゴロタはニコルソン戦の次の試合で「伝説の対戦」。リディック・ボウに反則負けの失態(再戦も反則負け)。レノックス・ルイスのWBC王座への挑戦は何と1RでKO負け。マイケル・グラントとの「世界ヘビー級王座挑戦者決定戦」に敗北。マイク・タイソンとノーコンテスト(思いっ切りタイソンにぶっ飛ばされたが、タイソンのドーピング違反により「無効試合」扱い)。その後も世界戦のチャンスを与えられたが世界王者にはなれず。速いパンチを打つ才能とチャンスに恵まれたが、ヘビー級は「一発のパワー」が必要。それに欠けたためトップには立てなかった。)

 

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