IBA世界S・ヘビー級4回戦王者。「闘うシロナガスクジラ」。ケビン・タロン戦、ラッセル・チャスティーン戦、ロドニー・フィリップス戦ほかを紹介します。
バタービーン(アメリカ)
身長182cm:オーソドックス(右構え)
①バタービーン 3R TKO ケビン・タロン
(ヘビー級戦、1999年)
(ダウンシーン)
2R:右ボディ、フック連打で2度、タロンがダウン
3R:右フックでタロンがダウン
(感想:好調の「IBA世界スーパーヘビー級王者」バタービーン(32歳)。これまで40勝(31KO)1敗1分。タロン(35歳)はインディアナ州の白人で5勝(3KO)3敗。1985年にデビューしてKO負け。記録ではその次の試合は1997年(長いブランク。デビュー戦でKOされて自信を失ったか)。カムバックして連勝だったが、このところ二連敗。テネシー州チャタヌーガでの一戦(どうやらノンタイトル戦らしい)。互いにジャブ、ストレート。タロンはダッキングでディフェンスするが、攻めるときは棒立ちでディフェンスに隙がある。1Rから左フックを当てるバタービーン。2R、勢いのあるフックでタロンを二度ダウンさせる。ゴングに救われたタロン。3Rにワンツー、斜め下からの右フックをヒットさせる。しかし、左フックからの右フックでダウン。倒れると同時にレフェリーは試合を止めた。バタービーンが腕力で勝利。打たれても打ち返し、勢いで押し切った。タロンは攻めと同時に防御することができない欠点。その後、バタービーンとの再戦に敗れるなど勝ったり負けたり連敗したり。「かませ犬」的なポジションでキャリアを終えたが、多くの試合。ボクシングが好きだったのだろう。)
②バタービーン 4R 判定 ラッセル・チャスティーン
(ヘビー級戦、1999年)
(感想:バタービーンがノンタイトル戦。これまで地元で全勝のチャスティーン(32歳)はケンタッキー州ルイビル(モハメド・アリの故郷)の白人。身長は191cmある。テキサス州フォートワースでの一戦。ゴツいチャスティーン。棒立ちスタイルで前進し、ジャブ、ストレート、フック。勢いで勝負するタイプ。バタービーンは打たれながらもディフェンスして反撃。2Rに右フックをヒットさせる。接近戦。もみ合うような打ち合い。3R、バタービーンが相手を挑発。チャスティーンは攻めるリズムが悪く、疲れる打ち方。パンチの正確さでバタービーン。チャスティーンは左目が腫れる。4R終了。判定は3-0。チャスティーンはよく手数を出したが、ボクシングはケンカではない。動きの固さ、ディフェンスの甘さなどがあった。その後のチャスティーン。ケンタッキー州王座獲得、防衛。ヘンリー・アキンワンデ、シャノン・ブリッグス、フランソワ・ボタ、デビッド・トゥアにKO負け。中堅どころには勝てたが、実力のある選手には勝てなかった。)
その後のバタービーン
チャスティーン戦の次の試合でピーター・マクニーリーに1RでTKO勝ち(マクニーリーはマイク・タイソン戦で有名)。その後も引き分けを挟みながら連勝し、IBA王座防衛。ビリー・ザンブラムに2-0の判定負け(2001年8月)。ラリー・ホームズと10回戦を行い、ダウンを奪ったが判定負け(2002年7月)。ロドニー・フィリップスと再起三戦目。
③バタービーン 2R KO ロドニー・フィリップス
(ヘビー級戦、2004年)
(ダウンシーン)
2R:右フックでフィリップスがダウン
(感想:このところ試合間隔が長いバタービーン。この2004年初試合(5月)は約一年ぶりのリング。これまで64勝(50KO)3敗4分。「IBA世界スーパーヘビー級王者」の肩書きは無くなったようだ。フィリップスはミシシッピ州出身の白人で7勝(4KO)16敗。ローカル試合がほとんどで、連続KO負けがしばしば。直前の試合は判定勝ち。ミシシッピ州ビロクシでの一戦。バタービーンはいつものようにジャブで前進し、右ストレート、フック。フィリップスは相手を警戒。左のガードを下げた構えからジャブ、ストレートなど。打ってはまた距離を取ったり、クリンチ、ブロックしたり。バタービーンはピークを過ぎたか、それとも体重が重すぎるのか。加速するスピード、攻めの勢いが無い、と思ったら2Rに強烈な右フック。一発でぶっ倒れたフィリップスは立てず、KO。バタービーンがワンパンチで勝利。ただ、動きのスピードに欠けた試合ぶり。元々器用ではないだけに勢いが落ちたらどうなることか。フィリップスは打たれ弱さ、ディフェンスの甘さ。腰が引けた状態でリングに上がってはならない。これが最後の試合となった。)
④バタービーン 3R KO リック・ズフォール
(ヘビー級戦、2005年)
(ダウンシーン)
3R:左フック、右フックで2度、ズフォールがダウン
(感想:フィリップス戦後、連勝したバタービーンだが、判定負け。年齢は39。ズフォールと再起戦。ズフォール(33歳)はインディアナ州の白人で6勝(5KO)5敗。ローカルな試合をしてきた選手で、直前の試合は判定負け。カリフォルニア州オーシャンサイドにある軍事基地での一戦(会場では軍人が観戦。リングアナはジミー・レノン・ジュニア)。ジャブを連打するズフォール。バタービーンは動きが重い。ただし、ジャブは重くて正確。1Rに右ストレートをヒットさせる。2R、攻めるスピードに欠けるバタービーン。アウトボクシングのズフォールに「打ってこい」のアピール。3R、これまでズフォールに逃げられてきたバタービーンが強引にラッシュ。連打からの左フックでズフォールがダウン。立ったが、今度は右フックでダウン。ズフォールは座り込んだままカウントアウト。バタービーンが巨体で勝利。ズフォールは攻められると弱いところがあった。その後の二人。ズフォールは二連続KO負けで引退。バタービーンは連敗、連勝、連敗で引退。ラストファイトは2013年の4回戦で、TKO負け。ボクサーというよりプロレスラーっぽい感じだったバタービーン。実力があるにもかかわらず経験を積んだ後も4回戦で戦うのはいかがなものか、という気もするが、アメリカらしいキャラだった。ボクシングを辞めてからは日本の「K-1」、キックボクシング、総合格闘技の試合に出場(余程戦うのが好きなのだろう)。引退後は映画、TV、ラジオに出演したり、レストランをオープンしたりと精力的な人生を送っているようだ。)
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