2024年5月3日金曜日

「南米の実力者」アリミ・ゴイチア&ハロルド・メストレ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」 

南米の軽量級王者。WBA世界J・バンタム級王座戦「ゴイチア vs. アキレス・グスマン、李炯哲」、IBF世界バンタム級王座戦「メストレ vs. ベリオ」を紹介します。


アリミ・ゴイチア(ベネズエラ)

身長172cm:サウスポー

アリミ・ゴイチア 5R TKO アキレス・グスマン

(WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1995年)

「南米の実力者」アリミ・ゴイチア&ハロルド・メストレ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左アッパーでグスマンがダウン

2R:左ストレートでグスマンがダウン

(感想:ゴイチアがタイトル初防衛。王者ゴイチアは強打者。地元を中心にリングに上がり、これまで全勝。WBAの地域王座(J・バンタム級)を獲得、防衛後、韓国の李炯哲(鬼塚勝也からタイトルを奪った男。田村知範をKOして初防衛に成功)を「疑惑のKO」で破って王座獲得(「ラウンド終了後のパンチ」によるKO勝ちだった疑い)。グスマンと初防衛戦。グスマンもベネズエラの選手。しつこい攻めが特徴のファイタータイプで韓国の金容江からWBA世界フライ級王座奪取。しかし、初防衛戦でデビッド・グリマンに敗北、王座陥落。新王者になったセーン・ソー・プルンチットに挑戦したが、WBA王座奪回ならず。階級を上げ、二階級制覇にチャレンジ。ベネズエラでの一戦(ゴング前、リング上にWBA会長ヒルベルト・メンドサ、WBA世界フェザー級王者エロイ・ロハス、前WBA世界ウェルター級王者クリサント・エスパニャ。全員ベネズエラ人)。レフェリーはジョン・コイル。1Rのゴング。身長差のある二人。スラリとしたサウスポーのゴイチアは右ジャブ、伸びのある左ストレート、しなう左フック。身長で劣るグスマンは接近して左フックからの右ストレート、ボディ連打。初回からパンチがあるところを見せるゴイチア。連打からの左アッパーでグスマンがダウン。それでもファイタータイプのグスマンはアウトボクシングするタイプではないためインファイト。接近してボディ連打。応戦するゴイチア。2R、左ストレートでグスマンがダウン。その後、手数を出すグスマン。時折パンチを当てるが、左目のマブタをカット。ゴイチアは強打者だが、距離を取って戦いたいタイプ。攻められてやや持て余すシーンも。5R、グスマンがキズのトクターチェック。再開後、レフェリーはグスマンのキズが悪化しているのを確認して試合ストップ。ゴイチアが鋭い強打で勝利。グスマンは消化不良な負け方。ダウンはしたが、まだまだ戦えそうな状態で止められてしまった。その後のグスマン。WBAの地域王座戦(フライ級)でレオ・ガメスに勝利。ヨックタイ・シスオーのWBA世界J・バンタム級王座に挑戦したが、勝てず。)


アリミ・ゴイチア 12R TKO 李炯哲

(WBA世界J・バンタム級タイトル戦、1996年)

「南米の実力者」アリミ・ゴイチア&ハロルド・メストレ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

11R:連打で李がダウン

(感想:ゴイチアがタイトル防衛。これまで13連勝(10KO)のゴイチアが二度目の防衛戦。前王者の李(19勝(15KO)5敗)はWBA8位。ゴイチアとの初戦以後、試合をしておらず、この再戦はゴイチアにKOされた再起戦となる。韓国での一戦(レフェリーはミッチ・ハルパーン)。基本的にボクサータイプのゴイチア。距離を取ってジャブ。李はファイター。左を使って前進し、右ストレート、左ボディ打ち。そして激しい接近戦に。ゴイチアが伸びる左ストレート、パワーを込めた左フック。李はダッキング、ブロッキングしながら手数。タフな李にゴイチアがクリンチするシーンも。中盤以降、疲れとダメージで勢いが落ちる李。ゴイチアが正確な強打で優勢。11R、連打で李がついにダウン。12R、コーナー付近で李が左ストレートを打たれたところでレフェリーストップ。ゴイチアが打撃戦を制して勝利。タフな試合となったが、ディフェンスで勝敗が分かれた印象。李はいわゆる「コリアンファイター」。ひたすら前進して連打する戦い方。勢いで相手を屈服させることができればよいが、そうでないときはこういう負け方をする。これがラストファイトに。ゴイチアはその後、飯田覚士をKOして三度目の防衛に成功したが、四度目の防衛戦でヨックタイ・シスオー(タイ)の右ストレートをボディに食ってKO負け、王座陥落。以後は地域王座戦に敗北するなどサッパリ。連勝だった選手が初黒星によって下り坂になってしまうのはよくあるパターン。)

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ハロルド・メストレ(コロンビア)

身長 cm:オーソドックス(右構え)


ハロルド・メストレ 8R TKO フベナル・ベリオ

(IBF世界バンタム級王座決定戦、1995年)

「南米の実力者」アリミ・ゴイチア&ハロルド・メストレ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

8R:右フックでベリオがダウン

(感想:メストレがタイトル獲得。メストレ(IBF2位)はコロンビア・カルタヘナ出身。敗北を経験後、コロンビア王座(バンタム級)を獲得。長らく王座を守り続けたオルランド・カニザレスがIBF世界バンタム級王座を返上。空位になった王座の決定戦に出場。ベリオ(IBF1位)もコロンビアの黒人。敗北しながらもIBFインターコンティネンタル王座(バンタム級)を獲得。カニザレスが王者だった頃にIBF王座に挑戦したが、判定負け。これが二度目の同王座への挑戦となる。カルタヘナでの一戦。共にバランスが良い二人。ジャブ、右ストレート、左右フックといった長いパンチを思い切りよく打っていく。ベリオは右フックにパワーを込め、左フックをダブルで打ち込む器用さ。メストレはワンツーからの左フックなどに豪快さ。接近戦では互いにボディ打ち。激しい打ち合いが続くが、パンチのキレはメストレ。8R、激しい打撃戦の中、右フックでベリオがダウン。立ったが、ギブアップ。メストレが迫力のある攻めで勝利。ベリオも右フックに良さ。振りの大きいパンチでの打ち合いで共に強かった好試合だった。しかしながら、その後、二人は意外な展開。ベリオはJ・フェザー級に転向したが、WBOの地域王座戦にTKO負け。世界王者にはなれず。メストレは初防衛戦で南アフリカのムブレロ・ボティーレに2RでKOされて王座陥落。J・フェザー級に転向したが、IBFインターコンティネンタル戦でKO負け。世界王座に返り咲くことはなかった。メストレ、ベリオ共に似たようなキャリアとなった。)

 

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