WBA世界ウェルター級王者。重く速いジャブ。世界王者になる前の試合&世界王座防衛戦。ホセ・ルーゴ戦、アルベルト・コルテス戦ほかを紹介します。
アイク・クォーティ(ガーナ)
身長172cm:オーソドックス(右構え)
①アイク・クォーティ 1R KO ホセ・ルーゴ
(ウェルター級戦、1992年)
(ダウンシーン)
1R:ワンツー、右ボディで2度、ルーゴがダウン
(感想:ガーナ・アクラ出身のクォーティ(「野生児」アズマー・ネルソンと同じ出身)。アマチュアではソウル五輪(1988年)に出場(メダルは獲得ならず)。プロデビュー。アフリカ王座、WBCインター王座(いずれもJ・ウェルター級)を決定戦で獲得。インター王座をイタリアで二度防衛後、主戦場をフランスに。ルーゴ戦はプロ20戦目(92年最後の試合)。これまで全勝。フランス初見参。ルーゴはプエルトリカン。記録に乏しく、さしたる実績が無い。フランス・ベルクでの一戦(なぜかモノクロ映像)。足で距離を取りながら速い右ストレート、左フックを思い切り打っていくルーゴ。しかしながら、空振りして転倒するなどバランスがあまりよろしくない。クォーティはディフェンス&ジャブ。ワンツーでルーゴがあっけなくダウン。立ったが、今度は右ボディでうつぶせにダウン。立てず、KO。クォーティが楽勝。まずはディフェンスから入るところが良かった。ルーゴはパンチ自体は凄まじいものがあったが、バランスの悪さと打たれ弱さ。これが最後の試合に。)
②アイク・クォーティ 8R 判定 マリオ・モラレス
(ウェルター級戦、1993年)
(感想:クォーティのプロ23戦目。モラレスはメキシカン。勝ったり負けたりで特に実績が無い。フランス・ルバロア=ペレでの一戦。サウスポーのモラレス。距離を取って右ジャブ、左ストレート、右フック。パワーはあまり感じられず、テクニックで勝負するタイプ。クォーティはジャブで相手にプレッシャーをかけ、パワーと伸びのある右ストレート、左右フック、左ボディ打ち。なかなか器用なモラレス。ディフェンスしながら右フックからの左ストレート。クォーティの強打をかわして打ち返す。しかしながら、全般的にディフェンシブで、試合の主導権を取るような攻めの姿勢ではない。クォーティは攻めるが、詰めきれず。8R終了。判定は3-0。強打者クォーティがKOどころかダウン一つ奪えず判定勝ち。パンチ自体は迫力があったが、上手く逃げられた。良い経験になっただろう。モラレスはテクニックはあったが、勝ちに行くボクシングではなかった。その後、モラレスはファン・マルチン・コッジ、カリ・ライルーらに敗北。いわゆる「かませ犬」的なポジションで終わった。)
③アイク・クォーティ 5R TKO アルベルト・コルテス
(WBA世界ウェルター級タイトル戦、1994年)
(ダウンシーン)
5R:左ボディでコルテスがダウン
(感想:クォーティがタイトル初防衛。クリサント・エスパニャ(ベネズエラ)を強烈にKOしてWBA王者になったクォーティ。初防衛戦に挑む(プロ27戦目。未だ全勝)。挑戦者コルテスはアルゼンチンのサウスポー。デビューから連勝でWBAの地域王座、南米王座、アルゼンチン王座(全てライト級)獲得。フリオ・セサール・チャベスのWBC世界J・ウェルター級王座に挑戦したが、完敗(1989年)。その後、後のスーパースター、フェリックス・トリニダードにTKO負け。以来、連勝でこの二度目の世界挑戦。フランス・カルパントラでの一戦(レフェリーは南アフリカのスタンリー・クリストドーロー)。1R、距離を取って戦うタイプのコルテス。右ジャブ、左ストレート、左フックボディ打ち。クォーティはいつものようにブロックしながらジャブで前進し、強力な右ストレート、左フック。クォーティの右ストレートがボディに入ってコルテスが相手に背を向ける。しかし、レフェリーはカウントを取ることもなくそのまま続行を指示。その後もクォーティが右ストレートで優勢。コルテスは打ち返すが、ブロックされる。5R、左ボディが効いたコルテス。連打されて相手に背を向ける(レフェリーはカウントを取らず、続行を指示)。そして右アッパーからの左ボディでコルテスがダウン。立ったが、コーナーからタオル投入で試合終了。クォーティが圧勝。初回からパワーの差を見せつけた。コルテスは抵抗していたが、勝てるような戦い方ではなかった。その後、コルテスはIBA王座(J・ウェルター級)に挑戦して敗北するなどタイトル戦では不調。南米の実力者にとどまった。)
アンドリュー・マレー戦、ラルフ・ジョーンズ戦、カルロス・ボホルケス戦
0 件のコメント:
コメントを投稿