2024年2月9日金曜日

「南アの白人ライト級」フィリップ・ホリデー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

IBF世界ライト級王者。王座防衛戦。ロッキー・マルチネス戦、ジョン・ラーク戦、ホエル・ディアス戦を紹介します。

フィリップ・ホリデー(南アフリカ)

身長168cm:オーソドックス(右構え)

フィリップ・ホリデー 12R 判定 ロッキー・マルチネス

(IBF世界ライト級タイトル戦、1995年)

「南アの白人ライト級」フィリップ・ホリデー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ホリデーがタイトル防衛。南アフリカのホリデー。ニックネームは「No Deal」(どういう意味なのだろう? 「取引不成立」「つまらないもの」といった日本語訳があるが、ボクサーに付けるような言葉ではないような気がする。イベンダー・ホリフィールドの「The Real Deal」は「優れた者」という意味だが)。デビュー以来、元WBC世界J・バンタム級王者シュガー・ベビー・ロハスを破るなど連戦連勝。全勝のまま決定戦でミゲル・フリオをTKOで破ってIBF世界ライト級王座獲得。マルチネスと初防衛戦。IBF11位の挑戦者マルチネスはメキシコ・アカプルコ出身。主戦場はデビュー以来、アメリカ・シカゴ。イリノイ州王座(J・ウェルター級)を連続防衛するなどこれまで全勝。南アフリカ・サンシティでの一戦。レフェリーは南アフリカのスタンリー・クリストドーロー(普通こういう場合は「第三国のレフェリー」が試合を裁くものだが、クリストドーローは信用のある「国際的レフェリー」。両陣営が認めれば必ずしもレフェリーは第三国の者でなくてもよいらしい)。マルチネスが「ROCKY」の鉢巻でリングイン。ゴング。似た動きの二人。ウィービングしながらジャブ、右ストレート、左フック。長いパンチを使うマルチネス。メキシカンらしい左ボディ打ちだけではなく、右ストレートからの左ジャブといったテクニックもある。中間距離での打ち合いが続き、互いのパンチがヒット。しかしながら、ホリデーはさすが世界王者。ジャブで先手を取り、ショートパンチで手数。斜め上からの右フック、隙を突くフック、アッパー。ディフェンスもできている印象。マルチネスが時折右カウンターなどをヒットさせるが、ホリデーが手数で優勢。12R終了。判定は3-0。ホリデーは一発のパワーには欠けるが、スタミナは十分。マルチネスは中盤以降、受け身になってしまった。その後のマルチネス。多くの試合。WBOの地域王座(J・ウェルター級)を獲得できたが、ランドール・ベイリー、アルツール・グレゴリアンとの世界戦に敗れて世界王座は獲得できなかった。) 


フィリップ・ホリデー 10R TKO ジョン・ラーク

(IBF世界ライト級タイトル戦、1996年)

「南アの白人ライト級」フィリップ・ホリデー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ホリデーがタイトル防衛。二度目の防衛戦。挑戦者ラークはインディアナ州出身の黒人。アマチュアを経験後、プロへ。デビュー戦にTKO負け後、連勝。アメリカのローカル王座戦でTKO負け。しかし、実力者トッド・フォスターに勝利。これで自信を付けたか、全米ライト級王座獲得。そして、この初の世界挑戦。南アフリカ・ハマンスクラールでの一戦。動きのスピードはそこそこのラーク。ただし、右ストレートには伸びがある。ホリデーは手数。ジャブで先手を取って大きな右フック、接近してボディ連打。打ち合い。ホリデーのフック、アッパーがヒット。ラークのパンチもたまに当たるがやや受け身で、クリンチしたり、距離を取ったり。10R、ホリデーの右フックからの左フックがクリーンヒット。クリンチに逃げたラークだが、レフェリーは試合を止めた。ホリデーが積極的な攻めで勝利。数多くパンチを出し、時折大きな右フック、インサイドからのアッパー。自分のパンチを生かすパターンを身に付けている。ラークは右ストレートに良さがあったが、単発。距離を詰められてフォローのパンチを出せなかった。その後のラーク。これが事実上のラストファイト。後、カムバックしたが、勝ったり負けたりだった。)


フィリップ・ホリデー 12R 判定 ホエル・ディアス

(IBF世界ライト級タイトル戦、1996年)

「南アの白人ライト級」フィリップ・ホリデー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ホリデーがタイトル防衛。三度目の防衛戦をオーストラリア・メルボルンで行ったホリデー。あのジェフ・フェネックを2Rで粉砕(フックが効果的だった)。これまで28戦全勝(16KO)。地元で四度目の防衛戦。挑戦者ディアスはメキシカン(「ボクシング兄弟」で弟フリオは後にこの王座(IBF世界ライト級王座)獲得)。後の世界王者フリオ・セサール・ボルボアに勝利しているが、ヘクター・リサラガ(後、IBF世界フェザー級王者に)らに二度のKO負け。実力者ハビエル・マルケスを破って、この初の王座戦。17勝(2KO)2敗。KO数が少ないのが気になるところ。南アフリカ・ヨハネスブルグでの一戦。似た体格。開始から打ち合い。互いにストレート、フック。左ボディ打ちに迫力があるディアスだが、ホリデーが手数(右フック、右アッパーが効果的)&ディフェンス。12R終了。判定は3-0。同じように打ち合ったが、当てる巧さでホリデーが勝利。ディアスはタフだったが、世界王座を獲るような飛び抜けた強さは感じられなかった。その後、ディアスは再起戦に勝利してそれが最後の試合に。目を痛めたのが原因。引退後はトレーナーになった。)

 

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