2024年2月7日水曜日

「長身&長いパンチ」ラファエル・ルエラス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

IBF世界ライト級王者。まさかの初黒星&世界王座防衛戦。マウロ・グチェレス戦(初戦)、マイク・イブゲン戦ほかを紹介します。

ラファエル・ルエラス(アメリカ)

身長180cm:オーソドックス(右構え)

マウロ・グチェレス 2R KO ラファエル・ルエラス

(WBC米大陸ライト級王座決定戦、1991年)

「長身&長いパンチ」ラファエル・ルエラス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:左フックでルエラスがダウン

(感想:グチェレスがタイトル獲得。メキシコ生まれのルエラス。兄ガブリエルも世界王者になった「ボクシング兄弟」。アメリカに出稼ぎに行っていた兄弟を追ってアメリカへ。アマチュアで好成績。少しぎこちないが、スラリとした体型から繰り出すジャブ、打ち下ろすような右ストレート、左アッパーが主要な武器。プロ入り後は連戦連勝。カリフォルニア州王座、スティーブ・クルスをKOして北米王座(いずれもフェザー級)獲得。これまで27戦全勝(22KO)。WBC・IBF世界ライト級8位としてWBC米大陸王座を狙う。グチェレスは44勝(27KO)15敗5分のメキシカン。連勝しては敗北するなど不安定なキャリア。メキシコ王座(フェザー級)を獲得、防衛後、アズマー・ネルソンのWBC世界フェザー級王座に挑戦してKO負け。メキシコ王座陥落後は勝ったり負けたり。このところ二連敗中。カリフォルニア州リシーダでの一戦。ガードを上げて長いパンチで前進するルエラス。右フックからの左フックといったコンビネーション。グチェレスはフックで応戦。しかしながら、ルエラス。階級を上げたせいなのか動きのスピード、キレに問題。グチェレスの接近を許し、右カウンターを食うシーンも。接近戦が続く中、2R。左フックを食ったルエラスが追撃の左フックでダウン。片ヒザをキャンバスに着いたまま10カウント。その後「スクッ」と立ち上がったが、時すでに遅し。連勝のルエラスが妙なKO負け。レフェリーに抗議していたが、それは無駄というもの。おそらくパンチが効いていたのだろうが、レフェリーのカウントを聞き間違えたようだ。グチェレスはなかなかタフだった印象。フィニッシュの左フックは良いパンチだった。その後、二人は再戦。ルエラスの判定勝ち。これが「真の結果」か。その後、グチェレスは老雄エウセビオ・ペドロサに勝利したり、シェーン・モズリーと対戦したり。中堅どころで終わったが、名のある選手と多く対戦した。) 


ラファエル・ルエラス 11R TKO ホルヘ・パエス

(北米ライト級王座決定戦、1992年)

「長身&長いパンチ」ラファエル・ルエラス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左アッパーで2度、パエスがダウン

(感想:ルエラスがタイトル獲得。グチェレスにまさかの敗北を喫したルエラス。その後、元WBA・IBF世界J・ライト級王者ロッキー・ロックリッジを判定で下すなど連勝。グチェレスに判定で雪辱し、このパエス戦。パエス(27歳)はメキシカンで元IBF・WBO世界フェザー級王者。トリッキーな動きと回転の速い連打が武器。しかし、階級を上げてからは苦戦。トニー・ロペスのIBF世界J・ライト級王座、パーネル・ウィテカーの世界ライト級王座への挑戦はいずれも判定負け。中堅どころには勝利しているが、ルエラス相手にどんな動きを見せるか? カリフォルニア「グレート・ウェスタン・フォーラム」での一戦。メキシコ国旗をイメージしたガウン&トランクスのパエス。髪のサイドにはアルファベットの刈り込み。開始から接近戦。パエスが振りの大きいフック。ルエラスはストレート、フックに加えて左ボディ打ち、左アッパー。動きのスピードは相変わらずそこそこであるが、全体的にパンチ力が上がった印象。右ストレートには伸びとキレがあり、コンビネーション(ワンツーからの左フック、左フックからの右ストレートなど)主体の攻めで手数も多い。打ち合いに付き合いすぎのパエス。左アッパーで二度ダウン。それでもパエスは前進し、その後も打ち合い。ディフェンスしながら打ち合うパエスにルエラスが強打。4Rにハプニング。左フックが効いたルエラスが連打されてピンチ。しかし、パエスはここまで。次第に両者に疲れが見られ、ルエラスが距離を取ろうとするパエスを攻める。10R終了後、パエスが棄権。ルエラスが攻めの姿勢で押し切って勝利。しかし、好戦的ではあるが、打たれ弱さが。パエスはパンチが軽め。フェザー級王者時代も綱渡り的な防衛だったが、階級を上げてからはパワー不足を特に感じる。その後もパエスは多くの試合。人気では世界王者たちを上回るものがあったが、オスカー・デラ・ホーヤにKOされるなど世界王座への返り咲きはならず。)


ラファエル・ルエラス 3R TKO マイク・イブゲン

(IBF世界ライト級タイトル戦、1994年)

「長身&長いパンチ」ラファエル・ルエラス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ルエラスがタイトル初防衛。北米王座を防衛後、実力者ダリル・タイソンにも勝利したルエラス。フレディ・ペンデルトンを判定で下してIBF世界ライト級王座獲得。しかし、この試合でルエラスは何度もダウン。「負けていたのでは?」と言われた「疑惑の判定」での勝利。王者として強いところを見せなければならない状況。IBF8位の挑戦者イブゲン(28歳)はミネソタ州の白人。ニックネームは「Rice Street Rocker」(意味不明)。これまで25勝(12KO)2敗。IBOのJ・ウェルター級王者になったことがあるが、「ローカルな選手」といったイメージ。ラスベガス「MGM Grand」での一戦(ロイ・ジョーンズ・ジュニア、オスカー・デラ・ホーヤの世界戦が行われた興行。リングサイドではシュガー・レイ・レナードが観戦)。シャープなジャブ、ワンツーのルエラス(22歳)。イブゲンはウィービングしながら前進し、右ストレート、左フック。「右ストレート、左フック、右ストレート」といったコンビネーションを使う器用さもある。しかしながら、大きな実力差。ルエラスの左フック、アッパーがヒット。1Rから打たれるイブゲンは2Rも右ストレートでピンチ。3R、ロープ際でイブゲンが連打されたところでレフェリーストップ。ルエラスが快勝。離れた距離からの長いパンチ、接近戦での左フック、アッパーが効果的だった。イブゲンは器用さはあったが、「怖い武器を持つ男」ではなかった。その後、イブゲンはブライアン・ミッチェルに敗北するなど勝ったり負けたりでキャリアを終えた。)

オマール・パチェコ戦、ビリー・シュワー戦、ジョージ・スコット戦 

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