2024年2月6日火曜日

「正統派サウスポー」ケビン・ケリー③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBC世界フェザー級王者。マイナー王者時代。エドウィン・サンタナ戦、オルランド・フェルナンデス戦ほかを紹介します。

ケビン・ケリー(アメリカ)

身長170cm:サウスポー

ケビン・ケリー 12R 判定 エドウィン・サンタナ

(WBUフェザー級タイトル戦、1996年)

「正統派サウスポー」ケビン・ケリー③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ケリーがタイトル防衛。これまで44勝(31KO)1敗2分のWBU王者ケリー。後のWBA王者デリック・ゲイナーをKOして初防衛に成功し、サンタナと二度目の防衛戦。サンタナはドミニカの選手で主戦場はアメリカ。これまで無敗。ローカル王座獲得、クラレンス・アダムスと引き分け、といったキャリア(ケリーもアダムスと引き分けたことがある)。アトランチックシティでの一戦。ジャブ、踏み込んで右ストレートのサンタナ。接近戦では振りの大きいフック。力強いが、力んで打つため流れるような攻撃ができない。そんなサンタナにケリーはディフェンスしながら右ジャブ。左アッパーからの左右フックといった畳み掛ける連打。しかし、右を食うのを恐れてか、ケリーは打ち合いは避けたい様子。大きなアクションに欠けたまま12R終了。判定は大差の3-0。ケリーがアウトボクシング&連打で勝利。エキサイティングではなかったが、会場のケリーファンはスタンディングオベーションしていた。サンタナは攻撃が単発。パンチ自体はパワフルで良かっただけに残念である。その後、サンタナはオルランド・カニザレス(IBOフェザー級王座戦)、ホエール・カサマヨール(WBA世界スーパーフェザー級王座戦)に敗れ、大きな王座は獲れなかった。)


ケビン・ケリー 10R TKO オルランド・フェルナンデス

(WBUフェザー級タイトル戦、1997年)

「正統派サウスポー」ケビン・ケリー③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

10R:左フックでフェルナンデスがダウン

(感想:ケリーがタイトル防衛。ヘスス・サルードを判定で下して三度目の防衛に成功したケリー。四度目の相手フェルナンデスはプエルトリカンで元WBO 世界J・フェザー級王者(WBF王者になったことも)。直前の試合ではマルコ・アントニオ・バレラのWBO世界J・フェザー級王座に挑戦。しかし、王座奪回ならず。ミシシッピ州トゥーニカでの一戦。右ストレート、左フックで攻めるフェルナンデス。ケリーはディフェンスしながら左ストレート、右フック、左ボディ打ちで対抗。接近戦。互いにフック攻撃。共に一撃で相手を倒すようなパワーはない印象。7R、左ストレートを食うフェルナンデス。8Rにはさらに打たれてピンチ。10R、至近距離からの左フックでフェルナンデスがダウン。倒れると同時にレフェリー(スティーブ・スモーガー)が試合を止めたほどの痛烈なダウンだった。ケリーが正確なパンチで勝利。フェルナンデスはフック攻撃は悪くはなかったが、サウスポーの左を食ってしまった。これが最後の試合に。)


その後のケリー

オルランド・フェルナンデス戦の次の試合でナジーム・ハメドのWBO世界フェザー級王座に挑戦したが、何と4RでKO負け。WBU王座返上。デリック・ゲイナーとの再戦に判定負け。エリック・モラレスとのWBC世界フェザー級暫定王座決定戦に判定負け。ウンベルト・ソトを判定で下して北米ライト級王座獲得。マルコ・アントニオ・バレラにTKO負け。ボビー・パッキャオ(マニーの弟)にKO負け。再起戦はカルロス・エルナンデスとのノンタイトル10回戦。


ケビン・ケリー 10R 判定 カルロス・エルナンデス

(ライト級戦、2006年)

「正統派サウスポー」ケビン・ケリー③「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

4R:右フックでエルナンデスがダウン

(感想:39歳になったケリーのプロ68戦目。エルナンデス(35歳)はロサンゼルス出身のベテランで、元IBF世界スーパーフェザー級王者。勝てなかったが、ヘナロ・エルナンデス、フロイド・メイウェザー・ジュニア、エリック・モラレス、ヘスス・チャベスといった実力者と対戦経験。テキサス州サン・アントニオでの一戦。丸い身体になったが基本は変わらないケリー。右ジャブ、左ストレート、左アッパー。エルナンデスは右ストレート、接近して左右フックボディ攻撃。4R、強烈な右フックでエルナンデスがダウン。その後も接近戦、もみ合い。ボディを攻めるエルナンデス。ケリーはディフェンスしながら相手の隙を狙うパンチ。10R終了。判定は3-0。ケリーが当てるテクニックで勝利。エルナンデスはボディをよく攻めていたが、ジャッジに評価されず。ブロックされていたようだ。その後の二人。エルナンデスは二試合やって引退。ケリーはマヌエル・メディナとのIBF王座(スーパーフェザー級)挑戦者決定戦に判定負け。大きな試合はそれが最後に。シャープなパンチで全勝だった頃がケリーのベスト。強さよりも巧さで勝負。サウスポーの選手にとって手本になるようなテクニシャンだった。)

 

0 件のコメント:

コメントを投稿