2024年2月5日月曜日

「正統派サウスポー」ケビン・ケリー②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBC世界フェザー級王者。世界王座陥落後。リカルド・リベラ戦、トミー・パークス戦、ルイ・エスピノサ戦を紹介します。

ケビン・ケリー(アメリカ)

身長170cm:サウスポー

ケビン・ケリー 9R TKO リカルド・リベラ

(J・ライト級戦、1995年)

「正統派サウスポー」ケビン・ケリー②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:右カウンターでケリーがダウン

4R:左フックでケリーがダウン

6R:連打でケリーがスタンディングダウン

9R:左ストレートでリベラがダウン

(感想:デビュー以来、連勝だったケリー。WBC世界フェザー級王座の二度目の防衛戦ではホセ・ビダ・ラモス(ドミニカ)を力強くKO。しかし、三度目の防衛戦でアレハンドロ・ゴンザレス(メキシコ)にTKO負け、初黒星(41勝(29KO)1敗)。リベラ戦はその再起戦となる。リベラはこれまで12勝(4KO)2敗1分。プエルトリコ王座(J・ライト級)を獲得したことがある。ペンシルベニア州チェスターでの一戦(ボブ・アラムの「トップランク・ボクシング」)。スラリとしたリベラ。距離を取ってジャブ、ワンツー。ケリーはいつもと同じ。右ジャブで接近して伸びのある左ストレート、フック。突き上げるように打つ右フックに迫力。リベラは接近戦で右アッパーを使うなど器用さもある。2R、右カウンターでケリーがダウン。その後、ケリーはリベラの長いパンチに苦戦。顔が腫れ、鼻から出血。4R、またしても右カウンターがヒットし、左フックでケリーがダウン。しかし、レフェリーはこれを「スリップ」扱い。6Rには連打でケリーがスタンディングカウントを聞く。さらに連打を浴びてストップ寸前。しかしながら、リベラ。ワンツーの後の攻撃が続かず、ディフェンスに隙が。7R、8R、ケリーがディフェンス、フック攻撃。9R、左ストレート一撃でリベラがダウン。立ったが、フラついてレフェリーストップ。ケリーが劇的なKO勝利。打たれたが、辛抱強く防御しながら打ち返した。この試合はケリーの特徴がよく出ていた。攻める姿勢ではあるが、相手がビビるほどの強打者ではない。相手の反撃を食ってダウンしたり、劣勢になったり。しかし、ディフェンス、相手の隙を突くテクニックがある。良いところ、足りないところが出た試合だった。リベラは残念。長いパンチを使う選手は打ち終わった後、隙ができることが多い。その後、リベラは勝ったり負けたり。中堅選手でキャリアを終えた。)


ケビン・ケリー 2R 負傷引分 トミー・パークス

(J・ライト級戦、1995年)

「正統派サウスポー」ケビン・ケリー②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右カウンターでケリーがダウン

(感想:リベラに大苦戦したケリー。その次の試合の相手パークスはテネシー州出身の黒人。ニックネームは「School Boy(男子生徒)」(童顔の人に付けられやすいアダナ)。これまで18勝(10KO)8敗。ハロルド・ウォーレン、ユージン・スピードにKOされている中堅どころ。直前の試合では後の世界王者クラレンス・アダムスに判定負け。ミシシッピ州ベイ・セント・ルイスでの一戦。左右の構えの違いはあるが、互いにまずはジャブから。しかし、パークスはかなり強引。右ストレート、左フックをパワフルに使うのはよいが、1R序盤からバッティング。正確なパンチで対応しようとするケリーだが、右カウンターでダウン(右手がわずかにキャンバスにタッチしたのをレフェリーは見逃さなかった)。2R、左ストレートで攻めるケリーだが、ここでバッティング。パークスが負傷して負傷引分。このところツイていないケリー。またしてもカウンターでダウン。攻めの姿勢はいいが、ファイティングスタイルに根本的な見直しが必要。パークスはパワーがあってよかったが、粗い。その後、パークスはジュニア・ジョーンズにTKO負け。北米王座(フェザー級)に挑戦するチャンスを得たが、TKO負け。中堅選手でキャリアを終えた。)


ケビン・ケリー 12R 判定 ルイ・エスピノサ

(WBUフェザー級王座決定戦、1996年)

「正統派サウスポー」ケビン・ケリー②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ケリーがタイトル獲得。パークス戦の次の試合でクラレンス・アダムスとWBUフェザー級王座を争ったケリーだが、引分。このところ苦戦、引き分けが続いている状況で再度WBU王座の決定戦に出場。エスピノサはアリゾナ州出身のベテランで、これまで50勝(42KO)9敗2分のボクサーファイター。KO数が多いが、強引なファイターではなく正統派タイプ。WBA世界J・フェザー級王座、WBO世界フェザー級王座獲得の実績。ただし、アレハンドロ・ゴンザレスのWBC世界フェザー級王座への挑戦は判定負けに終わっている。ラスベガスでの一戦(リングサイドでシュガー・レイ・レナードが観戦)。ジャブを細かく連打して右ストレートを出すエスピノサ。ケリーは慎重。ダッキングなどでディフェンスしながら右ジャブ、相手の隙を突く左ストレート、フックを時折ヒットさせる。5R、エスピノサが右ストレート、左フックをヒット。しかし、ケリーはあくまでも慎重にディフェンス&クリンチ。エスピノサの右攻撃は単発に終わり、右目の腫れが悪化。12R終了。判定は大差の3-0。ケリーがポイントを取るボクシングで勝利。このところの試合結果から今回は手堅く勝ちたかったのであろうが会場のお客がケリーの試合ぶりに満足したかどうか? エスピノサは残念ながら全盛を過ぎていた印象。エスピノサのセコンドのウェアには「シャープシューター」と書いてあったが、ケリーのパンチの方がよりシャープだった。その後、エスピノサはIBO王座(ライト級)、北米王座(J・ライト級)に挑戦したが勝てず、引退。)

 

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